第31回東京国際映画祭が、10月25日より六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開幕する。これに先だち、9月25日に虎ノ門ヒルズフォーラムにてラインナップ発表記者会見が行なわれ、映画祭アンバサダーに就任した松岡茉優、ゲストの阪本順治監督、今泉力哉監督、岸井ゆきの、湯浅政明監督らが登壇した。
真っ赤なドレスで登壇した松岡は「映画祭に華を添えられるように、若手の力を示せるように頑張りたい」と挨拶。映画祭のアンバサダーに就任した時のリアクションについて聞かれると「う〜ん、私でいいんですかねえ…?」と、大役に恐縮したらしいが、初主演映画の『勝手にふるえてろ』が昨年の同映画祭で東京ジェルムストーン賞を受賞したことを受け、「今後この賞がもっと華やいだものにするために頑張ろうと、一年邁進してきました。一年後にアンバサダーというのは、良いルートというか(笑)自信になりました」と胸を張った。
自身の出演する映画『万引き家族』でカンヌ国際映画祭のレッドカーペットを歩いた感想を聞かれると「私の初めての映画祭は東京国際映画祭なんですよ(笑)」と会場を沸かせつつ、「寒さと緊張で脚がガタガタ震えちゃって。やっぱりカンヌはすごかったです…(笑)」とニッコリ。東京国際映画祭についても「映画が大好きだぞという熱量では、カンヌにも負けてない」としっかりフォローし、関係者から大きな拍手を浴びていた。
また『万引き家族』で共演した故・樹木希林との思い出を聞かれると「たくさんあって、宝物なんですが。悲しい気持ちはあまりなくて、一度、映画の中でお別れをしていて、ありがとうをたくさん言えた」と自身にとっては二度目の別れとなり、それが悲しみを軽減できたと明かした。「樹木さんと同じ時代に生まれて、樹木さんの作品をたくさん観られる。私が新しい世代につないでいく役目としては、同じ時代に生まれたことを誇りに思って、更に勉強して樹木さんのようになり、樹木さんを生で見ていた人間として、次の世代の人に渡せるような存在になりたい」と真剣な表情で答えていた。
映画祭の顔となる“コンペティション部門”に完全オリジナル作品『半世界』が出品されることになった阪本順治監督。本作で炭焼き職人の役を演じる稲垣吾郎について「土の匂いのする役をやらせたら面白いんじゃないかと思った」とコメント。稲垣とは以前にも会ったことがあるという阪本は、「普段の彼はテレビで観るような姿ではなく、非常に素朴さを感じた。炭を淡々と入れる土着な人間が、実は似合うのではないか」と思っていたという。また、稲垣をボールに例えると「きれいな回転をしながらミット収まる速球」と独特な表現をして会場を沸かせていた。
■第31回東京国際映画祭
開催期間:2018年10月25日(木)~11月3日(土・祝)
会場:六本木ヒルズ(港区)、EXシアター六本木ほか
公式サイト:www.tiff-jp.net