『天空の城ラピュタ』ムスカ大佐の声優で知られる寺田農の36年ぶりの主演作、そして隆大介の遺作で、武田信玄の父であり、甲府を開府した信虎の晩年を描いた映画『信虎』が、11月12日より公開される。このほど、2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の脚本家・三谷幸喜より本作を絶賛するコメントが寄せられた。
戦国の名将・武田信玄の父・信虎は、信玄によって追放され、駿河を経て京に住み、足利将軍の奉公衆となる。追放より30年の時が流れた元亀4年(1573)、信玄が危篤に陥ったことを知った信虎は、再び武田家にて復権するため甲斐への帰国を試みるも、信濃において勝頼とその寵臣に阻まれる。信虎は、信長との決戦にはやる勝頼の暴走を止められるのか。齢80の「虎」が、武田家存続のため最後の知略を巡らせる…。
■三谷幸喜 コメント
「大河ドラマとは、全く違う戦国がそこにあった!」感想はこれに尽きます。メイクも美術も衣装も、とても新鮮でした。戦のシーンも、斬られる痛さや怖さが伝わって来て、ドキドキしました。いちばんかわいそうなのは、あのよく食べる少年。調べてみたら、本当にあんな感じだったんですね。
『信虎』
10月22日(金)より、TOHOシネマズ 甲府にて先行公開中
11月12日(金)より、TOHOシネマズ 日本橋・梅田ほか全国公開
監督:金子修介
共同監督・脚本:宮下玄覇
音楽:池辺晋一郎
出演:寺田農 谷村美月 矢野聖人 荒井敦史 榎木孝明 永島敏行 渡辺裕之 隆大介 石垣佑磨 杉浦太陽 葛山信吾 嘉門タツオ 左伴彩佳(AKB48) 柏原収史 伊藤洋三郎 川野太郎 螢雪次朗 安藤一夫 堀内正美 永倉大輔 井田國彦 橋本一郎 剛たつひと 西川可奈子 鳥越壮真 北岡龍貴 外波山文明 水島涼太 大八木凱斗 井藤瞬 森本のぶ 奥山眞佐子 小堀正博
配給:彩プロ
【ストーリー】 元禄14年(1701)、甲斐武田家の一族で、五代将軍徳川綱吉の側用人・柳澤保明(後の吉保、柏原収史)は、四男坊・横手伊織(鳥越壮真)に、祖父と交流のあった武田信虎入道(寺田農)の晩年の活躍を語る。信虎は息子・信玄(永島敏行)に甲斐国を追放された後、駿河を経て京で足利将軍に仕えていた。元亀4年(1573)、すでに80歳になっていた信虎は、信長包囲網を形成し上洛を開始した信玄の上洛を心待ちにしていたが、信玄が危篤に陥り、武田軍が兵を引いたことを知る。甲斐国の国主に返り咲く好機と考えた信虎は、家老の土屋伝助(隆大介)と清水式部丞(伊藤洋三郎)、末娘のお直(谷村美月)、側近の黒川新助(矢野聖人)、海賊衆、透破(忍者)、愛猿・勿来(なこそ)などを伴い、祖国・甲斐への帰国を目指す。途中、美濃での激しい合戦を乗り越えて、やっとの思いで信濃高遠城にたどり着いた信虎は、六男・武田逍遥軒(永島敏行・二役)に甲斐入国を拒まれる。信玄が他界し、勝頼が当主の座についたことを知った信虎は、勝頼(荒井敦史)との面会を切望する。そして3カ月後、ついに勝頼が高遠城に姿を現す。勝頼をはじめ、信虎の子・逍遥軒と一条信龍(杉浦太陽)、勝頼の取次役・跡部勝資(安藤一夫)と長坂釣閑斎(堀内正美)、信玄が育てた宿老たち、山県昌景(葛山信吾)・馬場信春(永倉大輔)・内藤昌秀(井田國彦)・春日弾正(川野太郎)が一堂に会することになる。信虎は居並ぶ宿老たちに、自分が国主に返り咲くことが武田家を存続させる道であることを説くが、織田との決戦にはやる勝頼と、跡部・長坂ら寵臣に却下される。これが『甲陽軍鑑』に描かれた名場面である。自らの無力さを思い知らされた信虎は、かつて信直(石垣佑磨)と名乗っていた頃に、身延山久遠寺の日伝上人(螢雪次朗)から言われたことを思い出し、仏門に帰依する。その後、信虎は上杉謙信(榎木孝明)・北条国王(氏直)らに後事を託し、娘のお直とお弌(左伴彩佳)や旧臣・孕石源右衛門尉(剛たつひと)たちに看取られて大往生を遂げる。その後、勝頼の失政が続き、天正10年(1582)、織田信長(渡辺裕之)による武田攻めによって一門の木曽義昌ほか穴山信君(橋本一郎)が謀叛を起こし、勝頼は討死、妻の北の方(西川可奈子)も殉じ、武田家は滅亡する。以前、武田家臣・安左衛門尉(嘉門タツオ)が受けた神託が現実のものとなった。その時から信虎の秘策が次々と奇跡を起こす。信虎に翻弄された娘・お直や家臣たちの運命はいかに…。
©ミヤオビピクチャーズ