2002年に起きた“和歌山出会い系サイト強盗殺人事件”を題材とした、瀬戸さおり初主演映画『愛の病』が1月6日より公開となる。このほど、岡山天音演じる真之介の衝撃足舐めシーンが公開された。併せて、映画監督の清水崇、篠原哲雄ほか日本を代表する映画人から絶賛コメントが寄せられた。
本作は、出会い系サイトで知り合った男に大金を貢がせ、さらには殺人までも犯させる凶悪犯・エミコを描いた官能サスペンス。主人公の凶悪犯エミコを演じるのは、本作が映画初主演となる瀬戸さおり。さらに、エミコのカモになり、ついには共犯者となる真之助を、『帝一の國』の岡山天音が演じる。そして、エミコの本命の男性アキラを、劇団EXILEのメンバーで、『HiGH&LOW』シリーズの八木将康が演じるほか、「花子とアン」の山田真歩、『最低。』の佐々木心音、「渡る世間は鬼ばかり」シリーズの藤田朋子らが脇を固める。監督は、『女の穴』や『スキマスキ』など、人間のエゴイズムとエロティシズムを描いてきた実力派・吉田浩太が務める。
公開された映像では、エミコに心酔するあまり、大金を貢いだり、ヤクザに扮して恐喝をしたり徐々に犯罪に手を染めていく真之介演じる岡山天音が、エミコの足を舐める過激な演技に挑んだシーン。それまで、清純派女性の猫を被っていたエミコが初めて素顔を見せる、作中のキーとなるシーンでもある。舞台やドラマなどの出演が続き、演技派女優として注目を集めている瀬戸さおりと次世代の名バイプレーヤーとも評される岡山天音の体当たりの演技に注目だ。
著名人コメント
■清水崇(映画監督)
愛ってそんな崇高で爽やかなもの?業にまみれた愛のさまと瀬戸さおりという女優を吉田監督が開花させた。溢れる胸キュン映画で眼の曇った日本の男女に観て欲しい。
■篠原哲雄(映画監督)
この実在の事件を通して、女の魔性とか騙される男の愚かさとかそんな平凡な事を描きたかったとはとても思えない。映画による真っ当な世界への反抗。映画でしか描く事の出来ない反骨精神。吉田浩太は俳優に寄り添いながら懸命に、しかも無意識にやってしまったのではなかろうか?いや、確信犯だな、多分。力作の誕生を祝したい!
■門間雄介(映画評論家)
ひとりの女優が覚悟を決め、閉ざされた殻を破り、世に飛び出していくその瞬間を目の当たりにした。剥き出しになっているのは、演技というより、本能に近いものかもしれない。ある役割を担ったキャラクターではなく、なにかに突き動かされるようにして生きる、あらわな女の姿。女性の性を撮り続けてきた吉田浩太監督の、彼もまた覚悟したのだろう、気迫の演出で瀬戸さおりが光った。
■角田ルミ(脚本家・演出家)
『また吉田浩太監督の作品にやられてしまった…!』男のカッコ悪さを最高にかっこよく、女の歪みを最高に美しく魅せる…究極にストライクゾーンが狭い私のど真ん中…それが吉田浩太監督の映画!こんなに酷い奴に共感してしまう……あぁ、私ってば嫌な奴!登場人物の歪さが理屈抜きで全部自分に返ってくる体験!吉田浩太監督は日本のダーレン・アロノフスキー(『ブラックスワン』)!観終わった後、是非、こてんぱんに疲れてください!
■鈴木太一(映画監督)
主人公の女は自分勝手でどうしようもないクソ女だ。現実でこんな女は御免だが、映画のなかの彼女はとても儚く愛しかった。自分が映画という表現と、女という生き物が好きな理由を背中から突き刺された気分だ。
『愛の病』
2018年1月6日(土)シネマート新宿ほか公開
監督:吉田浩太
出演:瀬戸さおり 岡山天音 八木将康 山田真歩 佐々木心音 黒石高大 藤田朋子
配給:AMGエンタテインメント
【ストーリー】 生活費を稼ぐため、出会い系サイトのサクラとして働き始めたエミコ(瀬戸さおり)は、工員の真之助(岡山天音)に目をつけ、金を貢がせることを思いつく。エミコに入れ込んでいた真之助を騙すのは容易く、「私はヤクザの組長の娘。組長に結婚を認めてもらうには組への登録料が必要」などと騙し、大金を毟りとる日々を過ごしていた。ある日、エミコは、解体作業員のアキラ(八木将康)と出会い一目惚れ。デートを重ね、交際を迫るが、アキラには重度障害の姉・香澄(山田真歩)がいることを知る。香澄の存在に煩わしさを感じ、いっそ殺してしまいたいと思ったエミコが連絡した先は、真之助であった…。
(C)2017「愛の病」製作委員会