塚本晋也が盟友ギャスパー・ノエ新作を絶賛!『CLIMAX クライマックス』予告編&第2弾ポスタービジュアル

第71回カンヌ国際映画祭「監督週間」で初上映され、賛否が真っ二つに分かれた中で「国際アート・シアター連盟賞」を受賞した、ギャスパー・ノエ監督作『CLIMAX クライマックス』が、11月1日より公開される。このほど、本作の予告編と第2弾ポスタービジュアルがお披露目となり、併せて、ノエ監督と親交が深い映画監督・塚本晋也より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

1996年のある夜、有名な振付家の呼びかけで選ばれた22人のダンサーたちが人里離れた建物に集まり、アメリカ公演のための最後のリハーサルをしている。激しいリハーサルを終え打ち上げパーティを始めたダンサーたちは、大きなボールに注がれたサングリアを浴びるように飲んでいた。しかし、そのサングリアにはLSD(ドラッグ)が混入しており、ダンサーたちは、次第に我を忘れトランス状態へと堕ちていく。エクスタシーを感じる者、暴力的になる者、発狂する者。一部の者にとっては楽園だがほとんどの者にとっては地獄の世界と化していくダンスフロア。一体誰が何の目的でサングリアにドラッグを入れたのか?そして、理性をなくした人間たちの狂った饗宴はどんな結末を迎えるのか?

予告編では、雪が降る山奥の廃墟のパーティーで“何か”が入ったサングリアを飲んだダンサーたちが、歓喜から徐々に狂乱へと変貌していく姿が映し出される。冒頭の「成功するために何でもする覚悟はある?」という意味深なインタビュー内容は、彼らにこれから起こる狂乱の一夜を連想させる。叫びだす者、排水管に抱きつく者、笑いながら自傷行為をする者…、逃げ出せない空間で次第に満ちていく狂気。70年代エレクトロミュージック(「Supernature」byセローン)に乗せて奇怪なダンスが入り混じり、堕ちていく者たちの視点で縦横無尽に反転するカメラに、視覚と聴覚が激しく弄ばれる映像となっている。

第2弾ポスタービジュアルには、トランス状態に堕ちたダンサーたちが、何かを求め踊り狂う姿が。別々の方向に向いた視線と伸ばした手は、彼らが巻き起こす収拾がつかない地獄絵図を予感させる。心理的恐怖と好奇心を掻き立てられる何とも異様なビジュアルとなった。

■塚本晋也(映画監督) コメント
ギャスパーがまたやってくれた。タイトル通りクライマックスに向かって振り切れている。恐怖を感じる。逃げ出したいくらいに。しかし、ギャスパーの完璧な映像感覚と音響感覚はいつも厳格で精密、卑俗と高尚が激突し、片時も目が離せない。そして背景にはギャスパーのいたずらっぽく笑う顔がいつも見え隠れする。海外に映画を持っていくようになったとき初めて会った監督が、ギャスパーだ。あれから30年近く経つのに、いつもギャスパーは純粋で自由だ。その自由さを見て、自分もまた、まだまだやってやる。と励まされるのだ。クライマックス。五感と肉体をフルに使わされる映画だ。

『CLIMAX クライマックス』
11月1日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開
監督・脚本:ギャスパー・ノエ
出演:ソフィア・ブテラ ロマン・ギレルミク スエリア・ヤクーブ キディ・スマイル
配給:キノフィルムズ 木下グループ

【ストーリー】 1996年のある夜、有名な振付家の呼びかけで選ばれた22人のダンサーたちが人里離れた建物に集まり、アメリカ公演のための最後のリハーサルをしている。公演前の最後の仕上げともいうべき激しいリハーサルを終え、打ち上げパーティを始めたダンサーたちは、爆音ミュージックに体を揺らしながら、大きなボールになみなみと注がれたサングリアを浴びるように飲んでいた。しかし、そのサングリアには LSD(ドラッグ)が混入しており、ダンサーたちは、次第に我を忘れトランス状態へと堕ちていく。一体誰が何の目的でサングリアにドラッグを入れたのか?そして、理性をなくした人間たちの狂った饗宴はどんな結末を迎えるのか…?

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