MC:まず李監督、安田さんとは2度目のタッグということになりましたけれども、今回はどういった映画にしたいと思われたんですか。
李:こんな映画ですよ(笑)。
MC:構想段階から主人公は安田さんが浮かんでたんですか?
安田:なんか、原作をいただいて、この映画を撮ってくれという時に、ちょうど監督が夫婦善哉みたいな、日常の機微を描くような映画を撮りたいなと思っていた時期なんですって。そのタイミングでこの本が来た時に、「あ、あいつ」ってことで浮かんだってことですよね。
李:正確に言うと、頑張れば頑張るほどやらかしちゃうという感じが春男で、頑張れば頑張るほどカッコよく見えない人がいいなと思ったんですよ。で、さらにそれがチャーミングになる人は誰かって考えた時に、「安田さんがいるじゃないか」ということを思いついて、オファーを出したということです。
安田:すごくありがたいお言葉で、自分でもようやく気づいたんですけど、何か面白いこと言わなきゃって思った瞬間に、面白いことが出てくる人間じゃないんですよ。“結果的に面白くなっちゃったね”で、なんとなく生きてきた人間というか、カッコつけつけなきゃっていう状態でかっこよく映ったことがないんですよ。必死に何かやってるときにクスッと笑われるか、知らないところで「おもろいね」ってなる人間なので、よく分かりましたね?
李:2回目なんでね(笑)。
MC:濃いキャラクターの組み合わせの“ウメヤ”なんですけど、安田さんは、今回皆さんと共演されて、それぞれの印象のはいかがでした?
安田:この映画は大きく分けると、私が演じる春男の家族の部分と、私が働いているスーパーの部分で占めていて、今回は私が働いているスーパーの店員さんの皆さんに集まって頂いて挨拶させていただいてるんですけど。金子くんは、同じ北海道出身で、何度も面識はあったんですけど、がっつり絡むのは初めてでしたね。すごくシュッとしてイケメンだし、これからのアミューズを支えていくであろうと私が勝手に思ってるんですけれども、とにかくギャップが大きくて。イケメンだけで飯食ってないんですよ。役者さんとしての幅がすごく広い方だと認識してまして。舞台も観に行ったんですけど、そういった役に取り組む姿勢で出来上がったキャラクターというのが、この映画の中にふんだんに出てきますんで、とにかく目立ちます。存在や声だったり、とにかく目立ちますので、ぜひ注目してもらいたいです。伊集院さんとは、役者さんとして絡ましていただくのは初めてのことだったんですけど、伊集院さんとご一緒した時間はすごく短くて、ただ、ご覧になったら分かるんですけど、本当に1日、2日しか参加されてないのに最後の最後まで伊集院さんが演じられた役というのは、根底のテーマとして流れてるんですよ。ずっといるんですよ。単価が良かったですねぇ。
伊集院:単価が良かったって言い方する!?(笑)。でも、本当に得したなって気はします。しかも、参加させてもらった撮影日が1年前の今日なんですよ。スケジュール帳見たら、今日で。映画の仕事なんてしないから、今日だったんだと思って。これから皆さん観ますからネタバレは困りますんで、圧巻のダンスシーンだけ楽しみにしておいてください(笑)。膝をぶっ壊しましたから(笑)。
MC:私が違う映画を観たのかと思いましたよ!?(笑)。ウイカさんはいかがでしたか?
安田:ウイカさんとは、去年のコロナの自粛時期に、最初の緊急事態宣言の時に、ウイカさんがオールナイトニッポンの3時からの生放送を始められた時期で、それをたまたま聴いてまして。その時にウイカさんが私の話題をしてくださってたんで、マネージャーさんに許可を取らずにそのまま電話しちゃって、生放送でお話させて頂いたんです(笑)。
ウイカ:怖いですよ、エピソードが(笑)。そうやって聞くと(笑)。
安田:それがうまい具合に転がって、そこから半年も経たずに共演でしたので、初めての実感がなくて。やっぱりお歌だったりタレント活動もされてますけど、バックボーンに役者さんっていうのがある方なので、何か初めての気がしなかったっていう感じがしました。
MC:ウイカさんは、なにかインパクトに残っている思い出ってありますか?
ウイカ:スーパーが広大な土地にポツンとあるところなんですけど、いわゆる控え室がなくて、換気の良いところでってことで、みんな外で椅子を置いて待機してたんですけど、お昼のポカポカした時間とかにみんなお弁当を食べて、椅子に座ってガーっと寝て、なんかピクニックみたいな感じだったのが最高でした(笑)。スーパーは有名らしくて、ちょいちょいドラマとかに出てきて、「ウメヤだ!」ってなるので。実際のあのスーパーの店員さんも出てるんですよね。実際の店長さんですか?
李:出てます。ネタバレしますけど、ラストシーンは本物の店長さんです。
ウイカ:どこって言わなくてよかったのに…(笑)。まあ、観たとて分からないと思うんですけど。本当にアットホームなスーパーにずっといたので、どんどんみんながリアルになっていくのがすごく面白かったですね。
MC:金子さんは、今回の役柄って監督から何かこういうふうにお願いしますって言われたことってあったんですか?
金子:「松岡修造さんぐらい熱い男を演じて欲しい」と言われて(笑)。そこまで熱い男を演じたことはなかったので、思い切ってやって。でもそれが違和感ない世界観というか、それが演じててもおもしろかったですね。疲れましたね(笑)。