MC:ありがとうございます。そして片桐さん。澤田というのは、映画のオリジナルですよね。
片桐:監督が作ってくださって。憧れの上司なんだけど、オチがあって。みつ子さんは納得がいかないところで終わる感じがいいなと思って。海外を旅したという話も監督が伺ったので、モデルは大九明子かなと思いながらやっておりました。
大九:自分がモデルということは全く無くて、自分の経験を書いたというのはあるんですけど、31歳の女性が歳の離れた上司と話すときにジェネレーションギャップだけど知らなかった時代のことを話してあげて「へー!」ってなるような。たとえば「ユーロがない時代に」みたいなことを言うのにいいかなと思って、そのエピソードを足しました。素敵なかっこいいルーシー・リューみたいな上司ということで、完全にあてがきしましたので、自分がモデルではないです(笑)。
片桐:のんさんとは長いおつきあいで、親戚のおばちゃんみたいな気持ちで応援しているんですけど、上司という役をやらせていただいて、しかも30になったのんさんのっていう、いろんな感慨を持ちながらやりました。ありがとうございました。
のん:めちゃくちゃカッコよかったです(笑)。
MC:ありがとうございました。監督、皐月というキャラクターは設定が妊婦さんという、映画オリジナルですが。
大九:そうですね。深く悩んで書いたというよりかは、みつ子が海外に行ったときに、頼りにしていた友達がちょっと違う形になってたら、みつ子はどんなリアクションをするだろうというところから考えて、皐月にすごく重要な役を担っていただくことになりました。
MC:皐月を演じられた橋本さん。監督からこの役をいただいて、どんな役作りをしていったんですか?
橋本:原作を読んだら妊娠の設定もないし、みつ子とのわだかまりも描かれていなくて、ただ能面昭和顔の笑わない女と仲が良いみつ子と、2人のシュールな深い関係性が見えて素敵だなと思っていたんですけど、映画では妊娠していることで2人の女としての、30を越えた女性特有の焦りだったり、嫉妬とか、女同士独特の感情が出るというのが原作の皐月のキャラクターとは違う観点からも考えていかないとなというのがあって。最初、笑わないというのが、キャラクター作りとしてはキャッチーですけど、みつ子との気まずい感じを核心を突かずに解こうとする皐月の努力は、さすがに笑顔がないと難しいかなと思って。だから原作のキャラクターよりかはだいぶにこやかになっていると思います。だいぶ笑っているので、成立するかなと思ってはいたんですけど(笑)、逆に褒められたときだけ笑うはずだった皐月が笑ってるところも、ある意味切ないかなと思いながらやってました。
大九:そうですね。少女みたいな笑い方をしてもらって、クシャクシャって笑っていただいて、褒められたときの顔をちょっとだけ変えていただいて、家族に溶け込もうとしているときの笑顔はもちろん皐月は幸せだと思うけど、その時の笑顔と安心できる友達といるときに見せる笑顔はきっと違うだろうなと。