『ローマに消えた男』のロベルト・アンドー監督最新作『Le confessioni』(原題)が、邦題『修道士は沈黙する』として3月17日より全国ロードショーされることが決定した。併せて本作の予告編とポスタービジュアルが公開された。
イタリアの政界を背景にした風刺劇『ローマに消えた男』で、権力の寓話を軽やかなユーモアを交えて描いたロベルト・アンドー監督が今回題材として選んだのは、“物質主義vs精神主義”の構図を核に据えた知的でスタイリッシュな異色ミステリー。
イタリア人修道士ロベルト・サルスを演じるのは、『グレート・ビューティー/追憶のローマ』のトニ・セルヴィッロ。アンドー監督とは『ローマに消えた男』以来2度目のタッグとなる。キーパーソンとなる議会の重要人物ダニエル・ロシェには、『八日目』でカンヌ国際映画祭男優賞に輝いたフランスの名優ダニエル・オートュイユ、ゲストとして招かれた絵本作家クレール・セスには、デンマーク出身で『ワンダーウーマン』の主人公ダイアナの母役としても記憶に新しいコニー・ニールセンと、国際的に活躍する豪華俳優陣が集結した。
予告編では、清貧に生きるイタリア人修道士サルスが世界経済を牛耳る大臣たちの集まりに招かれ、そこで起きた思わぬ事件に次第に巻き込まれていく様子が描かれている。舞台はバルト海に面したリゾート地の高級ホテルで開かれるG8(先進国首脳会議)。議会に参加する予定の8か国の大臣と、ゲストとしてロックスター、絵本作家、そして修道士という異色の3人が、天才的エコノミストとして知られる国際通貨基金(IMF)のダニエル・ロシェ専務理事の誕生日を祝う夕食会に招かれる。会食後、サルスはロシェから告解がしたいと告げられるが、その翌朝、ビニール袋をかぶったロシェの死体が発見されるのだった。容疑者として真っ先に浮上したサルスは戒律に従って沈黙を続ける。オペラの舞台演出も手掛けてきたアンドー監督がクラシックやポップスミュージックを織り交ぜながら、権力批判を横溢させつつシリアスに仕上げたサスペンス作品となっている。
『修道士は沈黙する』
3月17日(土)よりBunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー
監督・原案・脚本:ロベルト・アンドー
出演:トニ・セルヴィッロ ダニエル・オートゥイユ コニー・ニールセン モーリッツ・ブライプトロイ マリ=ジョゼ・クローズ
配給:ミモザフィルムズ
【ストーリー】 バルト海に面した高級リゾート地ハイリゲンダムで開催されるG8財務相会議の前夜、国際通貨基金専務理事のダニエル・ロシェは各国の財務相に加えて、異色の3人のゲストを招いて自身の誕生祝いを開催する。会食後にロシェはゲストの一人、イタリア人修道士ロベルト・サルスを自室に呼び、告解をしたいと告げるが、その翌朝、ビニール袋を被ったロシェの死体が発見される。自殺か他殺か?告解を受けたサルスは口を噤む中、警察の極秘捜査が続けられていく。発展途上国の経済に大きな影響を与えかねない重要な決定を発表する記者会見の時間が迫ってくる。各国財務相の政治的駆け引きに巻き込まれたサルスは、ロシェの葬儀で自らの思いを語り始めるのだった。
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