スクルージ役の市村正親が登場!映画『Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~』公開アフレコイベント レポート

1843年に出版された英文学の傑作「クリスマス・キャロル」が生まれる過程を描いたファンタジー『Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~』が、11月30日より公開となる。それに先だち、10月9日にオムニバスジャパン 赤坂ビデオセンターにて公開アフレコイベントが行われ、スクルージ役の吹替声優を務める市村正親が登場した。

市村は、これまでミュージカル『スクルージ~クリスマス・キャロル~』で1994年の初演以来、5度もスクルージ役を演じてきたことが縁となり、今回のキャスティングが実現。MCの呼びかけにより“日本のスクルージ”として堂々と市村が登場。いきなり「ばかばかしい!」とスクルージの決め台詞を発し会場を驚かせるも、「僕の演じるスクルージは嫌なやつですから、『記者会見!?くだらん!』とか言う男なんですけど、中身はチャーミングな男なんですよね。僕も長い間この役柄を演じてきていますが、役では悪い奴、でも実生活ではいい奴、というのを心がけて演じています(笑)」と挨拶した。

スクルージ役のオファーが来たことに関し「僕にこの役がくるのは当たり前ですよ!他に誰がやるんだっていうね(笑)。実写版の吹き替えは初めてだったけど、とても楽しかったです!僕がやるスクルージをクリストファー・プラマーさんが演じてくれているような奇妙な感じがあって、面白かった」と話し、また「『クリスマス・キャロル』を1人54役で演じたので、もう物語自体が僕の体の中の一部となっているんです。この物語はすべて理解していたつもりだったのですが、この映画で初めて『クリスマス・キャロル』の成り立ちを知って、とても感銘を受けました」と作品の思い入れについても語った。

本作でのお気に入りの場面を聞かれると「映画の中で、スクルージはディケンズによって生み出されるキャラクターなんですけど、自分から『この台詞はどうかな?』なんてアイディアを出したりするところが斬新でとても可愛かったですね」と、本作ならではのスクルージの魅力を明かした。また家族も映画の公開を楽しみにしていると明かし、「きっと子供たちは吹き替え版の映画を観て『パパ、顔変わった!?』って言うかもしれないですね。声はパパのままだから(笑)。家族は僕が舞台をやっていることもあって、みんな『クリスマス・キャロル』の物語が大好きなんです。子供たちが幼稚園の頃に紙芝居を作ったこともありました。昨年は息子がそれを友達とのクリスマスパーティーで披露していて嬉しかった」と温かいクリスマス話も披露した。

いよいよ本予告映像の公開アフレコとなり、トークセッションではにこやかな笑顔を浮かべていたが、いざスタートすると市村の顔つきは一変。これまで長年演じ続けてきたスクルージが乗り移ったかのような迫真の演技を披露し、さらにマスコミのためサービス精神旺盛に、普段のアフレコでは見せない大げさな顔の演技も見せ、報道陣からは拍手が沸き起こった。アフレコの出来を聞かれた市村は「もちろん最高ですよ!最高じゃなきゃ世には出さないよ」と自信満々に語ったかと思えば、「自分では別に満足だと思ってないよ!監督が最高って言っているから、僕はそう言っているだけなんですよ(笑)」と謙遜も見せ、会場を笑いに包んだ。

また本作は第31回東京国際映画祭の特別招待作品としての上映が決定しており、イベントでは、市村が10月25日に行われるオープニングイベントのレッドカーペットと、映画が上映される10月31日の上映前イベントに登壇することが新たに発表された。これについて市村は「今まで舞台の仕事が多くてあまり映画祭に縁がなかったのですが、この作品のおかげで貴重な体験をさせていただけるようでとても嬉しいです」と喜びを語った。イベントの最後には、「吹き替え版ですので、日本語が分かる人は全員観て欲しい!子供から大人まで、老若男女みんなが楽しめる映画になっていますので、ぜひたくさんの方々にご覧いただきたいですね!」とクリスマス・キャロルの魅力を知り尽くした市村らしく、力強いコメントで締めくくった。

『Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~』
11月30日(金) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:バハラット・ナルルーリ
出演:ダン・スティーヴンス クリストファー・プラマー ジョナサン・プライス
日本語吹き替え:市村正親 小野大輔 坂本真綾
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES

【ストーリー】 1843年10月、ヒット作に恵まれない中、家族や家の維持費で金欠状態だった小説家チャールズ・ディケンズは、どうにかヒット作を生み出そうと奮闘する。新作の執筆に没頭しているうちに小説の世界に入り込んでいき、やがて現実と幻想の境目が曖昧になっていく―。そこで「クリスマス・キャロル」の登場人物スクルージらとの出会いを経て、幼少期の隠された記憶や実父との確執といった自分の問題と対峙していくのだった。

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