MC：ありがとうございます。そして成田さんなんですが、当時太宰に関わったとされる編集者数名の要素を一人に集約したこの映画のオリジナルのキャラクターなんですけど、太宰に『人間失格』の執筆を依頼する役柄でしたけど、実際に演じられていかがだったでしょうか。

成田：そうですね、この佐倉という役は小栗さん演じる太宰を大尊敬して、大軽蔑していた人、二つの両極端な気持ちを常に持ちながら太宰を守っていたといいますか、支えていたといいますか。だったんですけど、小栗さんが目の前に立ったら、飛び込むだけなんで、ある種に気楽にいかせていただきました。

MC：なかなか大変な役柄だったと思いますが。

成田：そうですね、当時は大変だったんだろうなと思いながら演じていましたけど。

MC：ありがとうございます。そして、本日はスケジュールの都合で登壇が叶わなかったんですけど、宮沢りえさんが太宰の妻の美知子を演じているのですが、いかがだったでしょうか、蜷川監督。

蜷川：りえちゃんも現場に入ると空気が変わる女優さんで。結構子供たちとのシーンが多かったので、彼らの力をすべてフィルムに映し込ませてくれる手腕がやっぱり素晴らしくて、圧倒的な存在感で。一緒に仕事ができてすごく良かったです。

MC：宮沢さんとは、いつかいつか一緒に作品を作りたいと思っていたという？

蜷川：そうですね。どこかで必ずやりたいと。これからも一緒に仕事ができたらなと思ってますけど。