ピーター・ジャクソン、へラ・ヒルマーら終結!『移動都市/モータル・エンジン』LAプレミア レポート

『ロード・オブ・ザ・リング』、『ホビット』3部作の監督、脚本、製作者として世界的に知られるピーター・ジャクソンが新たに贈る壮大な冒険物語『移動都市/モータル・エンジン』が2019年3月1日より公開となる。このほど、全米公開に先立ち、現地時間12月5日にロサンゼルス・リージェンシーヴィレッジシアターにてLAプレミアが開催され、キャストのへラ・ヒルマー、ロバート・シーアン、ヒューゴ・ウィーヴィングらに加え、クリスチャン・リヴァーズ監督、脚本のフィリッパ・ボウエンが登壇した。さらに、クリスチャン・リヴァーズ監督は製作・脚本を担当したピーター・ジャクソンとともに、現地時間12月6日、サンパウロ・Auditório Cinemark XDで開催されたサンパウロコミコンに生中継で登場した。

LAプレミアの会場には、本作の舞台・荒廃した地をイメージしたシックなカラーのカーペットが敷かれ、豪華キャスト・スタッフ陣を一目見ようと集まった観客たちは劇中に登場する移動都市ロンドンの国民さながらに、それぞれがイギリスの国旗を振りながら大熱狂していた。地元アメリカをはじめ、世界各国から大勢のメディアが押し寄せ『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』シリーズを生み出してきたピーター・ジャクソンによる、新たな冒険物語の注目度の高さが窺える盛り上がりのなか、プレミアイベントが開幕した。

世界を支配しようとする巨大移動都市ロンドンに立ち向かう主人公のへスターを演じたヘラ・ヒルマー、へスターと冒険をともにするトムを演じたロバート・シーアン、へスターの復讐相手でもあり、巨大移動都市ロンドンの権力者であるヴァレンタインを演じたヒューゴ・ウィーヴィング、へスターやトムと旅を共にする反移動都市同盟リーダーの空賊アナを演じたジヘ、ヴァレンタインの娘を演じたレイラ・ジョージ、へスターの命を狙う謎の追跡者シュライク演じたスティーヴン・ラングといった豪華キャスト陣、そして『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』シリーズをはじめとする様々なピーター・ジャクソン作品に携わり、本作で遂に長編監督デビューを果たしたクリスチャン・リヴァーズ、ピーター・ジャクソンとこれまで何度もタッグを組み、本作でも脚本を務めたフィリッパ・ボウエンらが登場すると、会場には大きな歓声が巻き起こり、キャストとスタッフ陣は、熱烈なファンからのサインや写真撮影の要望に丁寧に応えた。

黒のヴァレンティノのドレスを身に纏って登場したヘラ・ヒルマーは、本作について「最高の世界を作れたわ。ピーターや監督と一緒に最高のチームでね。わたしが演じたヒロイン、へスターというキャラクターも魅力で溢れていて、すべてが新鮮でワクワクしたわ」と満足げにコメント。ピーター・ジャクソンについては「素晴らしいわ。彼はとてもクリエイティブよ。彼のすることすべてが映画のかたちにとなっていくの」と称賛の言葉を述べ、ピーター・ジャクソン作品ならではの独特な世界観での撮影について「撮影セットにすごく手が込まれていて、アミューズメントパークか何かのようだったわ!この世のものではないような美しい建物の中で上から吊るされたり、機械の上で動き回ったりしながらバトルシーンを撮影したわ」と振り返っている。

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでピーター・ジャクソン作品に参加した経歴のあるヒューゴ・ウィーヴィングは「ピーター・ジャクソン、そして最高のチームと、また一緒に仕事をできることは光栄だよ。この作品は以前出演した『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観とは大きく異なるからね。このプロジェクトに参加できて嬉しいよ。とても複雑な世界だからイマジネーションをたくさん働かせたよ」とコメント。また、本作のオファーが来た時について問われ、「まず脚本を読んだんだ、何も聞かずにね。壮大な冒険で、たくさんの魅力的なキャラクターがいて素晴らしかったよ。とても斬新な世界観で、徐々に役に入り込んでいった」と語り、「破壊された世界を作り直していく、どんどん終焉へと近づいていく…今まで見たことのない映画だと思ったよ」と見どころを明かした。

また、監督を務めたクリスチャン・リヴァーズは、今回ピーター・ジャクソンから直々に監督の指名を受けたようで「彼はいろんな作品を撮ることにとても意欲的だけど、沢山の作品に参加していてとても忙しそうにしていたから、それを理由に僕に声がかかったと思っていたんだ。でも彼が自発的に僕にオファーをしてくれていたと知って、とてもスペシャルな気分だよ!」と笑顔でコメント。本作については「最近はリメイクやリブートされた作品、フランチャイズ作品が増えてきていて、どれも面白くて素晴らしい作品ばかりだけど、僕たちはこの映画で新しい作品を作り出すことに挑戦した。だから、みんなにはこの映画を通して、これまでにない新しい映像体験をしてほしいと思っているよ」と明かした。

そして、ピーター・ジャクソンとともに脚本を手掛けたフィリッパ・ボウエンは“都市が都市を喰う”という独特の世界観が展開される本作の脚本執筆を振り返り、「簡単なことではなかったわ。書き上げるのにとても時間がかかった。たくさん考えたし、多くの時間を費やした。でも、彼とまた一緒に仕事ができて本当にラッキーだったわ」とピーター・ジャクソンへの絶大な信頼を明かし、仕上がった映画については「キャストたちが本当に素晴らしいの!クリスチャン・リヴァーズ監督とも初めて仕事ができて最高だったけど、やっぱりキャストね!」と劇中で大活躍を見せるフレッシュなキャスト陣を大絶賛し、「観客のみんなが楽しんでくれることを祈ってるわ!だってこんな壮大で素晴らしい世界が待っているんだから。トム・ホルケンボルフ(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)が魅力的な楽曲をつけてくれたし、最高の仕上がりよ、みんな驚くと思うわ」とメッセージを寄せた。

その後のプレミア上映の舞台挨拶にはピーター・ジャクソンも登壇し、一同は客席から一際大きな歓声と拍手で迎え入れられた。ピーター・ジャクソン、フィリッパ・ボウエンが絶賛してやまないキャスト陣は、ピーター・ジャクソン作品に参加できたことに終始興奮した様子で、ピーター・ジャクソンをはじめ、過去作品で何度もタッグを組んできたベテランキャスト・スタッフ陣はこれまでの作品と一線を画した独特な世界観で描かれる冒険物語に自信満々たっぷりの様子で会場を後にした。

また、翌日ブラジルで開催されたサンパウロコミコンには、本作の特設イベントステージが用意され、生中継でピーター・ジャクソンとクリスチャン・リヴァーズ監督が登場した。遠い海の向こうから本作の完成を期待しているブラジル・サンパウロの熱狂的ファンの前で渾身の最新作の出来栄えや意気込みについて大いに語り明かした。

『移動都市/モータル・エンジン』
2019年3月1日(金) 全国公開
監督:クリスチャン・リヴァーズ
原作:フィリップ・リーヴ著/安野玲 訳「移動都市」(創元SF文庫刊)
製作:ピーター・ジャクソン
出演:ヘラ・ヒルマー ロバート・シーアン ヒューゴ・ウィーヴィング ジヘ ローナン・ラフテリー レイラ・ジョージ パトリック・マラハイド スティーヴン・ラング
配給:東宝東和

【ストーリー】 たった60分で文明を荒廃させた最終戦争から、数百年後の世界。残された人類は地を這う移動型の都市で暮らす事を選択し、地上は、都市同士が捕食しあう弱肉強食の世界へと姿を変えていた。この荒れ果てた地は、巨大移動都市・ロンドンによって支配されていた。ロンドンは捕食した都市の資源を再利用し、人間を奴隷化することで成長し続ける。小さな都市と人々は、その圧倒的な存在を前に逃げるようにして生きるしかなかった。いつ喰われるかもしれない絶望的な日々の中、へスター(ヘラ・ヒルマー)は母の復讐と人類の希望を胸にロンドンに潜入。反移動都市同盟のアナ(ジヘ)、ロンドンの不都合な真実を知ってしまったトム(ロバート・シーアン)たちと共に「打倒ロンドン」の大冒険を繰り広げる中、“謎の追跡者”にまで命を狙われることに。人と都市を狩る“ロンドン”に隠された秘密とは?“謎の追跡者”は何故ヘスターの命を狙うのか?そして彼の正体は?

(C)Universal Pictures