作家の西加奈子が小説「サラバ!」で第152回直木賞受賞後に一作目として書き下ろし、累計55,000部の売り上げを記録した児童小説の映画化となる『まく子』が、2019年3月より公開される。このほど、追加キャストとして、つみきみほ、お笑いコンビ・しずるの村上純、橋本淳、小倉久寛、根岸季衣、内川蓮生が出演することが発表された。
ひなびた温泉街の旅館の息子で小学5年生のサトシは、自分の身体の変化に悩み、女好きの父親に反感を抱いていた。ある日、美しい少女コズエが現れる。言動がどこか不思議な同い年のコズエは、「ある星から来た」と信じがたい秘密をサトシに明かす。枯葉や紙の花を楽しそうにまくコズエが、やがてサトシや町の人々みんなにまいたものとは…。
主人公・サトシには、中学3年生の山﨑光。『ちょんまげぷりん』(2010)で映画デビューし『真夏の方程式』などに出演、本作で初主演を務める。謎の転入生・コズエ役には、原作のイメージそのままに役を体現した新音(にのん)。雑誌「VERY」の専属モデルであるクリス・ウェブ佳子の長女であり、RADWIMPSの「狭心症」のMVや第68回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門正式招待作品『Blue Wind Blows』に出演し、本作が2作品目の出演となる。そして、女性が大好きなダメな父親だが、息子の成長を陰ながら見つめ背中をそっと押す父・光一役には、「新しい地図」として始動し、自身が主演の「光へ、航る」を収めたオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界』が2週間限定公開で28万人以上を動員し大ヒット、役者として更なる活躍が目覚ましい草彅剛。思春期の息子を温かく見守るサトシの母・明美役には、NHK連続テレビ小説「天うらら」(1998年)でデビューしてから数々の作品に出演し、「半分、青い。」にて20年ぶりの朝ドラ出演として話題となった須藤理彩が演じる。監督は、初長編映画『くじらのまち』がPFFアワード2012にてグランプリとジェムストーン賞をダブル受賞し、第63回ベルリン国際映画祭をはじめ各国の映画祭で高く評価された鶴岡慧子が務める。
追加キャストとして、主人公・サトシの実家の旅館で住み込みの仲居として働くことになるコズエのオカアサン役に、名作『櫻の園』や西川美和監督のデビュー作『蛇イチゴ』などに出演したつみきみほ。また、大人だが子供たちとばかり一緒にいる青年ドノ役を、映画2作品目の出演となる、お笑いコンビ・しずるの村上純が演じる。さらに、サトシのクラス担任・小菅役に、「No.9 -不滅の旋律-」などの舞台で活躍する橋本淳。生徒たちを優しく見守る校長役に、ドラマやバラエティの活躍でお茶の間でも親しまれている俳優・小倉久寛。旅館のベテラン仲居キミエおばちゃん役に、演出家つかこうへい作品の黄金期を支えた一人で、大林宣彦監督作品の常連として知られるなど名匠からの信頼も厚い女優・根岸季衣。そして、ドノと心を通わす不登校児の類役を、ミュージカル「黒執事」のシエル・ファントムハイヴ役で一躍脚光を浴びた内川蓮生が演じるなど、実力派キャストが脇を固める。
キャスト コメント
■つみきみほ(コズエのオカアサン役)
「つみきさんにぴったりの役がある」と言っていただき、電話で端的に役どころを聞き、「面白そう!やりたいです!」と即答しました。今まで演じたことのないキャラクター設定でしたので、現場に入っていろいろ考え、やれる限りやらせていただきました。娘役の新音ちゃんは可愛いだけでなく、スケール感があり、役にぴったりだなと思いました。共演出来て、楽しかったです!
■村上純(しずる)(ドノ役)
西さん原作、鶴岡さん監督の映画『まく子』はとても優しく柔らかい作品で、“まく”と言ったら“くだ”くらいしかない僕がこの世界にお邪魔させてもらえるなんて、未だに身に余る思いです。ドノ役の僕は子役の子たちとのシーンがほとんどだったんですが、役者青二才の僕を大人顔負けの演技で引っ張ってくれたのには思わず舌をまいてしまいました。今から、劇場でフィルムがまかれることが心より待ち遠しいです。
『まく子』
2019年3月 テアトル新宿ほか全国公開
監督・脚本:鶴岡慧子
原作:西加奈子「まく子」(福音館書店 刊)
出演:山﨑光 新音 須藤理彩 草彅剛 つみきみほ 村上純(しずる) 橋本淳 小倉久寛 根岸季衣 内川蓮生
配給:日活
©2019「まく子」製作委員会/西加奈子(福音館書店)