MC:小松菜奈さんは、鶴瓶さんと撮影で初めてだったんですよね?
小松:はじめましてだったんですけど、はじめましての感覚がなくて、親戚なんじゃないかというか。お久しぶりですみたいな感じのテンションでいかせてもらったんですけど(笑)。チャーミングですし、本当に場を明るく、現場での光がバーっと広がるような。
鶴瓶:よう差し入れしたでえ。寒いし、うどん屋さん持ってきたもん。
MC:六本木にある名店をお店ごと車に乗っけて持っていったらしいですね。
綾野:あんなの初めて見ましたよ(笑)。
MC:高級店の食材とかも全部積んでね(笑)。
鶴瓶:なんかいいスタッフを集まってるから、なんか良いように回ってほしいなと思うことがあったんよ。そこで「カレーうどん」って言ったら「カレーうどん」出してくれんのよ? どないおもってんの?
綾野:いや(笑)、誰にしゃべってるんですか?
鶴瓶:全体に聞いてんねん(笑)。試写会って硬いねん。みんな、ジッとなってるから(笑)。全体に聞いてんねん。上にもいてはるんやで。上も見てあげな。でも、それだけやり甲斐のあるスタッフを集めてくれはったからね。
MC:平山監督、この3人のアンサンブルは本当に素晴らしかったんですけど、最初からこれでいこうと思っていたのですか?
平山:10年間にいろいろなことがあったんです。でも、きっとそれだけの時間が『閉鎖病棟』を作るのに必要だったように思います。この3人が揃うまで待ったのも含めて。
MC:撮影が長野県の小諸というところで、小諸高原病院という、実際に精神科に特化した医療施設なんですけど、そこをお借りして撮影をしたんですよね。これに関してはいかがですか?
平山:たまたまスタッフの妹さんが、その病院の看護師さんをしてらして。シナリオハンティングだったんですね。で、院長先生の話を聞いている内に、撮影が可能であるという話になって、そうなったら止まらなくて、セットではない空気感があって。映画は必ず空気が映りますから、皆さんの協力の下で病院で撮影させていただきました。素晴らしい体験でした。
MC:役者の皆さんも、病気を演じるのはなかなか難しかったんじゃないですか?
平山:俳優さんには「ちゃんと帰っておいでよ」という言い方しかできなかったですね。
鶴瓶:僕らも知らない役者さんがいてたけど、ホンマかいなって人もいてましたよ? 役者さんですよね?
平山:全部俳優さんですよ。
鶴瓶:ずっと毛をむしってた人は?
平山:普通の俳優さんです(笑)。
綾野:映画撮ってるんですからね?
鶴瓶:でも、ほんまの病院でとってるから、売店で会いますよ。だから、「この人役者さんかな、どうなんかな?」って。分らへんねん。聞いたもん、いっぺん。「どこにすんではるの?」って言ったら、その人が戻って「目黒です」って(笑)。