84歳の身体で“歩く”という表現 川村浪子の人生に迫るドキュメンタリー公開決定

84歳のパフォーマー・川村浪子の表現と人生に迫るドキュメンタリー映画『ゆっくり あるく 川村浪子、84歳のダンス』が、6月13日(土)よりポレポレ東中野にて公開されることが決定。あわせてポスタービジュアルと予告編が解禁された。

本作は、舞踊に人生を捧げてきた川村浪子の歩みと、その身体表現の核心に迫る作品。幼少期からダンスに親しみ、1970年代以降は自然の中での知覚体験や歩行を通じて独自の表現を模索してきた川村は、1982年にアメリカで現代舞踏の先駆者アンナ・ハルプリンのワークショップに参加。「からだ」による表現の可能性に目覚めたことをきっかけに、自らのダンスであり“行為”でもある「ゆっくり あるく」という表現へとたどり着く。

その表現は、裸体でただ歩くという極限まで削ぎ落とされたもの。舞踊であると同時に生き方そのものでもあるこの行為は、川村自身の人生と密接に結びつき、長年にわたり続けられてきた。

映画では、2021年に沖縄を訪れた川村の姿を中心に描写。今帰仁村の海岸で行われたパフォーマンスやインタビューを通じて、戦争の記憶が刻まれた土地の時間と向き合いながら踊り続ける一人の表現者の姿が浮かび上がる。

監督を務めるのは、黒沢美香や川口隆夫らの映像作品を手がけてきた崟利子。かねてより川村の映画化を望んでいた監督が、その孤高の存在に真正面から向き合う。また、予告編は『セノーテ』『Underground アンダーグラウンド』などで知られる映画作家・小田香が担当。作品本編の独特なリズムを損なうことなく、川村浪子という存在の強度を印象づける映像に仕上がっている。

ポスタービジュアルには、沖縄の大木を背景に佇む川村の横顔と、「いろんなことをやったけど、歩くだけになったの」という言葉が配置され、長い人生の果てに辿り着いた表現の本質を象徴するビジュアルとなっている。

84歳という年齢に至ってなお、「歩く」ことで世界と向き合い続ける川村浪子。その身体と記憶、そして土地と時間が交差する本作は、表現とは何か、人が生きるとは何かを静かに問いかける一作となっている。

▼予告編

■作品情報
作品名:『ゆっくり あるく 川村浪子、84歳のダンス』
出演:川村浪子、大熊啓、田辺知美
監督・撮影・編集:崟利子
プロデューサー:高橋章代、崟利子
整音:ウエヤマトモコ
制作進行:加藤初代、若井真木子
製作:HERE & THERE
配給:アカリノ映画舎
作品:2022年/91分/日本/ドキュメンタリー
公開日:2024年6月13日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー

©HERE&THERE