MC：そして、最後に主題歌が流れてくるんですけど、この素晴らしい主題歌を歌ってくださっているこの方が舞台に登場していただけます。歌手のKさんです。どうぞ！ Kさんは鶴瓶さんとも長いおつきあいがあって、撮影の現場にも複数回行かれたそうですね。

K：そうですね。長野にも、東京にも行かせていただいて。もちろんその前に本も読ませていただいて。自分でもなんとなくイメージしながら、現場を見させていただきました。

MC：スタッフの方にお聞きしましたけど、「主題歌を作る方が現場に来たり、あそこまでする方は見たことがない」って言ってましたけど。

K：ちょっとしつこかったですかね（笑）？

鶴瓶：初め来たとき、ビックリしたもん。

K：最初、「東映の人かと思った」って言ってましたもんね（笑）。

綾野：Kさん、普通にいましたからね（笑）。

鶴瓶：来てると思わへんからね（笑）。

K：内容が内容なので、自分が思っているイメージと、平山監督の演出や皆さんの声のトーンだったり、表情も、まんがいち誤差があったら嫌だなと思って、自分の目で確かめたかったというのが大きかったかもしれないですね。

MC：皆さんはKさんの主題歌が流れてきたときは、どんなふうにお感じになられましたか？

鶴瓶：あれがあると、ずっと余韻に浸れるというか、映画の内容が内容だけに、しばらく経ってからも頑張ろうという気にさせてくれる。あんなええ歌作ってくれたんやなってね。

MC：綾野剛さんはいかがでしたか？

綾野：本当にこの作品を包み込んでくださったなという思いですよね。現場にいるときもフランクにお話していたんですけど、Kさんで良かったなと、Kさんだったから現場に真摯に向き合ってくれた。音楽というかたちで最後、映画を締めくくってくれるというのは、役者冥利にもつきますし、作品にとっても素晴らしいと思います。

MC：小松さんはいかがでしょうか？

小松：すごく繊細な歌声で、作品に良い風を吹かせてもらって、ずっとそこにいたいなと、映画館の中でずっと聞いていたいような、本当にすてきな曲でした。

K：ありがとうございます。

MC：監督はいかがでしょうか？

平山：映画のテイストに優しさというものを、もうひと盛りしてくれたなと。優しいというのは本当に恥ずかしいというところもあるんですけども、ちゃんとそこを包んでくれた気がしました。

MC：せっかくなので、Kさんに歌っていただきましょう！ Kさん、準備をよろしくお願いいたします。キャストの皆さんは、舞台袖で聴いていただきたいと思います。

K：こんだけ、褒めていただいて、すごい緊張しますね（笑）。僕はこの作品と出会いまして、一番伝えたかったことは、人の苦しみとか傷だったりを治すのは結局人の力だったり、優しさだったりで治していくんだろうなと改めて強く思った映画でした。だからこそ人と人が支え合っていったり、人のパワーを感じる人間味あふれる曲を作りたいなというのが、今回の楽曲で一番気を使った部分ですかね。それでは聴いてください「光るソラ蒼く」。（携帯の着信音が響き）携帯は無音にしていただけると助かります（笑）。

（演奏）

K：ありがとうございます。

MC：ありがとうございました。「光るソラ蒼く」を聴いていただきました。キャストの皆さん、またご登壇くださいませ。鶴瓶さん、いかがでしたか？

鶴瓶：聴いていて、観たら分かると思うんですけど、撮影をしていたときと同じ状況になりましたね。ほんまにええ仕事したなと思って。

MC：綾野剛さん、いかがでしたか？

綾野：大切に大切に、一言、一言つむいでくださる姿が、たまらないですね。本当に感謝ですね。

MC：小松さんは。

小松：贅沢だなと思って、心にジーンとドシンとくる、本当に素敵でした。

MC：監督、いかがでしょうか？

平山：もう、ありがとうございますという、一言ですね。

MC：ありがとうございます。では、最後に主演の鶴瓶さんより一言、ご挨拶をお願いします。

鶴瓶：観ていただいたら分かると思いますが、全部の出ている俳優さんが生きているというか、監督に生かしていただいている、本当に素晴らしい作品ですので、楽しみにしていただきたいと思います。

MC：ありがとうございました！

『閉鎖病棟―それぞれの朝―』
11月1日（金） 全国ロードショー
監督・脚本：平山秀幸
原作：帚木蓬生「閉鎖病棟」（新潮文庫刊）
出演：笑福亭鶴瓶　綾野剛　小松菜奈　坂東龍汰　平岩紙　綾田俊樹　森下能幸　水澤紳吾　駒木根隆介　大窪人衛　北村早樹子　大方斐紗子　村木仁　片岡礼子　山中崇　根岸季衣　ベンガル　高橋和也　木野花　渋川清彦　小林聡美
配給：東映

【ストーリー】　長野県のとある精神科病院。それぞれの過去を背負った患者たちがいる。母親や嫁を殺めた罪で死刑となりながら、死刑執行が失敗し生き永らえた梶木秀丸（笑福亭鶴瓶）。サラリーマンだったが幻聴が聴こえ暴れ出すようになり、妹夫婦から疎んじられているチュウさん（綾野剛）。不登校が原因で通院してくる女子高生、由紀（小松菜奈）。彼らは家族や世間から遠ざけられても、明るく生きようとしていた。そんな日常を一変させる殺人事件が院内で起こった。加害者は秀丸。彼を犯行に駆り立てた理由とは…。

©2019「閉鎖病棟」製作委員会