斎藤工、父が作る麻婆豆腐に「麻酔銃で撃たれたように麻痺した」映画『家族のレシピ』舞台挨拶レポート

シンガポールと日本の外交関係樹立50周年をきっかけに製作された、ラーメンとバクテーという両国ソウルフードがつなぐ家族愛を描いた感動作、『家族のレシピ』が2019年3月9日に公開。このほど、11月1日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた第31回東京国際映画祭での上映後舞台挨拶にて、主演の斎藤工とエリック・クー監督が登壇した。

本作は斎藤工演じる主人公が、父親の死をきっかけに幼い時に亡くした母の地元・シンガポールに旅立ち、一度はバラバラになってしまった家族の絆を取り戻すために奔走する感動作。共演の松田聖子は、シンガポールのフードブロガー役で主人公に現地の名物グルメを案内し、家族探しを手助けする。監督は、カンヌ・ヴェネチア、トロント、ベルリンなどの国際映画祭で常に高い評価を得るシンガポールを代表する映画監督で、2011年にはマンガ家・辰巳ヨシヒロの漫画を原作に初の長編アニメーション『TATSUMI マンガに革命を起こした男』で日本でも広く知られるエリック・クー。

「なぜ共演に松田聖子さんをキャスティングしたのか?」という質問に対して、エリック監督は「10代の頃、松田聖子さんの大ファンだった」ことを明かし、「どうやったら聖子さんに会えるのか。脚本をぜひ見ていただきたい。そしてこの美樹役をやっていただけないか」という強い思いでオファーをしたとう。

『TATSUMI マンガに革命を起こした男』を観ていたという斎藤は、エリック監督の出会いについて「僕ら以上に日本人のことを捉えていて、大ファンだった。そんなエリックが日本のキャストを探していると聞いて、チャンスがあるならもらいたい」とスカイプオーディションに臨んだことを明かした。

撮影時の印象深いエピソードについて、斉藤は「監督が最終日にチキンスープ作ってきてくれた。撮影がものすごい大変な中、煮込みスープという準備のいるものを作ってきてくれて、めちゃくちゃ美味しかったんですよ。その美味しさ以上に、彼がこれを作るために、割いた時間とか見えない気持ちとかが、僕の中にぐっと入ってきて、涙を流しました」と話し、そのスープの味は忘れられない思い出になったことを明かしてくれた。

自身の「家族のレシピ」について思い出を聞かれた斉藤。「父が辛党なんです。父が作る麻婆豆腐が、日に日に山椒が増量されていって…。ある日食べた麻婆豆腐は、麻酔銃で口を撃たれたように麻痺した」と思い出深いエピソードを明かして、会場のファンを笑わせていた。

【フォトギャラリーはコチラ】

『家族のレシピ』
2019年3月9日(土)より、シネマート新宿ほか全国公開
監督:エリック・クー
出演:斎藤工 マーク・リー ジネット・アウ 伊原剛志 別所哲也 ビートリス・チャン 松田聖子
配給:エレファントハウス

(C)Wild Orange Artists/Zhao Wei Films/Comme des Cinemas/Version Originale