【全文掲載】田中みな実「嫌な感じではないんですよ。ただ端々で女性を傷つけるような言動を…」彼氏役・稲葉友にチクリ!?

MC:大好きなキャラクターです(笑)。ありがとうございます。続いて徳永さん。今回の役は、お子さんがいる専業主婦の役でしたが、実際にふくだ監督が産後のお仕事だったそうで。

徳永:とにかく監督が、隙あらば私の子供役の赤子を抱いてましたね(笑)。ずっと監督が抱っこしているイメージで。「うちの子と違ってめちゃ軽い!かわいい~」ってずっとぷにゅぷにゅしていた印象があります(笑)。自分の演じた彩佳は、結婚をして子供を出産して、もしかしたら傍から見たらとても幸せに見えるかもしれないし、彼女自身も多分幸せだとは思っているんですけど、でもどこかちょっと寂しさだったり虚しさみたいな見えない何かがあって、あまり明確にするっていう感じではないんですけど、その気持ちを多分一番理解してくださるのが側にいる監督なので、それをすごくすくい取っていただいたなっていう感じです。

MC:監督はどうでした? 彩佳とご自分の子育て経験っていうのは?

ふくだ:特に生かされてはないんですけど、彩佳としてちゃん母親でいようとしてくれたんで、赤ちゃん演出みたいなのは全くしてないですよね。抱き方とかも完璧でしたし、なついていたし(笑)。

徳永:子役の子が優秀でした(笑)。いい子で助かりました。

MC:そして稲葉さん、これから皆さん、映画を観ますが、実際に観ているとちょっとイラッとするような印象も受けがちなキャラクターでしたが(笑)。

稲葉:すいませんでした(笑)。僕が演じた役は、男の人の“そういうとこあるぞ”っていうところの6~7人分を切り取って一人に集めたみたいなところがあるので(笑)、僕のところで好きに楽しんでいただければ嬉しいかなと(笑)。いろんな感情がわくと思うんですけど、楽しんでいただければ嬉しいです。

MC:田中さんは、稲葉さんが演じた公平というキャラクターに対してどう感じましたか?

田中:稲葉さんがとってもリアリティ溢れる感じで、嫌な感じではないんですよ。ただ端々で女性を傷つけるような言動をしてしまうという、多分ご覧になる男性は、「何がいけないの? 何が悪いの?」って思うと思うんですよね。女性は「こういうとこ嫌だ」って、もやっとするポイントだと思うんですけど、そこを見事に体現されていたので…

稲葉:や、役がですよね!?

田中:役が(笑)。だから、役作りどうされたんだろうと思って。大変だっただろうなと思います(笑)。

MC:稲葉さんは田中さんと共演していかがでしたか?

稲葉:どうなるかなって。現場に行かないと分からないので、とにかくみな実さんの写真集を見てみたりとか(笑)、ずっとやられてるラジオを聞いてみたりとか。恋人同士の役なので、すごくフラットな関係ができたらいいなぁと思ったので、色々お話しさせてもらえたら嬉しいけど、どういうスタンスで現場にいらっしゃるかなというのは分からなかったんですけど、とにかく現場でみな実さんが楽しく良い空気になるような会話とか、全体を巻き込んでくださっていたので、とっても居心地がよく、僕はすっと仕事をしに行けて、とてもやりやすかったです。ありがとうございました!

田中:そうだったかなあ(笑)? 良いんですよ、そんな無理に(笑)。

稲葉:いやいや、本当にそんなことないです。みな実さんが空気を作ってくれてたというのは間違いないです、

田中:でも、稲葉さんとしかほとんど共演シーンがないんですよね。全部それぞれの物語が、最終的に交錯していくんですけど、とにかく2人のシーンが多かったですね。あと使われなかったシーンがあって、それがクランクアップだったりもしたんですよね(笑)。

稲葉:ありましたね(笑)。

田中:ね、監督?(笑)。

ふくだ:そうですね(笑)。脚本上では一番見せ場だったんですけど、バッサリ…(笑)。

稲葉:いや、良かったと思います(笑)。そんなのを含めて楽しんでいただければ(笑)。

MC:ありがとうございます。そして監督は、本作に対してどういう気持ちで挑まれましたか?

ふくだ:今回、撮影の現場に入ったのが産後半年経たないぐらいで、なんとなく“いけるやろ”と思ってたんですけど、朝も早いし夜に赤ちゃんは泣くし、慣れないことをたくさんしてたんで、どうしたらいいか分からなくて。現場でほんまグダグダな時がいっぱいあったんですけど、もうめちゃめちゃキャストの方に助けていただいて。周りのスタッフの方もそうですし、今回なんかちゃんとやったやろうかっていう不安がすごいあったんですけど、映画を観たスタッフの方とかが「すごく良かったです」とか、「自分のことかと思いました」とか、すごい共感してくれたり何か感じ取ってくれたので、良かったなぁと。自分がガッと入っていくのも大事ですけど、ちょっと俯瞰してみるっていうのも今後やっていきたいなと思っています。

MC:ご一緒した田中みなみさんはいかがでしたか?

ふくだ:いやもうプロフェッショナルと言う感じで(笑)。最初にお会いしたのが脚本の打ち合わせで、まみというキャラクターの立ち位置や、思っていることとか、仕事の設定とかどうしようかって、どういうことを思っているのかを明確におっしゃってくださって。それが、まみという人物に対して、私の指針になったというか。他のキャラクターは割と個が強いので、まみというキャラクターの軸が田中さんだからバシッと決まったっていうのが心強かったです。

田中:ありがとうございます(笑)。でも現場で監督とあまりコミュニケーションをとれなかったというか、とらなっかったというか…。私はもっと灰皿が飛んできたり、もっと厳しい現場なのかなと思ってたんですけど。本当に温かい空気感の中で、監督がいつもニコニコしていて、技術さんも制作スタッフもみんなが監督に「着いていきます!」っていう、その気概を感じて、ほっこりする現場でしたね(笑)。

ふくだ:そうですね。助監督の男性の方が、バリバリの現場をようやってたんですけど、「こんなに怒号の飛ばない現場は初めて」って言ってましたっから(笑)。それぐらい穏やかな現場なんで、良かったなと思ってます。

MC:ありがとうございました(笑)。あっという間にお時間です。最後に、代表して田中さんから一言メッセージをお願いします。

田中:はい。この映画は、結婚出来ない女性の話でも、結婚しないと決めた女性の話でもありません。一人一人それぞれの生き方があって、それぞれの選択があっていいのではないかと、自分が今歩んでいる人生で、少しでも背中を押してくれるような作品になれば幸いです。これから皆さんにご覧いただくので、すごくドキドキしてるんですけれども、キャスト、スタッフ一同頑張って作った作品ですので、楽しんでいただけたら幸いです。よろしくお願いします。

『ずっと独身でいるつもり?』
11月19日(金) 全国公開
監督:ふくだももこ
原作:おかざき真里「ずっと独身でいるつもり?」
脚本:坪田文
音楽:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
主題歌:にしな「debbie」
出演:田中みな実 市川実和子 松村沙友理 徳永えり 稲葉友 松澤匠 山口紗弥加 藤井隆 橋爪淳 筒井真理子
配給:日活

【ストーリー】 10年前に執筆したエッセイから一躍有名作家となった本田まみ(田中みな実)、36歳、独身。女性の幸せの価値を赤裸々に綴り、読者の支持を得たが、それに次ぐヒット作を書けずにいる。世間の需要に応えつつも、作家として迷走中にあるまみは、自身の年齢に対して事あるごとに周囲から「ずっと独身でいるつもり?」と心配されている。さらに、配信番組でのまみの発言に「空っぽになった」と感じ、失望する元ファンの由紀乃(市川実和子)。夫への小さな不満を抱えながらインスタ主婦を続ける彩佳(徳永えり)。パパ活女子として生計をたてつつも、若さを失うことに怯える美穂(松村沙友理)。異なる生きづらさを抱える4人が踏み出した小さな一歩とは?

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