中山美穂 × キム・ジェウク『蝶の眠り』二人の微笑ましい姿を収めた本編映像

昨年10月に行われた第22回釜山国際映画祭でも大きな話題となった中山美穂主演の映画『蝶の眠り』が5月12日より全国公開となるのに先立ち、本編映像がお披露目となった。

本作は、フランス現代文学の代表的女流作家マルグリット・デュラスの晩年の恋を描いた「デュラス 愛の最終章」に着想を得て制作された珠玉のラブストーリー。遺伝性アルツハイマーを患う主人公の女性作家役には、実に5年ぶりの映画主演作となる中山美穂。韓国人留学生役を、「コーヒープリンス1号店」のキム・ジェウクが演じる。メガホンをとったのは、『子猫をお願い』で鮮烈な長編映画デビューを果たしたチョン・ジェウン監督。また、新垣隆が初の劇映画音楽を担当する。

本編映像では、遺伝性アルツハイマーを患い、日々病の進行に怯えながらも最後の小説を書き続ける作家の涼子(中山美穂)と、その執筆作業を手伝う留学生のチャネ(キム・ジェウク)の微笑ましい姿が映し出されている。ひょんなことから涼子の雑事を任されることになったチャネ。飼い犬“トンボ”の散歩係から、手を痛めて執筆が進まない涼子に代わり原稿をパソコンに打ち込む作業を手伝っているうちに二人の距離は縮まっていく。さらに、二人がくつろぐシーンでは、本作のタイトルの意味も明かされている。「蝶の眠り」(=ナビジャン)とは、韓国語で赤ちゃんのように両手を挙げて可愛く眠る姿を比喩した言葉。純粋なチャネの想いが滲みだす優しい言葉に、病気や年齢の差など気にもしない彼のまっすぐな愛情が伝わってくる。

また、涼子の家となる緑に囲まれた特徴的な邸宅は、建築家の阿部勤が実際に住む邸宅でありながら名建築として世界的に有名な「中心のある家」。韓国で建築ドキュメンタリー映画も手掛けるチョン・ジェウン監督ならではの視点で惹かれあう二人の姿と建築美を、淡い光が印象的な映像で切り取っている。

『蝶の眠り』
5月12日(土)より、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー
監督・脚本・原案:チョン・ジェウン
出演:中山美穂 キム・ジェウク 石橋杏奈 勝村政信 菅田俊 眞島秀和 澁谷麻美 永瀬正敏
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 50代でありながらも美しく、若い読者にも根強いファンを持つ、売れっ子の女流小説家・松村涼子(中山美穂)。作家として成功し、満ち足りた生活を送る涼子だったが、遺伝性のアルツハイマーに侵されていることを知り、人生の終焉に向き合うことを余儀なくされる。“魂の死”を迎える前に、小説を書く以外に何かをやり遂げようと、大学で講師を務め始めた涼子。ある日、大学近くの居酒屋で、韓国人の留学生チャネ(キム・ジェウク)と出会い、ひょんなことから涼子の執筆活動を手伝うことになる。作業を進めるうち、現実と小説の世界は混沌として交差して行き、二人も徐々に惹かれあっていくのだった。しかしアルツハイマーは容赦なく進行していく。愛と不安と苛立ちの中、涼子はチャネとの関係を精算しようと決意するのだが、その思いはチャネには受け入れがたく、二人の気持ちはすれ違っていく…。

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