「最後の最後まで観ると本当の真実が浮かび上がる」西島秀俊が語る“禁断の物語”の核心

“イヤミスの女王”湊かなえの同名小説を原作にしたドラマシリーズ『人間標本』の配信開始を記念したプレミアイベントが、12月18日に開催された。会場には約400名の観客と多くの報道陣が詰めかけ、耽美と狂気が交錯する作品世界さながらの、幻想的な空気に包まれた一夜となった。

会場には“世界で最も美しい蝶”と称されるレテノールモルフォをイメージしたブルーカーペットが敷き詰められ、作中に登場する蝶の巨大な“標本”が立ち並ぶ圧巻の演出。レーザーで投影された一匹の蝶が舞うなか、市川染五郎、宮沢りえ、伊東蒼をはじめ、荒木飛羽、山中柔太朗、黒崎煌代、松本怜生、秋谷郁甫、原作者の湊かなえ、廣木隆一監督ら豪華キャスト・スタッフが登壇すると、場内のボルテージは一気に最高潮へと達した。

イベント冒頭、市川染五郎は「やっとこの日が来たという気持ちで、ワクワクとドキドキが入り混じっています。今日はぜひ楽しんでください」と感謝を込めて挨拶。宮沢りえも「こんなに温かく迎えていただけて本当に嬉しいです。大きなスクリーンで観られる貴重な機会なので、ぜひ楽しんでほしい」と笑顔で語り、伊東蒼は「一度観たら、すぐにもう一度観たくなる作品。皆さんの感想を聞くのが楽しみです」と期待を滲ませた。

染五郎は、父・榊史朗役を演じた西島秀俊との初の親子共演についても言及。「西島さんが本当に自然体で“父親”として存在してくださったので、僕も自然と“息子”になれた。作中では語られない親子の時間や距離感まで感じられるような関係性を築けたのは、西島さんのおかげ」と、深い信頼を明かした。

脚本を読んだ瞬間に出演を決意したという宮沢は、「湊先生、廣木監督、西島さんのお名前を見ただけで“やりたい”と思いました。留美という役は特殊な才能を持つ天才画家で、演じられて本当に幸せ」と語る。9年ぶりの共演となった伊東蒼についても「積み重ねてきたものが自然と芝居に表れていた」と称え、現場での強い絆を感じさせた。

原作者の湊かなえは「今日は原作者ではなく、ドラマ『人間標本』の応援団長として来ました」と会場を和ませつつ、「誰も見たことのない作品になった。“面白い”と言ってもらえることが何より嬉しい」と映像化への自信を語る。廣木隆一監督も「いくつもの視点で楽しめる湊作品の魅力が、映像としてしっかり立ち上がった」と手応えをにじませた。

イベント終盤にはサプライズとして、ロンドン滞在中の西島秀俊が生中継で登場。「イベントに参加できずごめんなさい。でも会場の熱気はしっかり伝わってきます」と詫びつつ、「『人間標本』は“殺人の告白”から始まる物語。複数の視点が交錯するなかで、最後のカットまで観ていただくと、本当の真実が浮かび上がる。人間の業や愛が見えてくる作品です」と、物語の核心を力強くアピールした。さらに「宮沢さんが実際に描いた絵が、留美の作品として本編に登場しているので、ぜひ探してみてください」と明かし、会場を沸かせた。

最後は市川染五郎が「観るたびに発見がある作品。登場人物の数だけ周回して、何度も楽しんでほしい」と締めくくり、観客とともに声を合わせてフォトセッション。幻想的な蝶の演出と拍手に包まれ、プレミアイベントは大盛況のうちに幕を閉じた。 

■作品情報
タイトル:『人間標本』
配信:Prime Video
配信開始日:2025年12月19日(金)より世界独占配信中
話数:全5話(※一挙配信)
出演:西島秀俊、市川染五郎、宮沢りえ、伊東蒼、荒木飛羽、山中柔太朗、黒崎煌代、松本怜生、秋谷郁甫 ほか
原作:湊かなえ『人間標本』(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:廣木隆一
美術監修・アートディレクター:清川あさみ
主題歌:mono²「愛情」

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