【全文掲載】フルーツ大好き松田龍平、冷麺は「ナシ」より「スイカ」派、スーパーの「イチゴ」に大ショック!?

MC:そうなんですよね。2018年の夏ですよね、大友監督、岩手での撮影ということで。大友監督のある意味故郷である盛岡での撮影で、原作もそもそも盛岡が舞台で、岩手が舞台になっているということで、この原作に惚れ込んで映画化しようと思った一番の理由ってどんなところでしょうか?

大友:シンプルに言うと、ものすごく流麗な文章で、非常に行間が豊かでですね。最初何度か読んで行間からものすごい人物たちの…、説明がすごい少ないんですけど、感情の埋蔵量が、ものすごくあると思ったんですよ。それぞれのキャラクターに、ものすごい量の感情が渦巻いている。この感情を丁寧に撮っていけば、映画になるだろうと思って動き出しました。

MC:綾野さんと松田さんにオファーした一番の決め手というのはどこでしょうか?

大友:2人ととにかく仕事をしたかったというのがまずあり。そして読んでいる最中にも2人の顔が浮かんできて、もうそれ以外考えられなくなったっていう感じですけどね、はい。2人じゃなかったら僕やってないのかもしれないですけどね、本当に。

MC:嬉しいですねー、そう言われておりますけれども、綾野さん松田さん(笑)。

綾野:嬉しいですね(笑)。(隣でニヤニヤするだけの松田に)どうなの? 嬉しいでしょ(笑)?

松田:…嬉しいです(笑)。

綾野:…ちゃんとして(笑)。今日、一日長かったからね(笑)。

松田:全然、大丈夫です(笑)。

MC:でも綾野さんも、『るろうに剣心』以来で、大友さん。松田さんは『ハゲタカ』以来で大友監督とご一緒したわけですけれども、実際に盛岡での撮影だったり、釣りだったりとか準備しなきゃいけないことがたくさんあったかと思いますけれども、何か今回の撮影で特別にやったことですとか、チャレンジしてみた事ってございますか?

綾野:盛岡で全編撮影ができたってことが、最大の役作りになるんですよね。なので現場に行って、その土地からその環境から協力してくださる盛岡の方々と創作してしていく作業は、やっぱり映画の醍醐味だと思いますし、そういう意味で1チームとなってやっていくその姿勢を、最後まで駆け抜けるためにやり続けていたような気がするので、個人で何かを、個の力を発揮することよりも集団で何か1つのものをちゃんと紡いでいくということの方が、この作品にとっては大切だろうと。それが、映画を観ていただければ結実しているのではないかなと思っています。

MC:盛岡での撮影は一ヶ月弱ですよね?

綾野:そうですね。ずっと冷麺を食べてましたね。

大友:2人で冷麺ばっかり食べてたでしょ?

松田:はい(笑)。本当に1日1食は食べてましたね。

MC:結構美味しいものがいっぱいあったんですよね?

松田:たくさんあったんですけど、でも一番食べたのは冷麺。

大友:龍平は昨日も食べたんでしょ?

松田:食べました。岩手の試写会に行ってきて。久々に美味しかったなと。ひとつ、冷麺に関して。スイカが入ってるんですけど。冷麺に入っているスイカが本当に美味しいんですよ。だけど、夏しか食べられないんで。昨日食べた時にはナシが入っていて。美味しかったんですけど、やっぱりスイカだなって思って。という話でした(笑)。

MC:(笑)。松田さんは今回、方言にもチャレンジされたりとか、釣りもされたりとかね、いろいろ新しいことをされたわけですけれども、どうでした? 今回の方言はどういうふうに学んでいったのですか?

松田:方言指導の方がいたので、準備することがあるといえば、まあ方言と釣りですかね。結構、セリフが書かれてないけど2人で何かをしているシーンがあったので、そういう時にパッと浮かんでも方言じゃないんで、言えないところが多々あって。だから前もって準備して、言いたいことを胸にしまっておいて、でもいざ出そうとすると忘れちゃったりして。それが大変でしたね。ただでも、方言ってちょっと温かいっていうかね。自分で言いながらほっこりしてました(笑)。

MC:ありがとうございます(笑)。大友監督から、2人にオファーしたことはありますか?

大友:いやいや、特にないですよ。無事に2人が現場に来てさえくれれば(笑)。場の空気とキャッチボールしながらやってくれるし、僕はこの2人をキャスティングした時点で、半分2人のドキュメンタリーを撮ろうと思っていたからね。ある種、2人のやりとりを逃さず観察して記憶していく。そこから生まれてくるものを、とにかく逃さず撮れば何かが生まれるだろうなと思っていたので。そういう意味でいうと、何かをオーダーしたということはなく、当たり前に当たり前のことをやっていくと。すいませんね、あんまりおもしろくなくて(笑)。

MC:いや、そんなことないですよ。綾野さん、監督に演技を任されていたということですよね。

綾野:いやいや(笑)。でも僕たちが芝居をする上でのステージは、美術部が僕たちが芝居しやすように、もっと言ったら佇んでいるだけでも成立するような環境を作ってくれたことも大きかったですし、劇中に出てくる美しい水も、わざわざ運んで持ってきてくれて、それが自然に溶け込んでいる。自然に対して敬意を払いながら我々はお邪魔させていただいていたなあということを改めて感じられますから。そういったところも注目していただければ幸いですね。