MC:ご覧になっている皆さんからもたくさんのメッセージが届いたのですが、皆さんが印象に残ったシーンで一番多かったのが、寿々男と奈津子が最後笑い合うシーン。あのシーンの裏話を聞いてもいいですか。
北山:僕の気持ちだけで今言いますと、どっちが笑い出すかという駆け引きがあって、目があって、どっちが先に大笑いしだすかという駆け引きが実はあったんですよ。
MC:リハーサルとはちょっと違う?
北山:いや、リハーサルでもそうだったんですけど…。
筧:大事なシーンだったから、あんまり回数やってないんじゃないかな。
北山:そんなにやってないですよね。僕はすごい覚えてるんですけど、多部さんから笑いだしてくれたんですよ。たぶん、彼女は全然覚えてないと思うんですけど(笑)。実は、そういう駆け引きが、僕の中ではあって、それを我慢しながら。どっちが先に吹き出すかというのがあって。
MC:多部さん、完全に思い出そうとしてますけど(笑)。
多部:私は全く感じていなかったんですけど、私から笑いだした記憶も…、記憶にございません(笑)。
北山:もう、“無”じゃん(笑)! ずっとこの調子ですよ(笑)!?
多部:でも、あのシーンは台本を読んだ時に、なんで笑うんだろうと思ってました。
筧:僕も思いました。
北山:え、監督?(笑)。
筧:いや、脚本家は大野さん(大野敏哉)という別の方がいらっしゃるから、僕が書いたわけじゃないんですけど、完成品になるまで何ヶ月か前にあのシーンが出てきて、「笑うのかな?」って。もっと違う表現があるんじゃないかと思ったんですけど、それは置いといて、それ意外を作り上げていくと、そのシーンが生きてきたというか。僕もだから、多部さんが言っていたことがすごく分かるというか。
MC:あともうひとつ、スーパーに向かう時に歌う“炙りサーモンの歌”。
北山:“炙りサーモンの歌”ね(笑)。「A、B、U、R、I、炙り!」みたいな(笑)。
MC:あれは脚本にこうやってくださいって書いてあったんですか?
筧:書いてないです。「“炙りサーモンの歌”を歌いながらスーパーに行く」としか書いてなくて、僕がラップを入れようかと提案をして、前半は北山くんが現場で言ってくれたから、共作したんでしたっけ?
北山:監督がリリックって言うんですか? ラップでいくんだというところから、僕も作曲というか(笑)。作曲をしていったんですけど(笑)。共作です(笑)。
MC:あのシーンは多部さん、撮影のファーストシーンだったんですよね?
多部:そうですね、お二人は撮影が始まっていて、私は初日だったので、初めて猫の姿を見た日でした。忘れもしません(笑)。
北山:忘れもしません(笑)。どういう意味でしょうか(笑)。