【全文掲載】岡田将生「僕の芝居は大丈夫だったのか…」、現場で演出家・西島秀俊の顔色をうかがっていた!?

MC:ありがとうございます。さあ、監督がお持ちしたものがございます。ご紹介したいと思います。今年のカンヌ国際映画際で見事、濱口監督が脚本賞を日本人初で受賞いたしました。その他、全てで4冠獲りましたが、なんと脚本賞のトロフィーお持ちいただきました。

濱口:意外と小さいでしょ(笑)。でも、本当に素敵な綺麗なトロフィーをいただきました。

MC:改めて監督、トロフィーを手にしたとき、どういうふうに感じられましたか?

濱口:世界最高峰の映画祭で賞をとることが、まさかあるとは思っていなくて、とても幸運なことだと思ってたんですけど。脚本賞っていうのをいただいて、やっぱりまず村上春樹さんの物語っていうものがベースにあって、自分も今までにないようなものが書けたと。大江崇允さんと一緒にそういうものが書けたという感覚があって、ただその脚本が映画じゃないので、その映画を観て脚本賞をいただけるっていうのは、この映画は特にセリフっていうものを役者さんの発する言葉っていうものがそのまま映画になっているような映画なので、役者さん全員に贈られた賞なんじゃないかということを思っています。むしろその役者さんこそが物語というか、何かそういう事を思いながら作っていたので脚本賞っていうその物語全体に与えられる賞っていうのは本当にありがたいことだと思ってます。

MC:ありがとうございます。いかがですか西島さん。

西島:いやさっき僕、見かけて「だめ」って言われたんで(笑)。割れそうですね、気をつけないと。日本で1個しかないんですよね? どこか(オークション)に出たら出元が(笑)。

濱口:出しません(笑)。

西島:すいません、変なこと言って(笑)。でも、良かったですね、本当に濱口さん。

濱口:おかげさまでございます。

西島:おめでとうございます。

MC:フランスで今上映中でございますが。

濱口:そうですね。実は2日早く公開されていましたので、なかなか好評らしいですよ。

MC:おめでとうございます!それでは最後に皆さんから一言ずつご挨拶をいただければと思います。濱口竜介監督からお願いします。

濱口:約3時間の映画に来るのにちょっと躊躇があった方もいるかもしれませんけれども、本当に来て頂けた事をご覧いただけたことを心からありがたく思っています。ここにいらっしゃらない三浦透子さん霧島れいかさん、そして海外キャストの皆さんと、スタッフ全員を代表して、改めて観ていただいたことに御礼申し上げます。ありがとうございます。

岡田:僕自身この映画を観させていただいて涙が止まりませんでした。それほど心にくる何か感じてしまう映画になってるんじゃないかと思います。この映画がたくさんの方々に広まっていただけるように思っております。皆さんの力をお借りして広げて頂けたらうれしいなと思っております。本日はどうもありがとうございました。

西島:皆さん本日は本当にありがとうございました。僕たちは出演している側ですけど、自分ではない、本当にこの映画のフィクションの登場人物ですけども、まるで自分と違う人間が生きてそこで息づいているように感じています。そういう作品だと思っています。僕たち、それから他の素晴らしいキャストのみなさんがたくさん出ていらっしゃいます。もしですね、またこの登場人物たちと会いたいと、また会いたいなって思ってくださることがあれば、ぜひ劇場の方に足をお運び下さい。いつでもこの人たちはいて、こうやって生きて未来へ生きていこうという最後に希望を持って、まだずっと生き続けると思います。ぜひまた会いに来てください。今日は本当にありがとうございました。

『ドライブ・マイ・カー』
8月20日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:濱口竜介
プロデューサー:山本晃久
原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」
出演:西島秀俊 三浦透子 霧島れいか パク・ユリム ジン・デヨン ソニア・ユアン ペリー・ディゾン アン・フィテ 安部聡子 岡田将生
配給:ビターズ・エンド

【ストーリー】 舞台俳優であり、演出家の家福悠介(西島秀俊)。彼は、脚本家の妻・音(霧島れいか)と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう…。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさき(三浦透子)だった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。

©2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

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