地方に住む女性の居場所を求める心模様を鮮やかに描いた山内マリコによる同名小説を、橋本愛主演で映画化した『ここは退屈迎えに来て』が10月19日に公開となる。このほど、10月17日に東京・神楽座にて公開直前イベントが開催され、キャストの橋本愛、成田凌、渡辺大知、廣木隆一監督、サプライズゲストで主題化を歌うフジファブリックが登壇した。
撮影当時は21歳だったという橋本は「27歳の女性を演じたのですが、6年間の埋められない時間を想像で埋めたのが苦しかった」そうだが、同時に「高校生の時代を演じているのですが、その時の開放感がすごく気持ちが良かった」と撮影を振り返った。
男女を問わず皆の中心にいた憧れの椎名くんを演じた成田は「僕が何をするでもなく、周りの皆んなが作ってくれたものなので、椎名くんとして僕がやったことは特にないです」と謙遜すると、渡辺が「謙虚ですねえ〜!」と感心しつつも「こんなこと言ってますけど、撮影後の打ち上げの時に、『俺の10年後のシーンを観て欲しい』と自信満々だった」と暴露。成田は、一瞬黙ったが「なんか言い訳したかったけど、言い訳のしようがなかった(笑)」と諦めた様子だった。
9月27日からカナダで開催された第37回バンクーバー国際映画祭のゲートウェイ部門に本作が正式出品された際に、現地の舞台挨拶に登壇したという橋本。観客とのQ&Aでは「『パート2はあるのか?』と聞かれて(笑)。『ないはずです』と言ったんですけど(笑)。鋭かったり、奇妙な質問がくるので、がんばって答えました」と話した。
イベントの後半では、本作の主題歌を歌うフジファブリックがサプライズ登壇。ボーカルの山内総一郎は「僕は地元が富山ではないですけど、故郷の風景や人間関係が共感できたので、そんな気持ちを込められたらいいなと思って」主題歌である「Water Lily Flower」を作ったという。
そしてフジファブリックにより「Water Lily Flower」のアコースティックバージョンが生演奏されると、感動した橋本が「泣かないほうが難しい。完全に一人でライブに来た感覚になっちゃって(笑)」と目を潤ませた。同曲のミュージックビデオにも出演したという成田は「感無量です。僕から言えることは何もありません…」と感動しきりだった。
『ここは退屈迎えに来て』
10月19日(金) 全国公開
監督:廣木隆一
原作:山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」(幻冬舎文庫)
出演:橋本愛 門脇麦 成田凌 渡辺大知 岸井ゆきの 内田理央 柳ゆり菜 亀田侑樹 瀧内公美 片山友希 木崎絹子 マキタスポーツ 村上淳
配給:KADOKAWA
【ストーリー】 マスコミ業界を志望して上京したものの、10年後地元に戻ってきた27歳の「私」(橋本愛)。実家に住みながらフリーライターとしてタウン誌で記事を書いている冴えない日々。高校時代に仲の良かった友達サツキと久々に会った勢いで、男女を問わず皆の中心にいた憧れの椎名くん(成田凌)に連絡し、会いに行くことに。道中、「私」の中に椎名くんとの高校時代の忘れられない思い出が蘇る―。元カレ「椎名」を忘れられないまま地元でフリーターとして暮らす「あたし」(門脇麦)。元カレの友達・遠藤と、腐れ縁のような関係を続けているけれど、心は彼といたときの青春の輝かしい記憶に今もとらわれている―。
© 2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会