【全文掲載】大泉洋は「悪魔のような主役俳優」!?松重豊「大変な目に遭った。いい酔っ払いの勉強をした(笑)」

MC:はい(笑)。このトークだけでもこんなに楽しいんですが、作品のほうもコメディ映画ということで、今回、成島監督はコメディ映画を撮られるのがデビュー作以来ということなんですね。どういったところを意識して作りましたか?

成島:最初の『油断大敵』という映画が(出演は)役所広司さんと柄本明さんで、これは男同士のがっつりした友情のコメディだったんですけど、今回はKERAさんの舞台を観たときから女性群がすごくて本当にいいなぁと思って。どういうコメディかというと、強い女性がメインで、田島以下男性陣がメロメロにされるという映画にしようと思いながら撮った作品です。そのへんを見てもらえたら嬉しいなと思っています。

MC:この後、ぜひそういった点も楽しみに観てもらいたいと思います。監督、ありがとうございます。続いて、今回『グッドバイ』というタイトルながら楽しさ溢れる作品になっておりまして、それにちなんで、もっと楽しくなるために“グッドバイ”したいこと、または○○と“グッドバイ”したらこんなにいいことがあったというエピソードがありましたら、教えていただきたいと思います。では、主役の大泉さんから教えていただいてもよろしいでしょうか?

大泉:いやぁ~、ごめんなさい!1回パスさせてください!

MC:では、小池さんはいかがでしょうか?

小池:最近感じたことなんですが、この映画のプロモーション活動で大泉さんといくつものバラエティ番組に出させていただきまして、とっても楽しくバラエティをやらせていただいたんですが、ほんとにね、あんなに楽しかったんだけど、大泉さんと“グッドバイ”した後に、すごく安らかな気持ちになった(笑)。

(会場爆笑)

小池:楽しいから力んじゃって、いつものバラエティ以上に自分がエンジンかけてるんでしょうね!だから帰った時に「こんなに安らかな気持ちになるなんて」みたいなのは、申し訳ないけど感じて。この後もプロモーション活動でいっぱい動くわけですから、今言ったのは間違いだと思いますけど…それぐらいパワーを吸い取られる方だなぁと思っていますね。

大泉:あぁそう…。俺と別れた後に安らかな気持ちになった…?これはもう本当にお互い様でして!すごいんですよね!バラエティに出た時の振りというか。やたらと振ってくるからカロリーを使っちゃうというか。だいたい番宣というのは主演が一人で出たがるというより嫌がるんですよ。女優さんの誰かと一緒に出たいって。僕、正直この人と一緒に出たいと思ってないというか。クソカロリー高いんです!

小池:あはは!(笑)。

大泉:この前、とある番組で延々モノマネさせられて。始まって10分で喉枯れて。俺、あんなに早くマイケル・ジャクソンやったことないから!ノータイムでマイケルだったからな!

小池:それ、振ってんだねぇ~。今日来たお客さんだけのためにいいんじゃない?あのマイケル・ジャクソン。

(会場拍手)

小池:ショートバージョンで!

大泉:これ、ちょー“グッドバイ”したい。

小池:先生、ひとつショートバージョンでお願いいたします。わざわざお足元の悪い中来てくださったので。

大泉:来てくれたからにはね、楽しんでもらって…大丈夫か?お前、二度と成島さんからオファー来ねぇぞ!じゃあ、ショートバージョンのマイケル・ジャクソンね。(マイケル・ジャクソンのモノマネを披露)フゥーン…!ごめんなさい、写真やめてもらっていいですか?

(会場爆笑)

大泉:厳しいわ!こんな写真ね!目つぶって「フゥーン…!」ってガシガシ撮られてね!ほんと嫌だな!お前とのキャンペーンほんと嫌!“グッドバイ”したいです!小池さんとのキャンペーン!!

MC:そんなこと言わないでください(笑)。

大泉:まだ続く!?この人と!?いや、厳しい!お互い様ですもん!“グッドバイ”したい!って。

MC:主役二人からこんな言葉が出てしまいましたけれども(笑)。ほかにも伺っていきたいと思います。水川さん、どうですか?

水川:(大泉に対して)ふてくされてる…(笑)。舞台挨拶中ですからね?ふてくされないでください。そうですね…最近なんですけど、牛肉を今“グッドバイ”してます。一説によると、私、血液型がAB型で、AB型と牛肉はちょっと合わないみたいなのがあるから、やめてみたらどうなるんだろうなと思って、今ちょっとやめてみてるという話ぐらいですね。

MC:どうなりました?

水川:体が軽い気はしますけど…まだ試してる最中なので、これからわかるかなという感じです。

大泉:お金ないんじゃないのか?

水川:はい?どういう意味ですか?

大泉:牛肉買えないんだったら言えよ。

水川:今日ずっと言いますよね、(衣装の)「袖がない」とか。

(会場爆笑)

水川:何なんですか?「お金ないのか」「困ってんのか、お前は」とか言うんですよ。

大泉:いや、この季節に生地買えなかったのかなぁと思って。

水川:違う!こういうデザインですよ!

大泉:大丈夫かな。

水川:関係ない、それは!大丈夫ですよ!

大泉:もし牛肉買えないんだったら買ってあげたいなぁと。

水川:違いますよ(笑)。大丈夫!

MC:大丈夫だと思います(笑)。続いて、橋本さん。

橋本:夜更かしです。

大泉:夜更かししちゃうの?

橋本:してます。夜寝るのが苦手で、朝ばっかり寝てたら、それこそ『グッドバイ』のリハーサルの時に成島監督に怒られて。「早く寝ろ」って怒られて(笑)、そこから頑張って早寝早起きを頑張ってます。

小池:何してるの?夜更かし。

橋本:ただ寝るのがもったいないと思って(笑)。

大泉:どっかで寝るんでしょ?(笑)。

橋本:そうです(笑)。何してるんですかね…いろいろ。文化に触れたり(笑)。

小池:愛ちゃんらしい。

大泉:文化に触れてるの?それはいいことねぇ。

橋本:朝やればいいんですけどね(笑)。

MC:続いていきます。緒川さん、どうでしょう?

緒川:思い当たることはあまりないんですけど、すごく気に入っていたコートをこの冬が始まった時に処分して、ちょっとスッキリしたなぁというのを思い出しました。絶対お気に入りだったから、これは一生付き合うんだぐらいに思っていたのを、あれ?と思ったらよかったという感じです。

MC:断捨離っていう感じですかね。

緒川:あぁ!そうですね。

大泉:なんでそんな気に入ってるものから断捨離するんですか?

緒川:もう着ないっていうのが何年か続いて、でも見ると懐かしいっていう気持ちだけだったんです。

MC:続いて、木村さんはいかがでしょうか?

木村:私は『グッドバイ』のリハーサルの時に…成島監督とずっとご一緒したくて何回かオファーをいただいたんですけどタイミングが合わず、今回ご一緒できて、リハーサルも子役のオーディションまでも一緒にやったりして、とにかくすごい緊張したんですよね。緊張するとやっぱりいいお芝居もできないしと思って、催眠術をかけてもらったんですよ(笑)。

小池:どこでですか?

木村:役者さんがいくところで、そしたら緊張しなくなったんですよ!

キャスト陣:えぇー!!

木村:だから、緊張とグッドバイです。

緒川:いつまでそれは効力を発揮するんですか?

木村:携帯に録音していいと言うので、「何回聞いてもいいからもう来なくていい」と言われて。

緒川:他の人が聞いてもそれは効かないんですか?

大泉:僕が今それを携帯で見たら成島さんに緊張しなくなるんですか?

木村:かもしれないです!

大泉:「おぉ、成島!」ってなるんですか?

木村:それはまずいと思います(笑)。

大泉:「成島、部活やめるってよ」みたいな!

小池:(成島監督を見て)笑ってる(笑)。

大泉:良かった!危ねぇ~!

MC:すごいものを“グッドバイ”された話が出てきました。

大泉:えぇ~!緊張しないの?

木村:しなくなった。撮影の時とかも。

大泉:どうなんですか!?監督に緊張しないっていいこと?若干の緊張感もあったほうがいいんじゃないですか?

木村:そうなの?

大泉:だって演出されたって「何言ってんだよ」みたいな気持ちになるってことだよね!?

木村:そういうことじゃないけど…じゃあもう一回催眠術行ったほうがいいのかな?

大泉:緊張するっていうね。すごいですね!

小池:ちょっと興味ありますね。

MC:全員前のめりで伺ってお話を聞いていらっしゃいましたけども。

大泉:催眠術、いいなぁ。

MC:続いて、濱田さん。

濱田:愛着のあるパンツが捨てられないんです。

大泉:これはまたバカみたいな答えをしたぞ?

濱田:下着のパンツ。パンツとしてはもう死んだも同然なんです。

大泉:あまりにも穿いてるからね。

濱田:3回ジャンプしたら脱げちゃうんです。パンツとしてはもう死んだも同然なんです。

大泉:それはもうバイバイしなきゃだめよ。“グッドバイ”よ。

濱田:でも愛着があるから捨てられない。“グッドバイ”しようかなとは思ってますけど。捨てられるかはわからないですけど。

大泉:ジャンプしたら脱げるパンツでしょ?

濱田:(3回ジャンプして)これでもう脱げます。

大泉:もうグッドバイですよ!それはもう絶対。

緒川:他のものにリメイクしちゃだめなんですか?

濱田:リメイク?パンツを?

大泉:なんで喋りました?なんでそんな奇抜なアイディアを言おうと思ったの?します?濱田岳がヨレヨレのパンツをリメイク。

緒川:(爆笑)。

MC:続いて、松重さん。パンツのリメイクは忘れてください(笑)。松重さんの“グッドバイ”したいものを聞きたいと思います。

松重:僕は一昨年ぐらいにお酒と“グッドバイ”しまして。酒と“グッドバイ”したなと思ったらこの映画がちょうどロケで入りまして、主役の方が酒に付き合えということで、僕は天ぷら屋さんに呼ばれて行ったんですよ。そうすると僕が酒をやめたということで、(大泉のモノマネをしながら)「こんなおいしいものを前にしてお酒飲まないんですかぁ?これ飲まないといかんでしょ!」って、悪魔のような主役俳優がいたんですよ。

(会場爆笑)

松重:アルコールハラスメントっていうんですか?アルハラ。それでもひどい目に遭いまして、そこから3時間ですよ、ずーっと。あのね、どんどんどんどん話がループしてるんですね。しかもそんなに面白くないのに、だんだんだんだん笑い声が大きくなっていって。足利の街だったんですけど、街中にとどろくぐらいに主役の声が響いて。

大泉:ひゃーっはっはっは!(大爆笑)。

松重:大変な目に遭いました。でもね、いい酔っ払いの勉強をしたということで。いい“グッドバイ”ができたなぁと。

小池:それは松重さんにとっては地獄でしたね。

松重:はい。地獄でしたね。

小池:覚えていらっしゃいます?

大泉:もちろん覚えてますよ。しかも、さっきですよ?ここに来る廊下でも「まだ酒やめてるんですか?足利で飲みましたよねぇ!」って、ずーっと「楽しかったなぁ!」って、隣で(松重が)「楽しかったねぇ」って言ってたんだよ。まさかそんな思いをしていたとは。人が悪い…。

松重:君が楽しそうだったから、3時間。ほーんとに。

大泉:めっちゃ楽しい夜でしたよ。

小池:でもそんなに面白い話じゃなかったっておっしゃってましたよ。ずっとループしてて。

大泉:えぇ~?爆笑トークだったけどなぁ?

松重:隈なく覚えてないでしょ?それが酔っ払いなんですね。

(会場爆笑)

大泉:何が面白かったかは思い出せないですけどね…。

MC:続いて、最後は監督に聞きます。

成島:こうやって映画の公開前になるといろいろ取材を受けるんですけど、面白いことを言えない自分に“グッドバイ”したいです。今皆さんが笑っているように、みんなユーモア交えて楽しく答えてくれるじゃないですか。自分も同じように取材を受けるんですけど、面白いことが何も言えなくて、いつも取材を受ける度に公開前になると家に帰って落ち込むんです。だからユーモア教室とか、そういう教室に本当に通おうかななんて、いつもこの時期になると思ったりします。

大泉:催眠術とか行けばいんじゃないですか?

成島:そうですね。面白いことを言う催眠術。

大泉:いいんですよ、監督は現場で面白いから。現場爆笑ですよ!「犬みたいに腰振ってください!」って真顔で言うんですけど。めっちゃ面白いですけどね。

MC:いろんなものが飛び出しました。皆さんの“グッドバイ”したいこと、“グッドバイ”したらこんなにいいことがあった、ありがとうございました。まだまだお話を伺いたいのですが、時間が迫ってきてしまいました。最後にこれから映画をご覧になる観客の皆様へ、大泉さん、そして小池さんからメッセージを一言ずついただきたいと思います。では、まずは大泉さん、お願いいたします。

大泉:これから観ていただくということで、まだ試写も始まったばかりでございますかね。皆さんに観ていただくということで嬉しい日でございます。太宰治さんが書ききれなかった遺稿でございまして、私はこの台本を読ませてもらった時に、こんなに面白い台本でワクワクして、どうやって田島がグッドバイしていくんだろうというのをワクワクして読んだのを覚えております。どうぞ皆さん、そのような気持ちで、観始めたらノンストップであっという間に終わる映画だと思います。楽しく観ていただいて、そして大いに!ご自身が!一人一人が!あなたたちはここに来たからには我々とは無関係ではないんです!(ステージ上を行き来しながら)あなたたち一人一人がプロデューサーなんだ!この映画を宣伝するのはあなたたちなんです!しっかりとネットに「あぁ面白かったな!」と!「大泉洋がずーっとかっこよかった!」と!そう書くのがあなたたちの仕事なんだ。そう言うと「そうやって書けって言われたから書きました」まで言うバカがいるんだけども!それは書いちゃいけない!どうぞ皆さん、それぞれネットに感想を書いていただいて宣伝していただければと思います。楽しんでください。本日はありがとうございました。

MC:ありがとうございます。最後に小池さん、お願いいたします。

小池:この後にもう言うことはないですが(笑)。ここに登壇しているこんなに愉快なキャストの皆様と、とっても愉快なラブコメが作れたと思っております。お芝居だけでなく、美術、装飾、メイク、衣装部、照明部と、それぞれがどこを切り取っても美しい世界観が描かれています。終戦後の復興に向けての人々のとても力強いパワーというものに、ぜひ皆さん触れていただきたいと思います。今日は本当にありがとうございました。

MC:ありがとうございました。以上をもちまして舞台挨拶の終了となります。楽しいお話をありがとうございました。盛大な拍手でキャスト、監督をお送りください。ありがとうございました!

『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』
2月14日(金) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督:成島出
原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(太宰治「グッド・バイ」より)
出演:大泉洋 小池栄子 水川あさみ 橋本愛 緒川たまき 木村多江 皆川猿時 田中要次 池谷のぶえ 犬山イヌコ 水澤紳吾 戸田恵子 濱田岳 松重豊
配給:キノフィルムズ

【ストーリー】 戦後の混乱から復興へ向かう昭和のニッポン。文芸雑誌の編集長の田島周二(大泉洋)は、気がつけば何人もの愛人を抱える始末。このままではいけないと愛人たちと別れる決心をしたものの、優柔不断な田島は、彼女たちを前にすると別れを切り出すことができない。困り果てた田島は、金にがめつい担ぎ屋・キヌ子(小池栄子)に、女房を演じてくれと頼み込む。そう、キヌ子は泥だらけの顔を洗うと誰もが振り返る女だったのだ。男は、女と別れるため、女は、金のため…。二人の“嘘(にせ)夫婦”の企みが始まった。

©2019『グッドバイ』フィルムパートナーズ

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