群馬県前橋市と東京を舞台に、7人の若者達がそれぞれの人生を交錯させ、過去の思いを胸に抱きながら、新しい未来へ向かって進んでいく青春映画『青の帰り道』が12月7日に公開初日を迎え、同日新宿バルト9にて初日舞台挨拶イベントが行われ、真野恵里菜、森永悠希、戸塚純貴、秋月三佳、冨田佳輔、藤井道人監督が登壇した。
先に行われた完成披露試写会で感涙した真野は「恥ずかしい~」と照れつつも、改めて撮影中断を経て完成したことについて「作品を作る大変さも知ったし、私は主演ということもあって、絶対に作りたいという思いがあった」と涙。声を震わせながら「そんな思いにキャストやスタッフの皆さんが協力してくれた。役者として集まったときに出せる力も発揮できたし、私はやり切った感がある」と感涙しながら胸を張った。
また本作を通して経験したこととして「生きていて辛いというのは常に当たり前であって、それをどう乗り越えていくか。私たちもこの作品を通して起こったことしっかりと受け止めてやってきたし、順風満帆に見えても実はそうではない人もいる。だからこそ優しくなれるし、強くもなれる。そんなテーマがこの作品には溢れている」と実感を込めて、「できれば過去に戻りたいとか、あの時こうだったらと考えないで済む人生を歩んでほしいと思う」と観客に向けて語りかけた。
一方、撮影中の出来事として戸塚が「ホテルの隣の部屋から歌声が聴こえてきた」と振り返ると、その声の主である森永は「本当に申し訳ない。一人の時は鼻歌を口ずさみたくなる。まさかそんなに聴こえているとは思わず」と照れ。また一児の父親役を演じた戸塚が「子供って凄い。叩いてくるときも加減を知らない。5歳くらいの子の力って結構痛い」と子役との触れ合いエピソードを語ると、真野は「加減を知らないといえば横浜流星!」と明かし、「言い合いをするシーンで私の手を振り払う時に本気で振り払われたので小道具が落ちていい音を出した。また腕を引っ張るのも本気だったので、真っ赤になった。横浜流星って怖い!」と横浜の熱演ぶりを茶目っ気たっぷりに紹介した。
横浜から頭を叩かれるシーンがある冨田も「一発目から凄かった。それを何度もやるので撮影後は頭が痛かった。加減を知らない横浜流星!」と被害(?)を報告すると、真野は「常に真剣だからね」と横浜の演技に対する向き合い方をフォローしていた。
最後に真野は「映画を観たら何かしら引っかかったり、納得いかなかったり、楽しい気持ちでは終わらない映画になっています。でも作品とはそういうもの。観終わったら具体的な感想を聞かせてほしいです」と願いを込めると「私たちができることは、ここまでしてきたので、作品が手元を離れていくのは…寂しんですよ…また泣いちゃうよ~」と二度目の涙。声を振り絞って「だけどそれが役者の仕事でもあるし、はかないけども、それでみんなも前に進んでいく。年齢問わず幅広い世代の方々に観てもらいたい」とアピール。藤井監督も「面白いキャストと信頼できるスタッフと2年をかけて完成させました。人生何が起こるかわからないと日々生きていますが、一本の映画が完成するのは奇跡だと思えたし、この作品をきっかけに自分の映画の作り方も変わりました。この映画が沢山の人に届くように願っています」と思いを込めた。
『青の帰り道』
12月7日(金) 新宿バルト9ほか全国順次公開
監督:藤井道人
出演:真野恵里菜 清水くるみ 横浜流星 森永悠希 戸塚純貴 秋月三佳 冨田佳輔 工藤夕貴 平田満
配給:NexTone
【ストーリー】 2008年、東京近郊の町でまもなく高校卒業を迎える7人の若者たち。歌手を夢見て地元を離れ、上京するカナ(真野恵里菜)。家族と上手くいかず実家を出て東京で暮らすことを決めたキリ(清水くるみ)。漠然とデカイことをやると粋がるリョウ(横浜流星)。カナとの音楽活動を夢見ながらも受験に失敗し地元で浪人暮らしのタツオ(森永悠希)。できちゃった婚で結婚を決めたコウタ(戸塚純貴)とマリコ(秋月三佳)。現役で大学に進学し、意気揚々と上京するユウキ(冨田佳輔)。7人がそれぞれに大人への階段を上り始めて3年後、夢に挫折する者、希望を見失う者、予期せぬことに苦しむ者―7人7様の人生模様が繰り広げられる。そして、再び“あの場所”に戻った者たちの胸に宿る思いとは―。
©映画「青の帰り道」制作委員会