大ヒット絵本「パパのしごとはわるものです」と「パパはわるものチャンピオン」を、“新日本プロレス100年に一人の逸材”エース・棚橋弘至の主演で映画化した『パパはわるものチャンピオン』が、9月21日に公開される。それに先だち、テレ朝夏祭りとコラボした「トークバトルイベントin六本木」が開催され、主人公・大村孝志/ゴキブリマスクを演じた棚橋弘至、息子役を演じた寺田心、ゴキブリマスクの相方・ギンバエマスク役の田口隆祐、そして破壊神スイートゴリラ丸山役の真壁刀義が登場した。司会は映画で実況をつとめた野上慎平アナウンサーが務めた。
野上アナの呼び込みによりキャスト陣が登壇…のはずが、誰も出て来ない。すると会場に「ゴキブリマスクの入場曲」が鳴り響き、客席側からプロレスの入場風にキャスト陣が登場!本作で息子役を演じた寺田心は、父親役の棚橋弘至に肩車をされ、観客とタッチしながら客席を練り歩く形で入場した。
野上アナがG1のことに触れると「G1で疲れてないやつなんていねえよ」と真壁が言うと、先日G1で優勝した棚橋は「疲れてないです!」と最初から棚橋節をみせつけ、会場から拍手が起きた。その後順番に挨拶していく中で、寺田が「皆さんにお会いできてすっごくうれしいです!」と挨拶すると真壁刀義が「おい!かわいすぎるだろ!」と思わずツッコミ。次に挨拶をした田口隆祐は寺田の真似をしてかわいい声で挨拶をし、寺田に対して「こんな大人にならないでね」と言い、笑いを取った。真壁は「スイートゴリラ丸山」という役名について控室でも思い出し笑いをしていたと棚橋からバラされていた。真壁は、熱中症やお子さんに気遣う挨拶など役名さながらのスイートな発言で優しさを垣間見せた。挨拶を終えて、キャストが椅子に座る際に、椅子が高くて座るのに手こずっていた寺田を棚橋がサポートする一幕もみられた。
棚橋は「主人公を演じてみてどうだったか?」と聞かれると「責任感がうまれた。映画全体を引っ張っていかなきゃならないが、初めてのことが多く、何していいか分からなかったので、明るい現場の雰囲気をつくるためにニコニコしていた」と答えた。クランクインが去年のG1 CLIMAX終了後すぐだったため、G1が始まる2か月前くらいから寺田と監督と3人で演技の練習をしていたと明かした。そのなかで滑舌をよくするために練習した「外郎売」を実際に披露。それに対して「よく覚えているなとは思ったけど、噛んでるよな」と真壁からツッコミを入れられると、G1の8.10リング上でも噛んでしまったことを自虐して笑いを誘った。プロレスと演技の違いを聞かれると、セリフの言い回しを考えながら繰り返し練習し、その都度監督に指導してもらったとのこと。何回もやっていくうちに「あ、自然に言えた」と正解の感覚をつかんでいく感じにやっていたと語った。それに対して寺田は「努力していててすごい!」と棚橋ねぎらった。
棚橋は、レッスンの時からずっと一緒にいたため、関係性を親子という役どころに実際に落とし込めたのはよかったと、また、寺田がプロレスに興味を持ってくれたことを嬉しそうに語った。それについて寺田は、オカダ・カズチカが棚橋にドロップキックをするシーンで心配になってしまい思わずリングに上がってしまったというエピソードを明かした。また、撮影中にプロレスごっこをして遊んでいた2人。実際に、レインメーカーを小さな身体を生かしくぐり抜け、後ろに回ってパンチするという“寺田心式レインメーカー返し”を披露した。寺田は、「プロレスラーと共演するのは怖かったか?」と聞かれると、プロレスを知るためにDVDを観たら、たまたま血だらけの映像をみてしまって大丈夫かな?と思ったが会ってみたらすごく優しくて、遊んでくれて楽しかったと答えた。それに対して真壁は「リングを降りたら優しいただのおじさんだよ」と笑いを誘った。
田口は、その名演から試写にきた関係者から評価されていることに触れられると、冗談交じりに「演技は勝負」と独自の役者論を語り笑いを誘った。しかし、本作で主人公の妻・詩織役を演じた木村佳乃からは「役者かと思った。あなたは役者に向いているわよ」と言われていたエピソードが明かされると「来年から試合数が減るかも…」と役者の仕事が増える可能性にまんざらでもない様子をみせた。真壁は見どころを聞かれると「破壊神という役どころで暴れまわっています。控室でのシーンなど裏側の鬼気迫る雰囲気を味わってほしい。(その雰囲気の中を)心君が逃げ回るシーンもあるのでみてほしい」と語った。それに対し、「プロレスを知らない方でももちろん楽しめる作品だし、プロレスの映画なんて興味ないというプロレスコアファンにも届くような作品」と野上アナが熱弁した。それに応えるように、棚橋も「理解しあえない関係性に対してヒントをくれる作品です」と語るが、それに対して寺田が「噛んだよね?」とかわいくツッコミ。棚橋が噛んでNGを出した撮影秘話も語られた。
ここで他に出演するプロレスラーが紹介される。「どこのシーンでだれが出てくるか楽しめますね」と野上アナ。ここで真壁から「控室など(新日本プロレスの)派閥ごとに分けられていた」などスタッフの気遣いがあったなど裏話が明かされた。棚橋が初のヒールレスラーをやったことに対して「手探りだったけど、パートナー(ギンバエマスク)がいたから心強かったです」と答えると、かつてヒールレスラーとして活躍した経験のある真壁は「ヒールレスラーなのにラメが入ってたり光沢のある衣装で派手でこんなオシャレなヒールいねえだろと思ったけど、2人(ゴキブリマスクとギンバエマスク)の掛け合いとかが面白かった」など2人のヒール論が本気でぶつかるシーンについても語った。プロレスの試合を観戦するシーンについて聞かれた寺田は、「プロレスファンに応援の仕方を教わったりして、声を枯らして応援したりとプロレスが大好きになりました」と語り、その寺田の頭を真壁がやさしく撫でるとういう一幕も。寺田が棚橋の応援で試合を観に行った際に、寺田をみつけた棚橋が情報解禁前にも関わらず「ゴキブリポーズをした」というエピソードも語られた。
プロレスの試合のシーンについて、何回も同じシーンを撮ったりするなど普段の試合とは違ったと語る棚橋。技を受けるときに試合ではテンションを高めてアドレナリンがでるが「はい、やってください」と撮影でいわれるときに、瞬間的にテンションをあげるのが難しかったと明かした。
最後に、真壁から「プロレスの面白さや裏側が描かれているし、なによりもハートフルな家族の物語なので、心があったかくなりたかったら、この映画を見てください」と、田口から「プロレス映画というよりも、プロレスのシーンもある映画としてみてほしいです。親子の感動の作品ですので、ぜひ劇場で観ていただきたいです」と挨拶があり、寺田は「この映画は小さい子から、おじいちゃんおばあちゃんまで見られる映画だと思います。色んな役の立場に立ってみれば様々な見え方があると思います」と大人顔負けのコメントをし、会場から拍手が起きた。棚橋はこの後は言いにくいと言いつつ「全力でがんばりました」と仁王立ちで堂々と挨拶した。観客と共に記念撮影をし、「今日噛んでばっかりだけど映画では噛んでないです」「会場の皆さん、愛してま~す!」と棚橋らしく締めくくった。
『パパはわるものチャンピオン』
9月21日(金)全国ロードショー
監督・脚本:藤村享平
原作:「パパのしごとはわるものです」「パパはわるものチャンピオン」作:板橋雅弘 絵:吉田尚令(岩崎書店刊)
出演:棚橋弘至 木村佳乃 寺田心 仲里依紗 オカダ・カズチカ 田口隆祐 大泉洋 大谷亮平 寺脇康文
配給:ショウゲート
【ストーリー】 まぶしいほどのスポットライトのなか、大歓声を浴びる大村孝志(棚橋弘至)。人気も実力も兼ね備えたエースレスラーだったが、膝に大ケガを負って試合から長期離脱してしまう。それから10年、かつての強さを取り戻せないでいる孝志は悪役レスラーとなり、客席からブーイングを浴びる日々を送っている。妻の詩織(木村佳乃)は変わらず応援してくれるが、孝志は自分の仕事を9歳になった息子の祥太(寺田心)に打ち明けられずにいた。だがある日、偶然から祥太にバレ、「悪者のパパなんて大嫌いだ」と言われてしまう。しかし、そんな孝志に、名誉を取り戻すチャンスが訪れる。かつての孝志に憧れていたトップレスラーのドラゴンが、孝志をタイトルマッチの相手に指名したのだ。自らのプライドと家族への愛のために、全く勝ち目のない戦いに立ち上がる孝志。果たして、孝志が決意したすべてを賭けた危険な技とは?そして息子との絆を取り戻すことは出来るのか―。
(C)2018「パパはわるものチャンピオン」製作委員会