MC:ありがとうございました。そしてこの映画、『楽園』の音楽を手掛けてくれました、コンポーザーでありピアニストの、オランダから参りましたユップ・ベヴィンさんです。
ベヴィン:自分は今日はスーツを着させていただいております。でもスーツに近いもの着ているんですね。というのは、このサイズのスーツがなかなかないんですよ(笑)。本当に大好きな日本で、映画の舞台挨拶の場に自分がいるのが、リアルじゃないような、大変嬉しいです。名誉なことです。
MC:ありがとうございました。そして素晴らしい演奏を、改めてありがとうございました。さあ、そして最後にこの映画の監督になります。瀬々敬久監督です。
瀬々:瀬々です。今日は本当にありがとうございます。ユップさんとは、スカイプでやりとりをしながら、映画を作ってきました。さっき、ピアノを弾いて場内からすすり泣きのような声が聞こえてきたときは、さすがユップ!と思いました(笑)。今日は若い方、お年を召した方、男性女性、すごく幅広い客層で僕にとってはすごく嬉しいです。やっぱり映画館はいろいろな種類の人達が集まってきて、映画を観ているのが一番ベストだと思うので、今日はこの場に立てて本当に嬉しく思います。よろしくお願いいたします。
MC:ありがとうございました。それでは綾野さん。改めて初日を迎えてどんなお気持ちでしょうか?
綾野:ようやく託すことができるなという思いが強いですね。この作品は何かを感じてほしいですとか、何かを届けたいっていう我々の主観よりも皆さんに託すことで皆さんの中で何が生まれるのかが非常に重要だと思っていたので。もうここからは皆さんのものだなと。大仕事の最後の受け渡しができてとても良かったなと思いますが、どう、虹郎?
村上:逆に来た(笑)。
綾野:いいよ。ちょっとなんか、ぶちかましちゃってよ(笑)。
村上:なんですか(笑)。
綾野:観終わった後だし。
村上:そうですね、ちょっとセンシティブな。
綾野:センシティブですか、皆さん?…どうやらセンシティブじゃない(笑)。虹郎と舞台に立つのは初めてだよね?
村上:この作品は、そうですね。
綾野:広呂はこの映画において、光というか。石橋静河さんと虹郎の役はすごく皆さんの中で助けられた部分があるんじゃないかなと思うんですよね。
村上:結構、広呂の「本当はこうなんだよ」という感じが、宣伝のなかではシークレットというか。あんまり出てないので、そこもあんまり語らないほうがいいのかなと思って。どうなんすかね?
綾野:いいんじゃない?
村上:いいんすか!?
綾野:もっと、来いよ(笑)。
村上:ちょっと難しいな(笑)。
綾野:という感じです(笑)。
MC:共演した杉咲さんはいかがでしたか?改めて今回の現場というのは。
杉咲:今、ユップさんの演奏を聴いてすごく感じたんですけど、撮影中は本当に苦しかったので、その日々が走馬灯のように蘇ってきて、自分にとってトラウマのような時間でもあったりして…。
綾野:我々がトラウマを作ってしまいましたか!?
杉咲:いや、違うんです(笑)。でも、私はこの映画を観て、自分自身が救われたので、一人でも多くの方々に観ていただけたらいいなという思いに、改めてなりました。