MC：ありがとうございます。続きまして、息子の罪を償い続けるタクシードライバー山内修司役を演じました、佐藤浩市さんお願いします。

佐藤：佐藤です。息子が事故を起こして幼い子供たちの命を奪ってしまった父親の役です。ここに登壇する前に宣伝部の方に、「ネガティブなことは言わないでくれ」と言われましたが、ネガティブな役なんですよ！（会場爆笑）どうもすいません（笑）。

MC：ありがとうございます（笑）。最後に本作を監督しました瀬々監督お願いします。

瀬々：瀬々です。こういう素敵な面々と一緒に映画を作れました。幸せに思っております。ここはできたての映画館ですので、昨日映写のチェックをしたら、音が非常にマイルドで画面もすごく迫ってくるように観えますんで、ハリウッド映画のように観えます（笑）。

MC：ありがとうございます。まずは生田斗真さん、本作に関わるすべてのキャストとスタッフの皆さんの覚悟を、本気をヒシヒシ感じるような映画だと思いました。生田斗真さんはこの脚本を読まれた時、どうお感じしましたか？

生田：先ほど富田さんもおしゃってましたけど、これは絶対やらなくてはならない題材だなと思っていたので、とはいえ映画の製作中もできあがってからもスタッフの皆さんと、この映画は本当に作って良かったのだろうかと、ずっと考えながら撮影していた記憶があります。同じ時代に生きてきた者としては、エンターテイメントとして表現するのは必要なんじゃないかと覚悟を持ってこの映画に挑むことにしました。

MC：脚本を読まれて、そういう気持ちが固まりましたか？

生田：そうですね。もちろん薬丸先生が書かれた小説もそうですけど、今回の映画の脚本はすごく真に迫ってくるものがあったと思うので、自分としては最大限の表現ができればなと思いました。

MC：今、覚悟とおっしゃいましたが、覚悟といえば瑛太さん。元少年Aの役という、我々が想像するだけでも大変困難な役ではないかと思うのですが、どのようなお気持ちで役に挑まれたのでしょうか？

瑛太：まず衣装合わせで監督にお会いしたら『僕が俳優だったら、この役は受けないよ』と言われまして（笑）。そこからスタートしました。覚悟は必要でして、まず少年Aの手記を読ませていただいて、いろいろ感じることがあって、とにかく全面的に殺人を犯した人間に対して否定的なことを感じるんですけど、少年Aに対してどこか光のようなものを感じてしまい、そこが役を演じる上で大事なところだなと思って、現場でも最終的に彼がスクリーンの中でお客さん対してどんな光を与えられるかを想像しながら演じていました。

MC：そして夏帆さん。鈴木に惹かれていくという、役柄としても難しい役ではなかったかと思うのですが。役の話が来た時は、どのように思われましたか？

夏帆：瀬々さんの過去の作品を拝見させていただいていて、瀬々組に参加してみたいと思っていたので、最初にお話をいただいた時は率直に嬉しかったです。瀬々組のオファーが来たと思って。ただ、本を読んでいくと、なかなか覚悟が必要な役で、この役を好きになれるのかなと思って（笑）。正直すごく悩みました。ただ、この難しい題材を瀬々さんがどう作って行くんだろうと、私も現場で見たかったのもあり、覚悟を決めてお受けしました。