MC:有村さんはいかがですか?
有村:この曲を初めて聞いた時に、ほぼピアノで作られていて、より繊細に丁寧な心情が伝わってくるというか、まっすぐに歌詞も入ってきて、いろんなものが肉付けされてないのが、とても心に残るなと思いました。
MC:監督はいかがでしたか?
大友:いつも僕もワンオクチームと一緒に観るんですよ。どういう音楽を連想してくれるのかと思って。一緒に観て、ちょっと雑談して、大した話はしないんですけどね(笑)。いつも出来上がった曲を聞いて、映画のスピリットとか、奥底に秘めたものをワンオクの曲と歌詞が探り当てて、底に沈めた大事なストーリーみたいなものを、掘り当ててくれている感触は一作目からあって。この作品はワンオクの音楽が終わって完全にパッケージが終わるというか、そこまで聴いてもらって、我々がこの作品を通して伝えたかったことがお客さんに伝わるような、そういう役割をしてくれています。
MC:曲を作っている過程で、監督や健さんと相談することはあったんですか?
Taka:監督からはいつも映画が終わって少ししゃべる時間を頂いたときに、「任せました」っていう一言二言しかいただかないので、最初の『るろうに剣心』の主題歌をやらせて頂くときは、逆にプレッシャーだったんですけど、シリーズを重ねていくごとに、そこに説明が要らないというか、僕が感じたままに思うままに、しっかりと曲を作ることが一番大事なことなのかなっていう。そういう手法に変わっていったので、特に最後の『The Beginning』に関しては、観終わった瞬間から最初の音が鮮明に自分の頭の中で鳴っていたので、ファーストインスピレーションを大事にして作ってきている印象があります。
MC:健さんは、Takaさんが曲を作ってるときにやりとりがあるんですか?
佐藤:例えば『伝説の最期編』の主題歌の「Heartache」もアメリカで録ったんですけど、ずっとアメリカで作曲して、日本に帰ってきて、すごくウキウキで「めっちゃ良いのできた」って言って、3曲ぐらい聴かせてもらったんですよ。「好きなの選んでいいよ」って言ってくれて。ごはん屋さんのカウンターに隣に座って、聴きながらその場で泣いてたんですよ。全部いいから、「全部主題歌にしたいです」って言いました(笑)。でも、その中でも悩みながらも「Heartache」のTakaの声が好きだなと思って、一番ヴォーカルが前に来ている曲を選びました。
MC:そして、今日はこの後に『The Final』の舞台挨拶がありますが、Takaさんから登壇者のみなさんに聞いてみたいことはありますか?
Taka:僕は映画の現場にもお邪魔させていただいたことがありまして、皆さんのアクションだったりとかをまじまじと見せてもらって、健も自分ですべてやりこなしている姿を見て、心配な気持ちを通り越して、死んじゃうんじゃないかって思った時もあったんですよ。スタッフの皆さんもそれを支える上ですごく大変だったと思うんですけれど、スタッフ、演者の皆さんが、ひとつの作品を作る上で、どうコミュニケーションを取りながら、どういうものをテーマにして作り上げていったのかはすごく興味があります。
MC:それでは、この後の舞台挨拶で聞いてみようと思います。改めて伺いますが、健さんにとってTakaさんはどんな存在なんですか?
佐藤:嫁です(笑)。
Taka:ありがとうございます(笑)。
佐藤:嫁1(Taka)、嫁2(有村)です(笑)。
MC:あれ? 薫は?
佐藤:薫は嫁1.5です(笑)。
MC:Takaさん、いかがですか?
Taka:嫁1から転げ落ちないように、頑張っていきたいと思います(笑)。
MC:Takaさんにとって健さんはどんな存在なんですか?
Taka:友達でもありますし、同志でもあると思ってますし、健が言っていたように、僕が嫁なら夫になる訳ですけど、その逆もあるなと思っていて(笑)。すごく良い関係で仲良くさせていただいています。
MC:ありがとうございます。ここからひとつだけ映画を離れての質問させてください。『The Beginning』で剣心は小さな山小屋で幸せな時を過ごしましたが、皆さんにとって幸せなひとときは何ですか? 佐藤さん。
佐藤:はい。えーっとですね、パス! 有村さん(笑)。
有村:私は家に観葉植物があるんですけど、その新芽が出たときが本当に可愛くて幸せ(笑)。本当にカワイイんです。
佐藤:僕は深夜のペヤングですね。やっぱり一番幸せですね。一日頑張って仕事して、ちゃんと夜ご飯を食べたのに、やばいっす(笑)。
MC:Takaさんはなんかありますか?
Taka:一生懸命、曲を作ったりして、一段落ついて明日何もなくて、「自分の時間が持てるなー」みたいな気持ちに浸れているときですかね。
MC:そこでがっつりペヤングはいかないんですね?
Taka:ペヤング(笑)、大好きですけどね(笑)。
MC:監督はどうですか?
大友:熱々の健くんとTakaの関係を見ていると幸せな気持ちになりますね。すごい幸せ(笑)。いろんな意味で大事なパートを預けられるというか、Takaくんには、本当に「任せた!」って感じなんだよね。アーティストだから、ワンオクチームも映画の核をしっかりつかんでくれて、間違いない曲を届けてくれるので、もうひとつ感動が上乗せされますから。その瞬間ですよ、僕の幸せは。
MC:Takaさんは普段、アメリカにいますけど、海外で『るろうに剣心』のファンに接したことはありますか?
Taka:もちろんのアメリカのみならずヨーロッパですとか、アジアのファンの中に、『るろうに剣心』ファンの方もたくさんいらっしゃいます。『るろうに剣心』の主題歌を演奏するときは、会場の空気が変わりますね。
佐藤:観てみたいですね。うれしいですね。日本のカルチャーがどんどん世界で愛されていくのを目指していきたいですし、うれしいことですよね。
MC:はい、残念ながら時間が迫ってまいりましたけど、Takaさん、初めてのリモートでの舞台挨拶はいかがでしたか?
Taka:あんまり舞台挨拶している実感はありませんけど、本当はその場所に一緒にいられたら、もっと面白かったのかなと。でも、こんな時期ですので、それでもこれだけの方々が集まっていただいて、そして『るろうに剣心』を愛していただいて、僕としては人生の一つの節目を迎えた感じが若干しております。感慨深いものがあります。
MC:監督はいかがでしたか?
大友:10年間の時間を費やして関わってきたプロジェクトなので、その10年の思いというのはやっぱり伝わっていくんだなぁということを本当に感じているし、そのまま感じ取ってくれる方々に本当に感謝の思いが強いですね。『るろうに剣心』というプロジェクトは、こういう気持ちを、忘れちゃいけない気持ちっていうのを今後も作り続けていくうえで、やっぱりお客さんが育ててくれるっていうことを含めて、もう一度自分の気持ちに刻み込まれた仕事でした。本当にありがとうございました。