山田孝之「壮絶な現場の様子を表に出したいと思っていた」『ハード・コア』トークショー付き本編+メイキング上映会レポート

狩撫麻礼・いましろたかしによる伝説的コミック「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」を、山田孝之と山下敦弘監督の盟友コンビが完全映画化した『ハード・コア』が、11月23日より公開中。このほど、本作の公開を記念して、12月7日にヒューマントラストシネマ渋谷にて“祝・公開記念!!『ハード・コア』本編+メイキング上映イベント”が行われ、権藤右近役を演じた主演の山田孝之と、右近が思いを寄せる水沼多恵子を演じた石橋けい、本作のメガホンをとった山下敦弘監督、メイキング監督を務めた宮本杜朗が登壇した。

最初にこのメイキング上映イベントが開催されたいきさつについて山田は、「壮絶な現場や、どのシーンを本編から落とすかどうかを話し合いをしている様子をぜひ表に出せたらいいなと思っていました。上映会が実現できて良かったです」と本作を多くの人に届けたいという思いとイベント実現への喜びを語った。

石橋は、父から“映画、面白かったよ!”と興奮交じりに電話があったというエピソードを披露。妖艶な役を演じた石橋は嬉しい反面複雑な心境であることを語った。メイキング映像を見た山下は「撮影時を振り返るといまだに大変だったと感じるが、客観的に見ると、楽しそうに撮影している」と撮影時の自分について語り、重ねて宮本も「まだ映画が上映されているこの時期にメイキングを見てもらえることが本当に嬉しい」と両監督の本作への力の入れ方が伝わってきた。

宮本から、現場にメイキングのカメラが近くにいたら邪魔になるかと聞かれた山田は、「気になるときは気になるけど。研ぎ澄まされていればカメラ100台いても大丈夫」と答えた。また「山下監督、ハード・コアで燃え尽きちゃってるって噂がありますけど…」と山田が山下をいじるなど、2人の仲の良さが垣間見えるやり取りには会場のファンも大興奮だった。山下は最後に「宮本くんが作ったメイキングをまたほかのとこでも上映していきたいです!」と熱い気持ち溢れるコメントでイベントを締めくくった。

『ハード・コア』
11月23日(金・祝) 全国公開
監督:山下敦弘
原作:狩撫麻礼・いましろたかし「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
脚本:向井康介
出演:山田孝之 佐藤健 荒川良々 石橋けい 首くくり栲象 康すおん 松たか子
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 現代日本―。都会の片隅で細々と生きる権藤右近はあまりにも純粋で、曲がったことが大嫌いだ。間違いを正そうとする自らの信念をいつも暴力に転嫁させてしまうため、仕事も居場所もなくしてきた。そんな右近の仕事は、山奥で怪しい活動家の埋蔵金探しを手伝うこと。共に働く牛山だけが唯一心を許せる友人だ。二人を見守るのが、右近の弟・権藤左近。一流商社に勤務するエリートだが、腐った世の中にうんざりし、希望を失っていた。ある日、そんな彼らの前に、謎の古びたロボットが現れ、男たちの人生が一変するような一大事が巻き起こる。

©2018「ハード・コア」製作委員会