のん「美しさが増していてドキドキ!」、橋本愛「魔法だと思った」、林遣都「一気に目の色が変わる」

高校在学中の2001年に「インストール」で第38回文藝賞を受賞しデビュー後、芥川賞、大江健三郎賞など数々の賞を受賞してきた綿矢りさの同名小説を、大九明子監督がのんと林遣都共演で映画化する『私をくいとめて』が、12月18日より公開される。このほど、11月5日にEXシアター六本木にて舞台挨拶が行われ、キャストの のん、林遣都、橋本愛、大九明子監督が登壇した。

30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子役を演じたのん。役作りについて聞かれると、「みつ子を演じられたのは、すごく楽しい時間。みつ子の痛みがどこにあるのかを原作と台本から探っていって。原作を攻略本にして、台本を読むみたいな(笑)」と微笑み、「みつ子が買いそうな、カフェ巡りの本とか旅行の本を買って、みつ子が好きそうなものに丸をつけたり」しながら、おひとりさまの楽しみを感じていったという。

みつ子が恋をする年下の営業マン多田役の林。のんとの初共演の印象を聞かれると「普段から穏やかな印象で、本番が始まると一気に目の色が変わる。すごく吸引力があって、つねに突き動かされて。一緒にお芝居をしていて、大事に細かい瞬間を共有できている感覚があって、とても楽しかった」と語った。

みつ子の親友で、皐月役の橋本。のんとの共演は、2013年に放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」以来7年ぶりとのことで、「久しぶりにお会いして、むちゃくちゃ照れて(笑)、全然段取りにならなかった(笑)」ことを告白。その後に「本読みをお願いして、二人で軽く読み合わせただけなのに、ものすごいスピードで二人の関係が埋まっていく実感があって。魔法だと思った。毎日楽しく撮影してました」と撮影を振り返った。

橋本との共演について、のんは「めちゃくちゃ嬉しかったです」と照れ笑い。撮影の前の日からワクワクしていたそうだが「実際に顔を合わせてみると、すごい恥ずかしくて、緊張して、目を合わせれられない」状態に陥ったそうで、「数年ぶりに会ったら、美しさが増していて、ドキドキしちゃって(笑)」と胸の内を明かした。しかし橋本から本読みに誘われて「みつ子と皐月として心を通わせることができた。愛ちゃんと演技をしていることが、とても自然なことだった。とても楽しかったです!」と満足そうな表情を浮かべていた。

『私をくいとめて』
12月18日(金) 全国ロードショー
監督・脚本:大九明子
原作:綿矢りさ「私をくいとめて」
音楽:髙野正樹
劇中歌:大滝詠一「君は天然色」
出演:のん 林遣都 臼田あさ美 若林拓也 前野朋哉 山田真歩 片桐はいり 橋本愛
配給:日活

【ストーリー】 30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子(のん)。みつ子がひとりきりでも楽しく生活できているのには訳がある。脳内に相談役「A」がいるのだ。人間関係や身の振り方に迷ったときはもう一人の自分「A」がいつも正しいアンサーをくれる。「A」と一緒に平和なおひとりさまライフがずっと続くと思っていたそんなある日、みつ子は年下の営業マン多田くん(林遣都)に恋をしてしまう。きっと多田くんと自分は両思いだと信じて、ひとりの生活に慣れきってしまったみつ子は20代の頃のように勇敢になれない自分に戸惑いながらも、一歩前へふみだすことにする。

©2020「私をくいとめて」製作委員会