東出昌大「子どもには僕みたいな人間になって欲しくない」心の病の治療のために走り続ける!『草の響き』予告編&ポスタービジュアル

夭折の小説家、佐藤泰志が1982年に発表した本格的な文壇デビュー作を、東出昌大主演で佐藤泰志の没後30年記念作品として製作した『草の響き』が、10月8日より公開される。このほど、本作の予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。

本作は、心に失調をきたし、妻と二人で故郷の函館へ戻ってきた主人公・工藤和雄が、治療のため街を走り始め、やがて平穏を見出していく物語。

予告編は、両腕を抱えてうずくまる和雄(東出昌大)のシーンから始まる。どこにも行くことができずに悲痛な表情の和雄だが、精神科の医師(室井滋)に勧められて、治療のため街を走り始める。朝も夜もとにかく走り続けるカットが続くなか、「狂ったように走ってるんだから」という妻・純子(奈緒)に対して「狂わないように走ってるんだよ」と告げるセリフが印象的だ。また、和雄と純子、そして友人の研二(大東駿介)がベランダで空を見上げる場面では、生まれてくる子どものための洋服が干されているのが分かる。続けて「自分の子どもには、僕みたいな人間になって欲しくない」という和雄の辛い独白。そして和雄をじっと見つめる純子と、それを苦しそうに見つめ返す和雄のクローズアップが続く。ラストには、和雄が服を脱ぎ捨て、フェンスを軽々と超え、裸足で草の上に降り立つ足のアップで映像は幕を閉じる。「良くなりたい」と願いひたすらに走り続ける和雄、子どもを宿し和雄の回復を待つ純子が、果たしてどのような結末を迎えるのか?

ポスタービジュアルには、予告編冒頭と同じく和雄がしゃがみ込む姿がメインに、下段には、純子が北海道の海をバックに、愛犬ニコと車を走らせているカットが配置される。「心の震えを感じながら、僕たちは、駆けだそうとしている」というキャッチコピーも添えられ、不安を抱えたこの夫婦がどこに向かうのか期待が高まる。

『草の響き』
10月8日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国順次公開
監督:斎藤久志
原作:佐藤泰志「草の響き」
脚本:加瀬仁美
出演:東出昌大 奈緒 大東駿介 Kaya 林裕太 三根有葵 利重剛 クノ真季子 室井滋
配給:コピアポア・フィルム

【ストーリー】 心に失調をきたし、妻とふたりで故郷函館へ戻ってきた和雄(東出昌大)。病院の精神科を訪れた彼は、医師に勧められるまま、治療のため街を走り始める。雨の日も、真夏の日も、ひたすら同じ道を走り、記録をつける。そのくりかえしのなかで、和雄の心はやがて平穏を見出していく。そんななか、彼は路上で出会った若者たちとふしぎな交流を持ち始めるが…。

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