ニコラス・ケイジがカザフスタンの映画祭に出席し、カザフの独裁政治に加担していると人権財団から非難される!

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The Hollywood Reporter

『コン・エアー』(1997)や『フェイス/オフ』(1998)などで知られ、現在公開中の映画『キング・ホステージ』に出演するニコラス・ケイジは、カザフスタンの首都アスタナで開催されたユーラシア国際映画祭に参加した。そこでケイジは、カザフスタンの伝統的な衣装を着て写真を撮影し、それがSNSで拡散されるが、人権財団にケイジはカザフスタンの独裁政治に加担していると非難されてしまった。The Hollywood Reporterが伝えている。

話題となっている写真には、全身を覆うほどのコートと毛皮のハットを身に着けたケイジと映画祭の代表者が写っている。イベントに特別ゲストとして出席したケイジは、「カザフスタンで映画の撮影が行われたら喜んで参加したい。カザフスタンの都市の構造はおもしろいよ。僕が目にしたところは、未来を描いた昔のモノクロ映画を思い出させるね」と述べた。

しかし、人権財団の代表ソー・ハルヴォルセンは、ケイジのカザフスタン訪問に噛みついた。人権財団によると、映画祭はカザフスタンの文部省が大統領の財団と提携して開催したようで、「ケイジの訪問は、カザフスタンの独裁者にとって十分なPRになった。彼の写真はインターネット上で政権の知名度を上昇させた」と述べた。

カザフスタンは、ヌルスルタン・ナザルバエフ大統領による独裁政治が26年間続いており、人権財団は、政府がメディアを抑圧し、ジャーナリストや映画監督など体制に批判的な人々を不当に逮捕していると主張する。

「ケイジは、残忍な暴君役をホワイトウォッシング(映画で白人以外の役に白人俳優が起用されること)によって得ることを屈辱に感じるべきである」とハルヴォルセンは非難する。

人権財団のアレックス・グラッドスタインは、「ケイジと彼の広報担当者たちは、ネットでこの国について軽く調べて、“カザフスタンは残虐な独裁者に支配されている”とわかったはずだ。ケイジは明らかに気づいているだろう。彼はそのことを気にしていないのだろうか?」と述べた。

さらに、グラッドスタインは、「セレブは人権問題に重要な役割を果たしている。特に、表現の自由が脅かされているカザフスタンのような国では。ニコラス・ケイジのようなロールモデルが独裁者の肩を持つことは大きな失望であり、ハリウッドスターが人権に対して無関心であるということを示している」と非難した。