松本穂香、監督から「年下の従妹みたい」『おいしい家族』トークイベント付き特別試写会 レポート

小説「えん」が第40回すばる文学賞受賞、映像産業振興機構(VIPO)による若手映画作家育成プロジェクト(ndjc)2015選出など、文学・映像両才能を持ち合わせた新鋭作家ふくだももこの長編初監督作品で、松本穂香、板尾創路、浜野謙太の共演で贈る映画『おいしい家族』が、9月20日より公開される。このほど、7月31日に月島 ブロードメディア・スタジオ試写室にてトークイベント付き特別試写会が行われ、キャストの松本穂香、ふくだももこ監督が登壇した。

「たくさんのマスコミの方がいてドキドキしてます!女性限定試写会、今日は楽しんでください」と松本、「会場にもピンク髪の人がいらっしゃって驚きました(笑)。映画にもピンク髪のキャラクターが出てくるのですが、真似してくれたのかな?嬉しいです!」とふくだ監督が挨拶してスタート。お互いの印象について聞かれ、ふくだ監督は「『ひよっこ』で見つけて、おもろい顔やな~と(笑)。今の女優さんにいないタイプの女優さんで、きっとこの子が主人公の橙花をやってくれたら、私の想像を超えてくれると確信していました!だから、主演のオファーを受けてくれて嬉しかったし、結果期待以上の橙花になりました」と、松本は「気さくで、とてつもない才能に溢れている!監督の小説も読んだのですが、こんな素敵な文章を書けるのは凄いですし、取材などでもすぐ相手の懐に入りこんでしまう。良い意味で恐ろしい方です(笑)」と、お互い称賛し合った。

今では本当の家族のように仲の良い二人。最初は話が合うのか、不安もあったという。ふくだ監督は「松本さんは、家族から離れている役柄だから、現場では一人でいることが多かったんです。でも、映画祭などに一緒に行くうちに、たくさん喋るようになりました。ずっと喋ってるから、周りもヤキモキするくらい(笑)。今では年下の従妹みたいと思ってます!」と、会場の温かい笑いを誘った。

松本演じる橙花が実家に帰ると、お父さんが亡くなったお母さんの服を着て生活しているところから始まる本作。「そんな父を受け入れられるのか?」というイベントの事前アンケートに、お客さんの90%以上の人が「簡単には受け入れられない」と答えていた。アンケートを受けて松本は、「家族だからこそ最初は受け入れられないだろうけど、家族だからこそ受け入れられる。理由を知ってしまうと受け入れざるをえないと思います」と、ふくだ監督も「『橙花は反発するけど、心から反対したいわけではなく、自分の知らないうちに家族が変わってしまっている。そこに関われなかったことが寂しかったのでは?』と松本さんが取材で答えていて、そういう視点もあるのか!と思いました」と橙花の心情を語り合った。

新島で、ほぼ合宿状態で撮影された本作。松本は「浜野さんがアイスを差し入れてくれたのですが、ちょうど別作品のドラマに向けて洋菓子をやめることを心に決めていたんです!せっかくの先輩の差し入れを食べられなかったのは悲しかったです」と撮影現場での仲睦まじいエピソードも披露した。最後に「今、何かで迷われている方やモヤモヤを抱えている人も、何も考えず見て楽しんでいただき、よかったな~と思ってもらえると嬉しいです!」と松本、「私の思うユートピアを描いた映画です。この映画に出てくる人たちの優しさが見る人みんなに繋がってほしいです!ぜひぜひ応援してください」とふくだ監督が締めくくり、イベントは温かい空気に包まれ幕を閉じた。

『おいしい家族』
9月20日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
監督・脚本:ふくだももこ
主題歌:yonige「みたいなこと」
出演:松本穂香 板尾創路 浜野謙太 笠松将 モトーラ世理奈 三河悠冴 栁俊太郎
配給:日活

【ストーリー】 橙花(松本穂香)は東京で働くキャリアウーマン。母の三回忌に実家の離島に帰ると、なぜか父・青治(板尾創路)が母の服を着て生活していることを知る。びっくりする橙花を気にせず父は続けて「この人と家族になる」とお調子者の居候・和生(浜野謙太)を紹介。橙花は父を始め、様々な価値観や個性をもった人たちに出会うことで、自分が考える常識から解き放たれ、次第にそれぞれの個性を受け入れると共に、自分らしく生きることの大切さに気付いていく。

©2019「おいしい家族」製作委員会