【全起こし】猫になったら?沢尻エリカ「大自然を駆けまわりたい」、吉沢亮「女性と密着したい…」『猫は抱くもの』完成披露試写会舞台挨拶レポート 全文掲載

MC:素敵なご紹介をありがとうございます。さて早速なんですが、本作『猫は抱くもの』が今年の上海国際映画祭(長編劇映画部門)で、日本映画唯一コンペティションに選ばれました!おめでとうございます!

沢尻:ありがとうございます。

MC:映画祭の事務局からの情報ですと、21回目を迎える今年は、世界108ヵ国から3400本以上のエントリーがあったそうなんですが、そのコンペ部門の中で日本映画(長編劇映画部門)として唯一、この作品がノミネートされているということで、監督、ぜひ一言いただけますか?

犬童:うーん…うまくいくといいですね(笑)。ぜひ沢尻さん、映画祭行ってください!(笑)。お願いします!

沢尻:あはは!(笑)。

犬童:でも、中国の皆さんが新鮮な経験としてこの映画を受け入れてもらえたら嬉しいなと思います。あと、ここに出ている出演者の皆さんのおもしろさを味わってほしいなと思いますね。

MC:上海でどんな反応が返ってくるか楽しみですよね。

犬童:そうですね。

MC:ありがとうございます。それでは、ここからいくつかご質問をさせていただきますが、まずは監督、『猫は抱くもの』の主人公・沙織は、なりたい自分になれず人生をこじらせているという役どころなんですが、この主人公・沙織に沢尻さんを起用された理由をお聞かせください。

犬童:僕は沢尻さんのことをすごく尊敬していたんですね。『ヘルタースケルター』っていう映画を観る前から知っていたけど、特にあの作品を観て、自分として心から尊敬したところがあって、いつか自分の作品に出てほしいと思っていたわけですよ。アカデミー賞で一緒になった時に、樋口真嗣さんと二人でわざわざ挨拶に行ったりとか、いろんな下地は作っておいたんですけど。沙織という役は地味な役なんですね、ある意味。スーパーの店員でうまくいってなくて、キラキラする時間が周りになくて猫だけがいるみたいな。でもそういう役を沢尻さんがやってくれるとすごく新鮮になるんじゃないかっていうことと、そこから映画がその時間から抜け出していくっていう時に、映画のクライマックスなんですけど、その時にものすごく野蛮な大きなパワーみたいなものがほしくて、映画のグルーヴを生み出していくというか、それが俳優同士のぶつかり合いとか、いろいろな映像の要素が一緒になってグルーヴを作り出す時の、彼女のそのパワーが欲しかったんですね。計算されたものだけじゃなくて、持っている野蛮さみたいなものがバーン!とあふれ出てきてグルーヴを作り出していくというか。それは観てもらわないとわからないかもしれないですけど(笑)、新鮮であると同時に、本来彼女が持っている良さをクライマックスで見せていけたらいいなというのがあったんですよね。沢尻さんが、最初にこの映画をやろうって言った時に出てほしかった人なんです。僕だけじゃなくてみんな、プロデュースしている人たちもそうで。だから、引き受けてもらえた時はすごく嬉しかったです。アカデミー賞の時に挨拶に行っておいて良かったなぁって、ほんとに(笑)。下地を作っておいて良かったなぁと(笑)。

MC:沢尻さんは監督からのオファーを受けてどのように感じましたか?

沢尻:ほぼ即決で決めたのが、そのアカデミー賞の時のことをすごく覚えていて、すごくチャーミングな監督だなっていう思い出で。

犬童:樋口真嗣と間違えていたんじゃないですか?(笑)

沢尻:監督です、監督(笑)。これは感覚なんですけど、その時のフィーリングもあって、今回お話をいただいた時に、監督が作る猫作品、元アイドルの役どころ、なんかおもしろいものができるんじゃないかという単純な理由で即決したという感じですね。

MC:今からご覧いただく本作なんですが、沢尻さん、特に力を入れたシーンについて伺いたいんですけれども。

沢尻:今回の作品は一風変わったといいますか、舞台上で、本当の劇場の中の舞台を使って、そこにセットを立てて舞台をやっているようなシーンがあるんですね。それと実写を織り交ぜているんですけど、その舞台のところがとにかく大変で。途中の中盤ぐらいのシーンになるんですけど、ゴッホのアトリエからスナックに行ってまた戻るみたいな、ずっと一連で撮っている長回しのシーンがあるんですけど、そこがいろいろ盛りだくさんで、舞台上でシーンが転換して変わっていく間も芝居を続けなければならなくて、喜怒哀楽も表現されているすごく難しい芝居だったんですけど、やりがいというか面白味はすごくあって、お気に入りのシーンになりました。ぜひ見てください。

犬童:2週間ぐらいリハーサルしていたんですよ、みんなで。リハーサルを2週間ぐらいしたうえで全部本番を撮っていくというやり方で撮影していたので、そのリハーサルをしていたのはすごく良かったです。

MC:舞台のような、演劇的な見せ方をされています。

犬童:でもみんな映画のつもりでやっていたんですけど、映画の演技は映画の演技と思ってやったんですけど。

MC:本当におもしろい作品になっていますので、ぜひ楽しみにしていてください。沢尻さん、劇中でアイドルグループ「サニーズ」ですとか、あとは安室奈美恵さんの楽曲を歌うシーンがありましたね。

沢尻:そうなんですよ。いろいろ歌って踊ってみたいなところがあるんですけど、本当に大変で、すごい練習をして(笑)。普段歌って踊っていないので(笑)、なかなか大変だったんですけど、自分の中で新鮮というか、やってきたことがなかったことをやっているのですごくおもしろかったです。

MC:練習されたんですね。

沢尻:はい、頑張りました(笑)。

犬童:アイドルって自己紹介するじゃないですか。映画の中にも出てくるんですけど、それは僕が知らない間に勝手に作っていて。言葉も形も挨拶も全部グループで、勝手に沢尻さんが作っていて。何かの拍子に、僕はそこで違うことをやっているんですよ。あまりにも完成度が高いので映画にそのまま使ってる(笑)。

沢尻:たまたまあれは楽屋でみんなで待っている時に、アイドルってキャッチコピーみたいなのがあるじゃないですか、それを待ち時間の間に「みんなで考えようよー!」みたいな話で盛り上がっていて、「あ!それ、おもしろい!おもしろい!」って言っていて、それは本当にギャグ、ノリなんですけど(笑)、それを監督に見せたらそのまま採用されてしまうという流れで(笑)。

犬童:完成度が高いですよ。