【全文掲載】横浜流星、自身の過去を告白し「自分を受け入れて肯定して、自分を好きになってほしい」

MC:ありがとうございます。そして柳明菜監督です。

柳:監督をさせていただきました柳明菜です。撮影から一年間、大切に仕上げていた作品がようやく巣立っていきます。そんな貴重な日に立ち会っていただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

MC:さあ、いよいよ公開初日ですが、今のお気持ちはいかがですか、横浜さん。

横浜:こんなにもたくさんの方に来ていただいて、本当に幸せです。本当に、本当に一人でも多くの方にこの作品を観ていただきたいです。ライブビューイングでご覧の皆様もありがとうございます(笑)。

MC:この作品は、階段島と呼ばれる謎の島で繰り広げられる青春ファンタジー作品ということなんですけど、繊細で複雑なストーリー展開があるので、撮影の前に皆さんで打ち合わせを入念にされたということなんですが。

横浜:監督とプロデューサーと、まずは僕が話して、原作がとても難しいというか、世界観とか言葉、セリフとかもどう表現したらいいのかとか。実写化するのはすごく高い壁だったので、そこを監督とプロデューサーと話をして、監督がパイロット版を見せてくれて。こういう感じになるんだと、そこで期待も膨らんで。その後もみんなで一緒にリハーサルをして、ひと通りやったかな? 大事なシーンはひと通りリハーサルをやって。だからこそ撮影にはスムーズに入れたっていう感じでした。

MC:あんまり全体的にリハーサルするというのはないのかなと思うのですが、それに関してはどうでした?

横浜:もちろんリハーサルをやる作品とか、準備期間がある作品はありますけど、こんなにも入念に準備をして臨めたというのはすごく心強かったですね。その機会をくださって本当に感謝してますし、みんなが集まってくれて、みんなで一緒に撮影に入る前から作っている感じがしてすごく嬉しかったです。

MC:飯豊さんはいかがでしたか?

飯豊:やっぱりリハーサルができなかったら、こうは撮れなかっただろうなと思います。

横浜:そうだね(笑)。

飯豊:それぐらい複雑で、簡単じゃなく理解できないような役柄で、でも本当に素敵な作品にしたいという思いがあった分、何回もリハーサルを重ねて、本当は撮影に時間をかけちゃいけないんですけど、監督に妥協しないで何回もやらせてもらって、自分の納得のいくような、自信を持って皆さんにお届けできる作品になったなって思えてます(笑)。

MC:ありがとうございます。柳監督、この作品は作り上げる、まとめ上げる中で、意識されたことはどんなことですか?

柳:まず小説の美しさは描き切ろうと思っていたのと、お話にあったようにこの作品は設定が不思議なファンタジーなので、リアリティがとても大事だったので、各キャラクターにはかなり難題を言って本当に心の底から感じて芝居をしてもらう。特に真辺、七草は強い思いを持って、真辺は投げる、七草はそれを押し込めているように見えるんですけど、それを抑えきれずにこぼれ落ちる瞬間を映画の中に収めているので、本当に素晴らしいお芝居を皆さんがしてくださいました。

MC:横浜さん、首を振っておりますが(笑)。素晴らしいお芝居でしたよ。

横浜:それは本当に監督のおかげです。あとは皆さんのおかげです。僕は皆さんからもらったものを受けるだけだったので。本当に皆さんのおかげです、ありがとうございます。

MC:そして矢作さん、松岡さん。映画の中には個性的なキャラクターたくさん登場するんですけど、それぞれお好きなセリフはございますか?

矢作:真辺と2人で浜辺で話すシーンがあるんですけど、真辺に責めるというか、訴えるセリフがあって、それが「真辺さんといると、七草くんが七草くんではなくなってしまう」というセリフで、すごく大変でした。自分が。そのセリフを言いたくなさすぎて、いろいろと葛藤した撮影だったので、すごく難しいセリフでもあるし、すごく思い出のあるセリフでもありました。

MC:言いたくなかったんですね。

飯豊:なんか、あのセリフってすごく深くて、考え込んじゃいました。

矢作:いろいろと、2人のことを思いながら、みんなのことを思いながら、話してました。

MC:ありがとうございます。松岡さんはいかがでしたか?

松岡:僕は七草が真辺に向かってしゃべる、本当に僕が好きなセリフで、「正しいことの正しさを信じすぎている」というセリフがあるんですけど、言葉って暴力にもなるし、人を救う力もあると思うんですよ。それは救済だったり、浄化だったりあると思うんですけど、セリフがこんなにも力強く人に届くのかというのが、すごく大きなテーマだと思っているので、普遍的に「絶対こうだ」みたいなことって、なかなか人って言えないじゃないですか。そういうものが、随所で挟まっているので、改めて日本語の表現の豊かさを感じられるセリフだなと思ったので、僕は好きですね。