MC:佐藤さんいかがですか?
佐藤:本当に僕もそうなんです。我々は同じ夢の中にいたのかもしれません(笑)。
有村:夢だったのかなあ(笑)?
佐藤:夢だったのかもしれません(笑)。(2人のやり取りを撮影しようと、マスコミが一斉にカメラのシャッターをきる)こういう瞬間にカシャカシャカシャ鳴るの、めっちゃ恥ずかしい(笑)。いらんこと言わなきゃ良かった…(笑)。なんでしょうね、ふわふわした不思議な感覚だったんですよ、撮影期間中ずっと。この前もそのコメンタリー収録で『The Beginning』を改めて観させてもらったんですけど、「ちゃんと時代劇やろう」って言って地に足をつけて作品を作っていったはずなんですけど、どこかこの世界が現実なのか幻想なのか、曖昧なふわふわしたいというか、なんというかあまりにも美しくて、登場人物たちも実在の人物だったりするぐらい、ちゃんと人間として地に足がついているはずなんですけど、全員が生きてるんだか亡霊のようなというか、何とも言えない不思議な世界観で最初から最後まで映画が続いていって。僕の撮影期間中、不思議な感覚がそのまま画に映っているんだなっていうようなことを思いましたね。
▲ここで『The Beginning』の予告編が初解禁される。
MC:江口さんからも、おお!という声が聞こえましたけど。
江口:なんか伝わってきましたけれども。分かりますよ、亡霊みたいなという感じがね。雪のシーンも多いんでしょうけど、衣装も斎藤一は新撰組の衣装で普通はジグザグで水色仕様で誠って書いてあって、死に行く覚悟ができてるみたいな衣装を背負って、尊皇攘夷のもとに思想のもとに生きていったみたいなことなんですけど、ここに出てくる斎藤一は、もうすでに死んでいる、服自体も風でふわーと揺れるような。「マゲもつけないでロングヘアでやってくれ」ということで、監督と衣装合わせのときに、こういうことなのかなと。あまり細かい役作りはしなかったんですけど。新撰組っての僕も何回か大河でやらせていただきましたけど、日本映画の中では絶対にあり得る青春映画だったり、ある弱いものの儚さみたいなものの表現が多かったと思うんですけど、今回の斎藤一の新選組は完全に人斬りの集団というか。でもリアルに考えると、史実を誰かが書いたからそういった新選組が残っているけど、本当はそうじゃなくてね、新撰組って本当は農民とかいろんな人間が剣に憧れて、「今日から侍でいいんだ、俺は」っていう生き方を見せてくれた人の集団で、全国から今で言うようなヤンキーですよね。腕に自信がある奴らが集まって、その中で「今日からお前ら剣持っていいんだぞ、もうサムライなんだぞ」という時代に、本当はものすごくやばいとこで生きてたんじゃないかなというような部分を、多分監督も表現してくれっていうようなこと求められているのかなと思って。今までの4本とは全く違う目線で新撰組というものを自分で掘り下げながらやらせてもらいました。
MC:そしてONE OK ROCKの主題歌も改めて流れておりました。「るろ剣」のメンバーと言ってもいいいONE OK ROCKのTakaさんよりメッセージが届きました。私の方から代読させてください。
「僕は圧倒的に『The Beginning』が一番好きだし、この大好きな映画に自分たちが作った曲のタイトルを入れていただけたということにも、監督の愛をすごく感じました。緋村剣心は健にしかできなかったって『The Beginning』を観る度に思うんです。だから僕らはそこに寄り添って、彼の心情をすくってあげるような気持ちで、最後に曲を届けられればいいなというのをイメージして、今回の楽曲を作りました。『るろうに剣心』はともに歩んできた同志です。これは健に対しても剣心に対してもそうですし、そこは2つで1セットなんですけど。本当にありがとうという感じです」
というメッセージをいただきました。健さん、いかがですか?
佐藤:本当にいい曲ですね。毎回、思うけど僕もこの『The Beginning』の主題歌が一番好きかもしれないですね。この雰囲気で皆さんとともに聴けるっていう環境も特別なんだと思うんですけど、確かにTakaは曲を作る前に『The Final』も『The Beginning』も観てくれて、多分先に『The Final』を観てくれて、「アクションがやばいね」ってすごい興奮して感想を言ってくれたんですけど。その後に 『The Beginning』を観たときに「俺は『The Beginning』が一番好きだわ」って言ってくれて。多分、サムライの生き方だとか、この時代に生きる幕末に生きる人間たちのむきだしの心みたいな、その切実さのようなものが映画に現れているので、そういったところに多分、彼もサムライなので共感してくれたのかなとは思ってますけど。
MC:ありがとうございます。本作は究極のアクションであり究極のラブストーリーでもあるということで、佐藤さんにとって撮影中、有村さんはどんな存在でした? 有村さんにとって佐藤さんはどんな存在だったのか? まずは佐藤さん。
佐藤:巴ぐらいミステリアスなんですよ。心の奥底で何を考えているのかが分からないというか。何か隠し持っているんじゃないかと思わせるような、なんかもっと知りたいと人に思わせるような人ですね。
MC:有村さんは「違う、違う」と首を振ってましたが。有村さんにとって佐藤さんはどんな存在でしたか?
有村:現場で一緒に過ごす中で、心強い、身を委ねられるという。
MC:佐藤さんとは逆ですね。全てをさらけ出して心を開いてっていう。
佐藤:身なんて委ねてたの?
有村:私は撮影中、剣心さんに気持ちを寄せて1ヶ月間過ごしてたんですけど、伝わってないですか?
佐藤:いやいや、それは伝わってますけど(笑)。本当にセリフとか間違えたことないよね。僕は全シーン巴と一緒にいたんですけど、どんなに長いセリフも1回も最初から間違えないし、「身を委ねてた」って言ってくれましたけど、めちゃくちゃ一人で、ちゃんと立ってましたよ。めちゃくちゃ自立してました(笑)。
有村:(笑)。そっか(笑)。