生田斗真「母親がSMAPが大好きで…」、瑛太「1番の現実逃避がスクリーンの中だった」映画『友罪』特別授業イベントレポート

デビュー作「天使のナイフ」で江戸川乱歩賞を受賞した注目のミステリー作家、薬丸岳が2013年に発表した小説「友罪」を原作に、『64-ロクヨンー前編/後編』の瀬々敬久監督が映画化する『友罪』が、5月25日より全国公開となる。これに先だち、5月14日に明治大学駿河台キャンパスにて特別授業が実施され、主演の生田斗真と瑛太、監督の瀬々敬久が登壇した。

文学部文学科文芸メディア専攻 伊藤氏貴准教授による特別授業“少年犯罪とその後-映画『友罪』を通して-”と第されたイベントに、サプライズゲストとして登壇した3人。映画化が決まる前から原作を読んでいたという生田は「映像作品として残すべき題材であり、残すべき小説だと感じていたので、映画化の話をいただいた時は、ついにやるのかという気持ちと、これを世に送り出そうとする覚悟を持ったスタッフの方々の熱意みたいなものを感じた」とコメント。

少年Aという難役に挑んだ瑛太は「実際、神戸の事件が起きた時は、僕もショックを受けました。少年Aを扱った映画を作る上で、映画を通して何を伝えたいのかというのは、すごく疑問がありました。プロデューサーと監督といろいろお話をさせていただいて、実際の少年Aの手記を読ませていただいた時に、少年Aの家庭環境であったり、その時に起きた衝動だったりが、どこか全否定できない部分が生まれて」と自身の思いをキャラクターにのせていったことを明かした。

もし自分の友達が犯罪を犯していたらどうしますか?という質問に、生田は「一度友情が芽生えたのであれば、続けていきたいですけど、きれい事なのかなとも思う。少しでも自分の力で彼の将来が変わってくれるんじゃないかという期待は持ち続けていくんだろうなと思います」と身体から言葉を絞り出すように述べ、瑛太は「距離をとるかもしれない。向き合うことはするかもしれないけど、警戒心も生まれるし、今まで以上とはいかない。例えば自分の家に子供がいて、そこに犯罪を犯した人間を入れることはできない。少しずつ距離をおいて、友達をやめるかもしれない」とリアルな気持ちを語った。

学生からの質問で人生のターニングポイントを聞かれた生田は「自分の母親がSMAPが大好きで、履歴書を事務所に送って。僕は芸能に興味はなかったんですけど、なんとなくずっと部活の延長のような感じで続けていて。確信が持てずに模索していたところで演劇に出会って、ここで生きていこうと決意しました」と現在までの経緯を告白。瑛太は「高校をサッカー推薦で入ることができたんですけど、高校一年で挫折して普通科に行きました。でも勉強は大嫌いなので、いろいろなバイトをやったんですけど、全部一ヶ月しか続かない。1番の現実逃避が映画のスクリーンの中だった」と明かし、会場の学生たちはキャストたちの言葉に真剣に耳を傾けていた。

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『友罪』
5月25日(金)全国ロードショー
監督:瀬々敬久
出演:生田斗真 瑛太 佐藤浩市 夏帆 山本美月 富田靖子 奥野瑛太 飯田芳 小市慢太郎 矢島健一 青木崇高 忍成修吾 西田尚美 村上淳 片岡礼子 石田法嗣 北浦愛 坂井真紀 古舘寛治 宇野祥平 大西信満 渡辺真起子 光石研
配給:ギャガ

【ストーリー】 ある町工場で働き始めた、元週刊誌ジャーナリストの益田(生田斗真)と、他人との交流を頑なに避ける鈴木(瑛太)。共通点は何も無かった二人だが、同じ寮で暮らすうちに少しずつ友情を育ててゆく。そんな折、彼らが住む町の近くで児童殺人事件が起こり、世間では17年前に日本中を震撼させた凶悪事件との類似性が指摘される。当時14歳だった犯人の少年Aはすでに出所しており、その後の行方を知る者は少ない。果たして今回の事件も彼の犯行なのか…。驚きと疑問に突き動かされ、ネットに拡散していた少年Aの写真を見た益田は愕然とする。そこにはまだ幼さの残る鈴木が写っていた―。

(c)薬丸 岳/集英社 (c)2018映画「友罪」製作委員会