MC:ありがとうございます。ひとつ、皆様にタイトルにかけたお題を出させていただきたいと思います。今回、この『影裏』というタイトルに絡めまして、実際に裏側は違っていた、ということがありましたら教えていただきたいと思います。例えば、実際にやってみたら違ったなって思うことですとか、実際に会ってみたら意外な一面があったんだみたいな事があれば教えてもらいたいんですけれども。大友監督からいきたいと思います。
大友:撮影前に、俳優と会うのと普通に映像で観ているのと、裏表があるというわけではないんだけど、会うと全然違うイメージを受けるんです。映像では一面のイメージであって、一人一人会って話していくと、全然違うものが発見できるんですよ。なるべく本人と、仕事をする前には会っていろいろ話して、こっちもいろいろ感じて、何を感じているかを知ることが結構大事。質問と全然違うんだけど(笑)。
綾野:大丈夫だと思います。チャーミングだと思います(笑)。
大友:話していくと触発されることがいっぱいある。今までのイメージとは違うイメージで撮りたいという。僕にとっては表に出ている俳優たちのイメージとまた全然違う、どっちが裏かは分からないけど、違うものが本人に会うと湧いてきますよね。以上です。この2人は前にやってるので、この7年、8年でやってきている仕事はフォローしてきてますから当然。ずっと観てきているので、すごくやりたくて会いに来てもらって。2人は相乗効果ですよ。おかげさまで。どうやって場を2人に対して整えるか、美術も衣装も撮影コンディションも含め、良いものをどう用意できるかがまず、考えなきゃいけない2人なんで。真面目にやりましたよ。分かってる(笑)?
MC:ありがとうございます(笑)。では続いて松田龍平さんは、なにか影裏を見つけたでしょうか?
松田:本当にくだらないことしかないんですけど。
綾野:1回じゃあ、確認しようか?
松田:確認?(笑)。いや、あの、本当でも結構難しいですよね。この映画が言ってる影裏ってなんだろうなと考えて、それはもう撮影に入る前からいろいろ思うところがあって、「表裏じゃないの?」みたいな。「影のさらに裏ってこと? それはあんまり見たくないなぁ」という。それだけはちょっと言っておこうと思って。…それだけです(笑)。…あと、最近の影裏の話なんですけど、スーパー行って美味しそうなイチゴを買ったんですよ。パックのやつを。「美味しそう!」ってなって。家に帰って、お皿に盛って食べようと思って、盛ったら裏側が全部ちっちゃい野イチゴみたいなのが、いっぱい入っていて(笑)。3分の1ぐらいのサイズしかなかったですよ。「うわ」っと思って、ちょっとショックを受けて。まあ、そうだよなと思った話です。だけど話に続きがあって、小さいイチゴの方が美味しかった(笑)。
大友:最高(笑)。
松田:くだらない話しちゃった(笑)。すいません(笑)。
MC:オチにほっこりしました(笑)。では綾野さんはいかがでしょうか?
綾野:いや、もう、僕はいいでしょう(笑)。龍平くんがイチゴを買ってるというだけで、俺はもう充分です。一見、つかみどころのない印象なんですけど、すごくチャーミングな可愛らしい人なんで。すごく熱量を持ってやってますけど…、なにが話したいんだろうか(笑)。
MC:せっかくですか綾野さんの体験も聞きたいですよね?
綾野:体験? あるかなあ…。うーん。
松田:見てみたい裏側とかでも。
綾野:なるほど。
松田:ポジティブなやつでもいいですし。
綾野:おお、なるほど。
大友:いつもと、ボケとツッコミが変わってるね(笑)。新鮮なんですけど(笑)。
綾野:なんだろう…。考えておきます(笑)。
MC:よろしくお願いいたします(笑)。
▼ここで映画の大ヒットを祈願して落花生での豆まきが行われた。
MC:それでは最後に皆さんから一言ずつご挨拶をいただきたいと思います。まずは、大友監督からお願いします。
大友:この映画はそれぞれの世代の方に持つ感想が多様になるかと思います。皆さんの感想をいただいて、その感想があって完成する映画かなと思っています。皆さんに観ていただいて、共犯になっていただいて、それで完成する映画だと思います。ぜひこの映画を可愛がっていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。
MC:ありがとうございます。続きまして松田龍平さん、お願いします。
松田:今日はありがとうございます。『影裏』というタイトルがどういうことなのか、映画を観ていろいろ…、僕も「影裏ってどういう意味なのか」と未だに思っていますが、いろいろと残る重厚なドラマになっていると思います。ぜひ、映画館で御覧ください。ありがとうございます。
MC:ありがとうございます。では最後に綾野剛さん、お願いします。
綾野:まず、本日はありがとうございます。これだけの方にこの作品を抱きしめられていることを考えると、とても胸が熱くなる思いです。映画は2009年から2014年を描いています。その中には愛おしいことや、友情や青春やそして胸が締め付けられるような苦しいことも、この映画にはしっかりと映っています。僕たちは今年の2020年、東京オリンピックということで、僕たち自身が忘れてはいけない記憶があると思っています。その記憶を改めてもう一度、創造し直したいなと思うんです。創造が許されるその先に、どう、この作品が紡がれていくかで皆さんの中に残り続けるのか、引き継いでいきたいなと。そして2020年以降を生きるこれからの若者や、希望となる子どもたちに向けて、日本全体がしっかりと受け止めていきながら、影裏を照らす光をしっかりと照らしていけるような作品に一秒でもなればと思っております。皆さんに受け止めてもらえれば幸いです。ぜひ劇場で御覧ください。よろしくお願いいたします。
『影裏』
2020年2月14日(金) 全国ロードショー
監督:大友啓史
原作:沼田真佑「影裏」
脚本:澤井香織
音楽:大友良英
出演:綾野剛 筒井真理子 中村倫也 平埜生成 國村隼 永島暎子 安田顕 松田龍平
配給:ソニー・ミュージックエンタテインメント
【ストーリー】 今野(綾野剛)は、転勤で移り住んだ岩手で日浅(松田龍平)に出会う。慣れない地でただ一人心を許せる存在の日浅だったが、ある日、突然姿を消してしまう。日浅を探し始めた今野は、彼の父に捜索願を出すことを頼むが、何故か断られてしまう。そして見えてきたのは、これまで自分が見てきた彼とは全く違う別の顔。ともに時を過ごしたあの男の“本当”とは?
Ⓒ2020「影裏」製作委員会