2025年アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされ、世界30以上の映画祭で最優秀賞や観客賞を受賞した話題作『叛逆のサウンドトラック』が、8月7日(金)より全国順次公開されることが決定した。

本作は、すべてアーカイブ映像によって構成されたドキュメンタリーであり、ジャズと政治が交錯する激動の時代を描き出す“映像詩”ともいえる一作だ。物語の舞台となるのは、1960年代初頭。アフリカ諸国が次々と独立を果たし、世界が「脱植民地化」という大きな転換期を迎えた時代である。
1961年、歌手アビー・リンカーンとドラマーのマックス・ローチらが、コンゴの首相パトリス・ルムンバ暗殺に抗議するため国連安全保障理事会へ突入。この衝撃的な出来事を起点に、映画は冷戦下の国際政治とアフリカの独立運動、そしてアメリカの“ジャズ外交”の裏側へと迫っていく。
当時、アメリカはルイ・アームストロングらを“親善大使”としてアフリカへ派遣する一方で、CIA主導によるクーデターが進行していた。民主的指導者ルムンバは暗殺され、その出来事はマルコムXらの人権闘争とも結びついていく。ジャズミュージシャンたちは、祖国での差別と向き合いながら「誰のために演奏するのか」という葛藤を抱え続けていた。
本作は、こうした歴史の裏側を、音楽と政治の共鳴として描写。女性解放運動の先駆者アンドレ・ブルアン、国連外交官コナー・クルーズ・オブライエン、作家イン・コリ・ジャン・ボファン、そしてソ連指導者ニキータ・フルシチョフといった複数の視点から、多層的に物語が紡がれていく。
単なる歴史ドキュメンタリーにとどまらず、ジャズのリズムとともに進行する本作は、“音楽そのものが政治的行為である”ことを強烈に体感させる。冷戦、植民地支配、人種問題といった複雑なテーマを、圧倒的な熱量と編集で描き切った、かつてない映画体験となっている。

■作品情報
『叛逆のサウンドトラック』
公開日:2026年8月7日(金)よりBunkamuraル・シネマ渋谷宮下、シネスイッチ銀座、UPLINK吉祥寺ほか全国順次公開
監督・脚本:ヨハン・グリモンプレ
製作:ダーン・ミリウス、レミ・グレレティ
出演:ルイ・アームストロング、ディジー・ガレスピー、アビー・リンカーン、マックス・ローチ、ニーナ・シモン、ミリアム・マケバ、ジョン・コルトレーン、デューク・エリントン ほか
作品データ:2024年/ベルギー・フランス・オランダ/156分/原題:Soundtrack to a Coup d’Etat/日本語字幕:山口三平
配給:オンリー・ハーツ
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