人口57万人、有権者数47万人という規模の区長選にも関わらず、わずか187票差で決着した2022年杉並区長選挙に立候補し現職を破った岸本聡子と彼女を草の根で支えた住民たちに密着したドキュメンタリー『映画 ○月○日、区長になる女。』が、2024年1月2日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルが披露された。
監督は杉並区在住の劇作家・演出家ぺヤンヌマキ。彼女が長年住むアパートが道路拡張計画により立ち退きの危機にあること知り、止める方法を自身で調べ動き始めたのが本作制作のきっかけとなる。
監督自身が地域問題の当事者となり、今まで無縁の世界だった選挙、政治の世界へカメラ片手に飛び込み、住民たちと連携し、学び悩む記録でもあり、それ以上に候補者と支援者たちと悩み考えぶつかりながら、合意形成のため対話を積み重ねていくリアルなやり取りが数多く記録されている。
主題歌は、杉並区民が作った応援歌「ミュニシパリズム」を、黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)がカバーした「黒猫同盟のミュニシパリズム」。「ミュニシパリズム」とは、地域に根付いた自治的な民主主義や合意形成を重視する考え方で、本作の重要なテーマとなっている。
■ペヤンヌマキ(監督) コメント
こんにちは、杉並区に住んで20年になるペヤンヌマキです。私が住んでいる閑静な住宅街に大きな道路を通す計画があることを知りました。計画が進むと私の家は立ち退きになってしまいます。自分のことに精一杯で社会問題のことなんてちっとも考えてこなかった私ですが、自分の住まいが奪われる危機に直面して初めて、政治や選挙が私たちの生活につながっていることに気づきました。そして・・・カメラを回し始めました。投票率を少しでも上げるために。本当は、猫とまったりお昼寝したり、お気に入りの川沿いを散歩してバードウォッチングを楽しんだりしていたかっただけなんです。だけど黙っていたら、この生活が奪われてしまう。もう黙っちゃいられない!これは現在私に起きていることであり、杉並区で起きていることであり、どこでも誰にでも起こりうること。
■大島新(ドキュメンタリー監督) 応援コメント
とてつもなく魅力的な被写体(岸本聡子さんはもちろん、住民のみなさんも!)、起きていることの劇的さ、監督の志と手腕…三拍子揃いまくった圧巻のドキュメンタリー。絶望的な政治状況の中で、「市民の力で社会を変えることができる」ことを教えてくれる“希望の映画”である!
『映画 ◯月◯日、区長になる女。』
2024年1月2日よりポレポレ東中野にてロードショー
監督:ペヤンヌマキ
主題歌:黒猫同盟「黒猫同盟のミュニシパリズム」
配給:映画 ◯月◯日、区長になる女。製作委員会
【作品概要】 東京都杉並区。57万人が暮らす緑豊かな街で行政主導の再開発、道路拡張、施設再編計画が進んでいた。そんな状況のなか迎えた2022年杉並区長選挙。住民たちは、ひとりの候補者を擁立する。ヨーロッパに暮らし、NGO職員として世界の自治体における「公共の再生」を調査してきた岸本聡子だ。しかし相手は3期12年続く現職区長。しかも岸本が日本に帰国したのは投票日2ヶ月前、さてどうする?
©2024 映画 ◯月◯日、区長になる女。製作委員会