原田龍二「一蓮托生で頑張ろうと決めた」『ハオト』公開記念舞台挨拶

太平洋戦争末期の東京郊外にある精神病院を舞台に、外界の狂気と人間の尊厳を描く映画『ハオト』の公開記念舞台挨拶が、8月9日(土)に池袋シネマ・ロサで開催されました。舞台挨拶には主演の原田龍二、高島礼子、三浦浩一、金城大和、石田隼、マイケル富岡、そして丈監督が登壇し、撮影の裏話や作品に込めた思いを語りました。

元エリート海軍兵・水越を演じた原田龍二は、丈監督から撮影の1年前に直接オファーを受けた際のエピソードを披露。「『この作品で勝負をかけたい』という言葉に胸を打たれ、一蓮托生で頑張ろうと即決しました」と振り返りました。

また、特攻隊員として出撃前の弟・正和(石田隼)との涙の別れのシーンについては、「当日が初対面でしたが、軍服姿の石田くんを見た瞬間、このシーンはうまくいくと直感しました。あれは演技というより、感情が自然に流れ込んできた場面でした」と語り、当時の緊張感と余韻をしみじみと回想しました。

【共演陣が語る撮影秘話】
高島礼子(貝瀬婦長役)
「台本を読んだだけで涙が出ました。二人の集中力に圧倒され、言葉を発することもできないほどでした」と、兄弟の別れの場面を振り返りました。また、ユーモアのある場面についても「笑いを堪えるのが大変でしたが、出演者の作品への思いがひしひしと伝わってきました」と語りました。
石田隼(正和役)
「役者としてではなく、弟として挨拶をした感覚でした。原田さんの存在に身も心も預け、全力でぶつかることができました」と感謝を述べました。
三浦浩一(閣下役)
「正義の名のもとに人を殺す狂気を、忘れてはいけないと改めて感じます。『ハオト』は僕の代表作です」と力強くコメント。
金城大和(田中役)
沖縄出身としての思いを込め、「戦後80年という節目に、この映画が持つ意義は大きい」と語りました。
マイケル富岡(ロモフ役)
日米双方の視点を持つ立場から、「多くの“スーパー仲介人”が世界を救ってくれることを願う」とメッセージを送りました。

■作品情報
『ハオト』
池袋シネマ・ロサほかにて公開中
出演:原田龍二、長谷川朝晴、木之元亮、倉野尾成美、村山彩希、三浦浩一、二瓶鮫一、植松洋、マイケル富岡、金城大和、バーンズ勇気、石田隼、清水一光、栩野幸知、好野雅彦、大原誠弍、河原健二、宗林咲智、丈、崔哲浩(友情出演)、片岡鶴太郎(特別出演)、高島礼子
監督・脚本・プロデューサー:丈
配給:渋谷プロダクション
製作:JOE Company
2025/日本語/STEREO/アメリカンビスタ/117分

ストーリー:初夏のある日、90歳を超えた老人が警察署を訪れ、「人を殺した」と告白。物語は太平洋戦争末期の特殊機密施設へと遡り、海軍将校・蓬が和平交渉を進めるために奔走する姿を描く。外界では特攻隊員が命を賭して戦う中、未来へ放たれる白い伝書鳩が何を伝えるのか――。

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