【全起こし】中山美穂、新垣隆と新ユニット結成?「さっき楽屋で決まりました」映画『蝶の眠り』プレミア試写会レポート全文掲載

MC:ありがとうございます。それではここから私の方からいくつか質問をさせていただきます。まず中山さん、5年ぶりの主演作となりますが、今回この映画にご出演を決めた理由はどういったところでしょうか?

中山:最初にプロットをいただいた時に、マルグリット・デュラスの作品みたいな感じのイメージだということで、とても楽しそうだなと思ったのと、監督からとても長いお手紙をいただいて。“Love Letter”と書いてあって(笑)。その内容が、どうしてこの作品を選んだのか、『Love Letter』(’95)がどれだけ好きかとか、とにかく熱い思いで、それも日本語で書かれていたんですね。それに感動してお引き受けしようと思いました。

MC:まさに心に届くLove Letterだったんですね。ジェウン監督、お手紙を日本語で書かれたということで。今回、中山さんをご指名された理由を、監督の口から改めてお聞かせいただけますか?

ジェウン:まず、日本語で書いたことは書いたのですが、手紙というよりも絵に近いものでした。私はもともと日本語を書けなかったので、絵を描くような気持ちで書いていました。中山美穂さんをキャスティングした理由は、韓国で日本映画といえばまず『Love Letter』なんですね。そして韓国において日本の女優さんといえば、真っ先に中山さんということになりますし、韓国でそれくらい中山さんと『Love Letter』の人気というのが絶対的なものがあります。なのでシナリオを書いている時にも、誰に主人公をお願いしようかと思った時に、中山さんしか浮かびませんでした。そして中山さんが持っていらっしゃる女性としての力、そして女優さんとしての力、そしてこれまで意味のある演技を見せてくださいましたので、ぜひお願いしたいと思って今回お願いしました。

MC:韓国では『Love Letter』公開時に「お元気ですか?」が社会現象になったくらいですからね。ありがとうございます。永瀬さん、今回残念ながらご参加できなかったキム・ジェウクさんのアルバイト先の上司という役柄でしたけど、おふたりの息がとてもピッタリだと思ったんですが、ジェウクさんと共演はいかがでしたか?

永瀬:今日は非常に残念でしたね、お会い出来ると思っていたので。とても好青年で、すごい頭のいい人だと思いました。アドリブとかもちゃんとした日本語で理解して返してくれて、すごい楽しかったです。

MC:ものすごく流暢な日本語をお話されますよね。

永瀬:いくら勉強したのか、自分の身に置き換えると信じられないぐらい上手ですよね。

MC:でも数々の海外作品で活躍されている永瀬さんなんで、語学の大変さは良くお分かりかなと思うのですが。

永瀬:いやあ、僕ももうちょっと頑張んなきゃなと思いましたね(笑)。

MC:ありがとうございます。中山さんと永瀬さんは30年来の仲と伺っているんですけど、今回のご出演についてはおふたでお話はされたんでしょうか?

中山:台本に名前が書いてあって、「あ、永瀬くんだ!」と思って連絡してみたら「そうなんだよ、美穂がやるからやるんだよ」みたいなことを言ってくれて。ありがたいなと思って。

永瀬:いえいえ、こちらこそ(笑)。ずいぶん昔から知っている仲間のうちの1人だったので、彼女が主役ということで「ぜひ」と思って。ちゃんと座長として、『今回はありがとう』と言ってくれましたよね。

MC:普段は「永瀬くん」と「美穂」で呼び合ってるんですね。

永瀬:永瀬“くん”とは呼びませんね。対外的な感じですね(笑)。

MC:普段どんな話をされるんですか?演技の話とかされるんですか?

中山:いやいやいや。私はもう親友と思っているんですけど、全然連絡もしてないし、ご飯も行ってないしね(笑)。

永瀬:しばらく期間が空きましたね。若い頃はしょっちゅう皆んなで集まったりする仲間だったんですけど、しばらくご無沙汰で。お互い大人になってしまい、はい…(笑)。

中山:お久しぶりです(笑)。

永瀬:お久しぶり(笑)。

MC:嬉しい共演だったと思います(笑)。

MC:そして勝村さん、今回は大学の教授の役ということで、中山さんとの共演はいかがでしたか?

勝村:ちょうどこの作品にはいる前に、舞台で共演させていただきまして。下北沢の本多劇場に中山美穂さんが降臨するなんて、誰も考えてなかったんですけど。小劇場の芝居で難解な芝居だったのですが、みごとに演じられて。おでん屋の屋台の屋根の上に登ったりとか、むちゃくちゃなことをさせられてまして、今回も本当に難しい役どころだと思うんですけど、初日の現場で中山さんの変わりように驚きまして。まったく別の印象の役柄をみごとに演じられていて驚きました。

MC:女性の小説家で中山さんの実年齢よりも上という役でしたが、どのように役作りをされたんですか?

中山:年齢はそんなに意識せず、(キム・ジェウク演じる)チャネ君が大学生の若い役なので、一緒にいるだけで年齢差はでるのかなと思いました。あと、アルツハイマーを患う役で、そこを扱うのは難しいんじゃないかなと思いましたが、監督の細かい計算でそこばっかりがフューチャーされることではなく、美しい仕上がりになっています。