【全文掲載】長谷川博己「たまに叱られたい」綾瀬はるかの“鬼キュート”なコーチぶりにメロメロ

MC:綾瀬さんは、長谷川さんの生徒っぷりが最高だなぁと思った事ってなんですか?

綾瀬:理屈っぽく何を言っても「それって…」みたいなことを言うから、張り合いがあって教えがいがあるっていうのはあったと思います。

MC:実際、長谷川さんはそういうキャラですか?

長谷川:僕自身は割と、あまり苦手なことがないかもしれないんです。とか言うあれですけど…多分(笑)。

MC:キャストの二人から見て、この映画はどんなところが魅力だと思いましたか?

長谷川:記憶と再生の映画ですかね。誰にでも共感できるものなんじゃないかなっていう気はします。自分の記憶をたどっていきながら、記憶と向き合って再生していくというか、そういうことを誰が観ても感じられる普遍的な映画なんじゃないかなというふうに思いますけれども。

MC:綾瀬さんはいかがですか?

綾瀬:お話し的に、過去にいろいろ抱えているものと向き合っていくって、ずしっとくるような重い部分もあったりするんですけど、監督が面白い感じに撮ってるので、それが不思議な感じがして、重くなりすぎず、すごいいいものを観たみたいな、そういう気持ちになる映画だなと思いました。

MC:ここは監督がこだわられていたところなのかなぁと思うんですけど。

渡辺:長谷川さん演じる小鳥遊雄司は、ほとんど出ずっぱりでしたよね。いないシーンが1、2シーンぐらいしかないんですけど、その彼の内面っていうのを、長谷川さんの表現で、もちろん俳優さんなんでそういうふうに表現していただくんですけれども、それ以外に外側の映画作りの方法でも、小鳥遊雄司の内面というのお客さんに感じてもらいたいなと思って、ちょっと色々と手をこまねいてみました。

MC:演出されていて、すてきだなと思ったシーンはどこですか?

渡辺:最後の二人のプールのシーンは素晴らしくいいなと思いますね。

MC:ありがとうございます。さてここで、それぞれの「できないこと」についてフリップに書いていただけました。まずは長谷川さんから発表を願いします。

長谷川:はい。「服を捨てられません」。洋服を買ったりするのはすごい好きで、あんまり着ないのにも関わらず、とりあえず買っちゃって結局着ないまま、ずっととってあるっていうか。断捨離とかしなきゃいけないのかなっていうふうに思ったりするんですけど、いつか衣装なんかでも使える可能性もあるなと思ったりして、とってあって。もう部屋が服だらけになっている状況ですね。

MC:実際に自分の私服を衣装にしたことってあるんですか?

長谷川:例えば靴を使わせてもらったりとか、シャツだとかは何点か使わせていただきました。だから、よかったなと思ってるんで、捨てなくていいんだなと思います(笑)。

MC:そんなこと言ってますけど?

綾瀬:私も捨てられないので、基本的に誰かにあげるか…。でも聞いてると、衣装に生かせるっていう話だったんで、とっておいたらいいと思う(笑)。

長谷川:部屋がどんどん狭くなるからね…。靴とかも箱のままで…(笑)。流行とかもあるんですけど、また戻ってくるかもしれないですからね。そのうち良いヴィンテージになるんじゃないかとかね(笑)。

MC:綾瀬さんはいかがですか?

綾瀬:「触れません(カマキリの絵)」。虫が…。野生児っぽい感じに思われるんですけど、特にカマキリが苦手で。なんかパリっとしてそうで、ちょっと触れないです。よく学校帰りに、道端にカマキリがいたんですよ。座った横にいたりして、「うわー!」っていう感じです。触れないです。

MC:長谷川さん、これは克服できますか?

長谷川:カマキリは結構触れるなあ。昔よく決闘させました。逆にあえて思いっきり触ってみるとか?水に入れないっていうのも逆療法っていうか、押されてバーンて入ってみたら大丈夫みたいなと同じで、1回カマキリにはさまれてみれば…(笑)、愛着がわくかもしれないですよ。

綾瀬:なるほど(笑)。じゃあ、もし次カマキリに出会ったら、手を出してみます。

MC:でも、もしカマキリが大好きな役がきたら?

綾瀬:そういう無理やりな感じのやつがないとってことですね。いいアドバイスをいただいたんだか分からないですけど(笑)。

MC:ありがとうございました(笑)。最後に、お三方から一言ずつご挨拶をいただければと思います。

渡辺:長谷川さんがとにかく出ずっぱりで、綾瀬さんの素晴らしいお芝居ですとか、共演者の方々の素晴らし表情を全部長谷川さんにフィードバックしようと思って撮った映画です。長谷川博己金太郎飴みたいな映画なんですよ。どこを切っても長谷川博己の顔があるみたいな感じで、そこらへんを皆さんに喜んで観てもらえるとありがたいです。宜しくお願いします。

綾瀬:あんまり観たことのない作品だなぁっていう風に感じて、観終わった後にすごいじわ〜っと思い出すような映画だなと思いました。是非、映画館に観に来てください。お願いします。

長谷川:万人にカタルシスのある、なぜ自分は生きてるんだろうとか、誰もがみんなそういうことって考えると思うんですけれど、そういうことを改めて考えさせてくれるし、感じさせてくれるし、生きることに対してものすごく前向きになれるというか、生きることへの讃歌というか、そういうような雰囲気の素敵な作品になっていると僕も思います。少しファンタジーチックなところもあったりして、なんか僕は何となくジブリ作品のファンタジーさに近いなっていう風に思うところもあったりして、すごく楽しめたんですけど。ぜひこれは大画面で観ていただきたいなと、プールの中の世界の幻想的で美しい映像とかを体感できるのは、映画館の方が100倍いいだろうなっていうふうに感じましたので、是非映画館でこの作品を楽しんで頂けたら本当に嬉しいなと思います。ぜひ宜しくお願いします。

『はい、泳げません』
2022年6月10日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督・脚本:渡辺謙作
原作:髙橋秀実「はい、泳げません」
主題歌:Little Glee Monster「magic!」「生きなくちゃ」
出演:長谷川博己 綾瀬はるか 伊佐山ひろ子 広岡由里子 占部房子 上原奈美 小林薫 阿部純子 麻生久美子
配給:東京テアトル リトルモア

【ストーリー】 大学で哲学を教える小鳥遊雄司(長谷川博己)は、泳げない。水に顔をつけることも怖い。屁理屈ばかりをこねて、人生のほとんどで水を避けてきた雄司はある日、ひょんなことから水泳教室に足を運ぶ。訪れたプールの受付で、強引に入会を勧めて来たのが水泳コーチ・薄原静香(綾瀬はるか)だった。静香が教える賑やかな主婦たちの中に、体をこわばらせた雄司がぎこちなく混ざる。その日から、陸よりも水中の方が生きやすいという静香と、水への恐怖で大騒ぎしながらそれでも続ける雄司の、一進一退の日々が始まる。泳ぎを覚えていく中で雄司は、元妻の美弥子との過去や、シングルマザーの恋人・奈美恵との未来など、目をそらし続けて来た現実とも向き合うことになる。それは、ある決定的な理由で水をおそれることになった雄司の、苦しい再生への第一歩だった。

©2022「はい、泳げません」製作委員会