全世界で120億円以上の興行収入を記録したネイチャー・ドキュメンタリーの金字塔『アース』の10年ぶりとなる待望の第2弾『アース:アメイジング・デイ』が11月30日より公開となる。このほど、11月20日に東京・神楽座にて公開直前イベントが行われ、日本版ナレーターを務めた佐々木蔵之介、「天才!バカボン」シリーズでハジメちゃん役を演じて脚光を浴びた子役の早坂ひらら、動物行動学者の新宅広二が登壇した。
佐々木は映画を観て「10年前劇場で観て、10年温めていた理由が分かった」と話し、家でもトイプードルを飼っているほどの動物好きという早坂は「親子のシマウマが川で助けてもらったところに感動した」と愛くるしい笑顔で話した。また、感心したポイントとして佐々木から「役者という仕事をしているからこそ、どんなアングルで撮ってるの?なんで肩越しで撮れるの?引きで雨粒までどう撮ってるの?とアメイジングづくし。どれだけの熱量をかけて撮っているのか、カメラマンが生態学や行動学を学んでどの方向で狙って撮っているのかがよくわかる素晴らしい映画でした」と役者目線の貴重なコメントを寄せた。
そんな二人へ動物クイズを実施。答えの解説者として、本作の監修を務めた動物行動学者の新宅広二も加わりクイズがスタートした。1問目はシルエットになった3択から、本作にも登場する海の動物「イッカク」を当てるというもの。佐々木は「Bのフランクフルトのようなもの」、早坂は「C」を選び、見事早坂が正解。ピョンピョンと跳ねて喜ぶ早坂に、佐々木は「間違ってた、勘違いしてた」と反省した。さらに、新宅から「イルカとクジラは実は生物学上は同じ動物で、4メートルを境に大小で呼び方を分けている」と解説があり、そのトリビアに二人は感心していた。また、イッカクの角は実はキバであり、上唇を突き破って出っ歯であることに「危ないですよ!」と思わず声を荒げる佐々木。お互いがぶつからないところも「感覚が分かってるんだ」と感心した様子だった。
2問目は真っ白のパンダの絵を、二人で力を合わせて黒い部分を予想して塗るというお絵かきクイズ。制限時間30秒の中、二人は相談しながらも必死に黒いと思う部分を塗り、次第に早坂が「ここ違う!ここ分かんない!」と焦るのに対し、佐々木は「えっ、ここ違うの?そうやんな、ここ塗っておこうか」と主導権を早坂に譲りつつも、シッポに「パ」と書くなどいたずらをする場面も。その様子はまるで親子の姿を見ているようで、そんな和んだ状況の中、正解を知り「えー!そうなんだ!」と脚など意外な部分も黒いところに二人は驚いていた。さらに、新宅が「黒と白の意味は、標高の高い寒い地域に住むパンダにとって冷えやすいところが黒い部分」と話し、会場全体が関心を持った様子。佐々木は、「『パ』と書いたのはパンツのつもりで書いた。なら脚が黒いのは靴下を履いているということか、へー」と感心しきりだった。また、パンダの実寸大の模型にも触れて、生まれてすぐの模型と2週間の模型を比較して「2週間ってほんまに重いなー」とびっくりした様子。パンダのフンとは知らずに匂いを嗅いで「草みたいな匂い」と早坂が言う通り、パンダはほぼ笹を食べて生きるが、その匂いがフンにも反映されていて驚いていた。さらに、パンダは肉食から草食になっている途中ということも知り、「パンダがたまにバーっと勢いよく食べる映像を観たことがあるけど、そういうことか!」と感心しっぱなしの佐々木だった。
3問目は佐々木から、早坂と会場のお客さんへの出題。「クジラはどう寝るか?」というクイズに「これは分かる!」と自信満々の早坂。「頭を上にする」という会場の予想や大人の誘惑にも負けず意見を貫き、顔を下にして縦向きにシールを貼り、見事正解。「ヤッター!」と大喜びの早坂とは対照的に、佐々木は「実は分からなかった…」と告白した。新宅からも「さらにイルカは寝ない動物で、実際には左脳が寝ている時に右眼が開いている。それを交互に繰り返す」と説明を受けて驚き、さらに縦にして寝る意味もまだ謎に包まれている上、単なる寝相と知って、佐々木は「ウォーターベッドやからね」と会場を爆笑させた。
早坂が2問正解、佐々木は0問正解という結果だったものの、頑張った二人に対してスペシャルゲストとして本物のナマケモノがステージ上に登場。本作では大変貴重な泳ぐ姿を披露しているナマケモノが、木にぶら下がった有名すぎる姿そのままに登場し、二人は実物を目の当たりにして「わー!おー!」と大興奮。以前ナマケモノがお気に入りと挙げていた佐々木は「この場に来る時点で働きものですよ。爪がすごいですね!」と感激した様子だった。猿などは棒を握るのに対し、ナマケモノは爪でひっかけているため、死んでもぶら下がったままであることや、うまくいけば30年生きられることを知り、「すごいなー!省エネモードに入ってるんやなー」とコメント。また木にぶら下がってあまり動かないことで「狙われない?」と心配する佐々木に対し、新宅から「枝の先にぶら下がるのが得意だから、ジャガーなどの動物は行けない。その代わり鷲などに狙われる」と聞き、佐々木は「楽しているようで大変!」とナマケモノの気持ちに寄り添っていた。その間も自由に頭を上げ下げしたり、ポジションを変えたりと動くナマケモノに二人は見入った様子だった。
最後に佐々木から「ナマケモノは一生分の仕事をしましたね。この作品はタイトルの通り、僕たちと同じ時間を過ごしている。ご飯を食べたり喧嘩したり…。家族で是非ご覧頂きたいし、全ての映像も、クジラが話す音もすごい。これはどう撮ったの!?と感心ばかりで記憶に残る映画だと思います。是非劇場でご覧ください」と締め、興奮と感動の中イベントは終了した。
『アース:アメイジング・デイ』
11月30日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督:リチャード・デイル ピーター・ウェーバー ファン・リーシン
プロデューサー:スティーブン・マクドノー
製作総指揮:ニール・ナイチンゲール
脚本:フランク・コットレル・ボイス ゲリン・ヤン
音楽:アレックス・ヘッフェス
製作:BBCアース・フィルムズ
監修:新宅広二
日本版ナレーター:佐々木蔵之介
配給:KADOKAWA
【作品概要】 ネイチャー・ドキュメンタリーの先駆者であり、常に世界最高峰の作品を発表し続けている英国のBBCアース・フィルムズの最新作。撮影チームは総勢100名、ドローンはなんと200台が使用され、世界22カ国で撮影を敢行。この10年で飛躍的な進歩を遂げたテクノロジー、特に最新の4Kカメラ技術によって、生き物たちの貴重な姿の撮影に成功した。ジャイアントパンダやキリン、ヒゲペンギンなどよく知られた動物たちの見たことがないような表情や、絶滅危惧種のなかでも最上級カテゴリーの絶滅寸前種であるハクトウラングールの姿など、まさに“アメイジング”な映像の連続となっている。
©Earth Films Productions Limited 2017