【全文掲載】神尾楓珠「今井さんが芝居でカバーしてくれた。今でも泣きそうになっちゃう」今井翼の思わぬ行動に涙腺崩壊!?

MC:ありがとうございます。神尾さんは、ゲイを隠している高校生で、世間にはびこる普通という価値観と自分らしさの間で葛藤している少年ですが、彼を演じてみていかがでしたか?

神尾:僕自身には経験がないことだったので、演じるにあたってどういう部分で一番葛藤してるんだろうとか、どういう悩みがあるんだろうっていうのが、なかなかつかみづらかったんですけど、今回はゲイが題材になってますけど、他のものに変換してみた時に多数派、少数派っていうのはいくらでもあることですし、僕にも少数派の部分がたくさんあるので、そういうところから世間の目と自分の考えをすり合わせて、悩みや葛藤に向き合っていった感じですね。

MC:山田さんは、紗枝を演じられて、BL好きということを周りに隠してますけれども、彼女の役柄をどんな風に捉えてましたか?

山田:私が演じた紗枝は、BLが好きっていうことを人に言えなくて、そういうところは純とも共通していて、本当に好きなものを人に言えないっていうのはすごく苦しい部分もあるし、みんながみんな本当の自分をさらけ出して生きるのって、たぶん誰にとってもすごく難しいことだなと思って。でも、その中で周りの人と一緒に生きていくにはどうしたらいいんだろうって考えたんですけど、紗枝はすごく真っ直ぐで、自分自身も悩みを抱えているからこそ純と対峙した時に向き合っていけたので、そういうところがすごく素敵な人だなぁと思いながら。紗枝の姿が純の助けになればいいなと思いながら演じていました。

MC:今井さんは純の恋人、誠ということですけれども、誠は家庭を持っている身でありながら、ゲイであることを隠して生きている男性で、純にかつての自分を重ねているようなところもあるのかなあというシーンもありましたけれども、演じられていかがでした?

今井:僕自身にとってこのような役柄は初めてで、誠自身も幼い頃から悩んでいて、それが妻子を持ちながらも高校生である純と愛し合うという。どんなこともそうですけど、閉鎖的に過ごさなければいけないとか、固定観念みたいなものっていうのは、もう時代錯誤だと思っていて、人を受け入れるとか自分自身を肯定してあげるとか、今は様々なことが社会の中で認識されているように、同性を愛することが特別ではない、周りにいる人たちがそういう形を特別視しない、そういった大切なメッセージを自分自身は純を思う包容力というものを通して大事に演じさせていただきました。

MC:皆さんが一番ご苦労されたシーン、もしくは一番印象に残っているシーンはどこでしょうか? 神尾さん。

神尾:苦労したシーンで言うと、日常的なシーンの方が難しくて、クラスメイトとのシーンとか、ゲイであることを隠しながら観ている人には引っかかりを作らなきゃいけないっていう部分がすごく難しかったというのはあります。一番印象に残っているのは、個人的には病室のシーンで、お母さんに感情をぶつけるというシーンが。そこに感情をぶつけたいって脚本を読んだときに思ったので、他はずっと抑えて抑えて演じることを意識してやってて。でも僕が演じたのは台本のスタートから終わりまでしかないですけど、でも純の人生としてはもっと前からずっと抑えてきたものがあって、その分をあそこでぶつけなきゃいけないというふうに思ったので、あそこはその分の感情が出るように意識して演じてましたね。一番近くで一緒に暮らしてたはずなのに、自分もさらけ出せなかったし、向こうにも分かってもらえてなかった虚しさを埋めるための怒りというか。そういうのが出たらいいなって思ってましたね。