ドラッグの運び屋をする少年と少女の運命は?『トリとロキタ』ショート予告編

2度のパルムドール大賞受賞をはじめ、世界中で90賞以上もの映画賞を受賞しているベルギーの名匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作『トリとロキタ』が2023年3月31日より公開される。このほど、ショート予告編と場面写真がお披露目となった。

少年トリと少女ロキタはアフリカからベルギーへ流れ着いたふたりの偽姉弟。ドラッグの運び屋をしているが、ビザを得るため、さらに危険な仕事に手を染める。新天地を目指す途中で出会ったふたりを追い詰めるのは麻薬か、闇組織か、それとも……。

ショート予告編では、トリとロキタの2人がドラッグの運び屋としてお金を稼ぐ姿や、ロキタが目隠しをして連れていかれる姿が映し出されている。「ビザがあれば働けるのに」と嘆くロキタと「僕が守る」とロキタに寄り添うトリ。「2人に生き抜く道はあるのだろうか」というナレーションと共に、過酷な運命に直面し互いを思いやる絆が引き裂かれていくスリリングな展開を想像させる映像となっている。

これまでも『イゴールの約束』(96)、『ロゼッタ』(99)、『息子のまなざし』(02)、『少年と自転車』(11)など、少年少女と社会との関わりを丁寧な作劇と演出で描き出してきたダルデンヌ兄弟。本作ではトリとロキタの互いを思いやる揺るぎない友情と、2人を取り巻く容赦ない現実を絶妙なバランスで表現している。ダルデンヌ兄弟は本作の制作するにあたり、「このふたりの若い亡命者とその揺るぎない友情に深い共感を覚えた観客が、映画を見終えた後で、私たちの社会に蔓延する不正義に反旗を翻す気持ちになってくれたら。それが、私たちの願いです」とコメントしている。

場面写真は、トリとロキタが仲睦まじく歌うシーン、トリがロキタの手を握り励ますシーン、2人をドラッグの運び屋として雇っているシェフ・ベティムとの金銭のやり取りを捉えたシーンなど計10枚。果たして写真に映る大人たちは2人にとっての味方になりうるのか…。

『トリとロキタ』
2023年3月31日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国順次ロードショー
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ 
出演:パブロ・シルズ ジョエリー・ムブンドゥ アウバン・ウカイ ティヒメン・フーファールツ シャルロット・デ・ブライネ ナデージュ・エドラオゴ マルク・ジンガ
配給:ビターズ・エンド

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