『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』で世界の映画祭を席巻したコーネル・ムンドルッツォ監督最新作『ジュピターズ・ムーン』が1月27日より全国ロードショーとなる。これに先立ち、本作のメイキング映像が公開された。
本作は、人生に敗れた医師と重力を操るという不思議な力を持つ少年の命をかけた逃亡を、テロや難民問題を内包しながら圧倒的な映像表現で描いている。
公開されたメイキング映像には、シリア難民のアリアンが自在に空を浮遊するシーンを、極力CGを使わずに表現した手法が映し出されている。アリアン役のゾンボル・ヤェーゲルはスタントを使わず自らが演じ、浮遊する映像の背景は全て実写映像が使用されている。
コーネル・ムンドルッツォ監督は、「90~95%はワイヤー消し以外のCGはほぼ使っていません。浮遊する夢を見る人は多いと思ったし、その浮遊が信じられるものでなければならないと思ったから、そのための工夫には努力を惜しみませんでした。“空を飛ぶ”ということに対して観客の心を挑発したかったし、浮遊するということが非理性的な要素であるからこそです。カメラマンも役者もなるべく自由に撮影し、自由に演じることが重要でした。縦と横の軸の組み合わせを徹底的に考え抜いたからこそ、信じるに足る、説得力のある浮遊シーンが出来たと思います」と語っている。
『ジュピターズ・ムーン』
1月27日(土) 新宿バルト9ほか 全国ロードショー
監督:コーネル・ムンドルッツォ
脚本:カタ・ヴェーベル
出演:メラーブ・ニニッゼ ギェルギ・ツセルハルミ ゾンボル・ヤェーゲル モーニカ・バルシャイ
配給:クロックワークス
【ストーリー】 医療ミスによる訴訟で病院を追われた医師・シュテルンは、難民キャンプで働きながら違法に難民を逃すことで賠償金を稼ぎ、遺族による訴訟取り下げを目論んでいた。ある日、被弾し瀕死の重傷を負った少年・アリアンが運び込まれる。シュテルンはアリアンが重力を操り浮遊する能力を持つと知り、金儲けに使えるとキャンプから連れ出すことに成功する。その頃、アリアンを違法銃撃した国境警備隊が口封じのため彼らを追い始めるが、行く先々で起こる失踪やテロ、不可解な事件の現場に少年の痕跡が残されていることに気づく―。
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