ブッシュ政権を猛烈に批判し、全世界2億ドル、日本でも興行収入17億円を記録した、問題作にして大ヒット作『華氏911』を手掛けたドキュメンタリー作家マイケル・ムーアの最新作『華氏119』が、11月2日より公開となる。このほど、本作のポスタービジュアルと予告編がお披露目となった。
これまでにもムーア監督は、『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002)、『シッコ』(2007)と、巨大な権力に対抗してアポなし突撃取材を敢行し、アメリカ社会に一石を投じてきた。今回の相手は、アメリカ合衆国第45代大統領、ドナルド・トランプ。本作のタイトル“119”とは、トランプの大統領当選が確定し勝利宣言をした“2016年11月9日”を意味し、過去作『華氏911』に呼応したタイトルになっている。
予告編は、自身の故郷ミシガン州の州会議堂に乗り込むマイケル・ムーア監督の登場からスタート。全米ライフル協会のTシャツを着た親トランプ派の男性に続き、「私も有色人種を憎むが殺しはしない」と発言をしたトランプ大統領、昨年バージニア州シャーロビッツビルで勃発した白人至上主義団体(クー・クラックス・クラン)と反対派の衝突事件を思い出させる、ネオナチとクー・クラックス・クランの儀式の映像が続く。トランプの朋友で参謀のロジャー・ストーンの警告も気にせず突撃をやめないムーア監督の怒りの矛先は、さらにミシガン州のスナイダー知事へ。2016年に大統領の非常事態宣言までも出たムーアの故郷フリント市で起きた水道水汚染事件の報復ともとれる、フリントの汚染水を知事邸に放射する。そして、リンキン・パークの歌にも使用された、60年代の政治活動家マリオ・サビオの最も有名なスピーチを皮切りに、反トランプ派として、今年2月に起こったフロリダ州高校銃乱射事件の被害者であり、銃規制を訴えた女子高生エマ・ゴンザレスや、今年6月のニューヨーク州の民主党予備選にて当選した28歳のヒスパニック系アレクサンドリア・オカシオ・コルテスが、トランプ暗黒時代の“抵抗軍”として登場する。
ポスタービジュアルは、昨年ワシントンで行われたウィメンズ・マーチで、熱烈にトランプ大統領を批判した際のマイケル・ムーア監督の姿を捉えている。
『華氏119』
11月2日(金)、TOHOシネマズ シャンテ他 全国ロードショー
監督:マイケル・ムーア
出演:ドナルド・トランプ
配給:ギャガ
【作品概要】 2016年11月9日、トランプは米国大統領選の勝利を宣言―その日、米国ひいては世界の終わりは始まった!?なぜこうなった?どうしたら止められる?ムーア節炸裂!宿命の戦いに手に汗にぎるリアル・エンターテイメント!
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