2018年秋に、台湾で同姓婚を巡る是非の国民投票が行われた中で公開され話題となった映画『バオバオ フツウの家族』が、9月28日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。
本作は、ウェイ・ダーション、トム・リン、ヤン・ヤーチェら、今や時代を牽引する監督たちを輩出した、台湾で新人登竜門として一番大きな脚本賞のコンペから生まれ映画化。2組の同性カップル4人が協力して、「赤ちゃんが欲しい!」と妊活をし、家族になるさまをつづる。
▼著名人 絶賛コメント
■YOU(タレント)
映像もとても美しく、主題の重さだけじゃない、作品としての面白味がたくさん詰まった映画である事が、とても好きでした。愛する人達が皆誰かを愛して、家族になってゆく、愛の物語。ちゃんと愛してる?と問われるようで、ドキドキして、眩しいようでした。ありがとう。世界中の人にたくさん観てもらえますように!!
■ミッツ・マングローブ(歌手・タレント)
幸福や願望は、思い描きすぎないほうがいい。だけど、自分で何かを選んでゼロになるのと、最初から選ぶ余地がゼロなのとでは、傍目からは同じに見えても意味が全然違う。
■東ちづる(女優・社団法人Get in touch代表)
愛する気持ちは変わらないのに、愛し方は変わっていく。家族になりたい、親に認めてほしい、相手を守りたい、将来を安定させたい…。そんな願いが絡み合って、不安が募り、やがて傷つけあってしまう。4人の誰の立場で観ても、胸がギュッとなる。誰も悪くない、誰も。みんな真摯に生きようとしているだけ。何がエゴで、どこまでが愛なのか…。観賞後にたくさん対話したくなる映画だ。
■渡辺真起子(俳優)
私の幸せが、誰か他の人にとっての幸せに続いていて、その逆も当たり前にそうあってほしいと願う。幸せのあり方は様々でいい。未来の私の幸せやあなたの幸せが、いったいどんな様子なのか、私はちゃんと望みたい。バオバオは、そういう事を考えるのにいい広場だと思えた。そして、台湾でのアジア初の同性婚合法化おめでとうございます!
■ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン・美術家)
複雑な編集方法は、生まれてきた子供が大人になるまでの間に聞かされた断片的な物語の再構成。一人の人間が生まれ出ずるまでには様々な物語が絡み合っている。語られない個人の歴史たちを救済する物語。
■桜沢エリカ(漫画家)
コスモポリタンたちは国境のみならず、性差も軽々と超えていく。同じアジアの物語なのに、台湾のこの自由な空気感はかなり刺激的!愛のかたちも家族のあり方もいろいろあって良いのだと、あらためて感じ入りました。
■牧村朝子(文筆家)
一人が怖くて、二人になって。二人になれずに、一人さまよう。星の数ほどありふれた孤独たちを、ただ包む。この映画は、そんな宇宙。
■渡辺万美(プレイメイト)
涙がでました。理解しようとするんではなくて、それはすごいシンプルなこと。人を愛すること。誰にも止められないし誰にも止める権利はない。ただ、ストレートの人間はこの世界を知ろうとしない。知らなくていいと思っている。そんなのはおかしなことだ、この映画は素晴らしいしわかりやすい。沢山の人に観て欲しい。そして知ってほしい。
■UMMMI.(映画監督・アーティスト)
一度(本当の)愛がはじまってしまったら、どんな困難や問題が待っていてもそれが終わることはない、という当たり前のことに改めて気づかせてくれる映画だった。年齢や性別が存在したり存在しなかったり揺れ動いたりする世界に生まれたからこそ、色んなことが可能になったり難しくなったり、あるいは普通だったら出会えないような美しい奇跡に出会えたりする。アタシたちは全てのことなんて到底わかりえない世界のなかで、わからないなりに、目の前の愛する人を通してまだ知らないことについてちょっとずつ学んでいくことができるのだ。
■ブルボンヌ(女装パフォーマー)
シビアな問題だけに、主人公たちのイラっと行動多発…。でもティムとタイが可愛すぎいい子すぎてヤバい♡ちょっと笑えちゃう精子提供シーン、アタシの周りのカップルたちも実際にトライしてるんです。まさに「今」の子作り問題!
■滝沢ななえ(パーソナルトレーナー・元バレボール選手)
この映画を見てLGBTの家族の在り方を改めて考える事ができました。いろんな家族の形があって良いんだなと多様性を伝えてくれている素敵な映画だと思います!
■かずえちゃん(YouTuber)
「言葉」で表現したくない。すごく大きな愛に包まれた作品でした。
■PELI(DJ・デザイナー)
相手のためにと思えば思うほど、空回りする様が歯がゆい…。続編も見てみたい映画。
■エルビアンTV(Reyan&U)(YouTuber)
レズビアン・ゲイの2組のカップルによる妊活という同じ目標の中で複雑化される事柄がとてもリアルで刺激をもらいました。当事者人生を理解する一歩になる映画だと思いました。
■杉山文野(トランスジェンダー・活動家)
好きな人と子を持つ、こんなシンプルな営みにどれだけのハードルがあるのか。でも、その壁を越えた先に見えた景色は、希望しかなかった。
■名取寛人(NY「トロカデロバレエ団」元ダンサー・バレエスタジオ経営・舞台制作)
当事者の思いやその周りの人達の事が描かれていて、重くなく、泣けて笑える映画でした。この作品は当事者だけではなく、すべての人が感動する映画です。
■矢吹春奈(女優)
美しい映像と共に進むストーリーは、キャラクター達の抱える思いと、それが思い通りにならないフラストレーションがダイレクトに伝わるよい作品でした。中でも同性愛者に対してのケアレスがまだまだ感じられる世の中の描写があったので、早く皆が住みよい世界になればいいなと思いました。
■よしひろまさみち(映画ライター)
子供をめぐる同性カップルの作品は数あれど、これが今の台湾で作られたことが最大のポイント。よそ様と違ってることがフツウと受けとめられない心を鎖国している方ほど観るべきよ。だってもう令和。
■マーガレット(ホモ本ブックカフェ「オカマルト」店主・ドラァグクイーン)
荒唐無稽。絵空事。夢物語。でも、夢見ることさえできなければ、夢を叶えることは出来っこしない。台湾発のちょっぴりビターな夢物語。本当は、なんでもかんでも手に入れられることより、手に入らなくても幸せを感じられる人生こそが大切なんだけどね。
『バオバオ フツウの家族』
9月28日、新宿K’s cinemaほか順次公開
監督:シエ・グアンチェン
出演:エミー・レイズ クー・ファンルー カゲヤマユキヒコ ツァイ・リーユン ヤン・ズーイ
配給:オンリー・ハーツ GOLD FINGER
【ストーリー】 「赤ちゃんが欲しい」と、ロンドンに住む二組の同性カップルが協力して妊活を始める。双子を妊娠したシンディ(エミー・レイズ)は、ひとりロンドンから台湾に戻る。不安と悲しみに満ちた彼女が頼ったのは幼馴染の警官タイ(ヤン・ズーイ)。かねてよりシンディを密かに思っていたタイは、理由も聞かずに自分がお腹の子の父になると言うのだが、シンディの心は癒されない。子供を持って家庭を築きたいと願うシンディとジョアン(クー・ファンルー)がようやく待望の子宝に恵まれたのに、なぜ彼女はひとりで帰国したのか…。
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