東出昌大と濱口竜介監督がタッグを組み、芥川賞作家の柴崎友香による同名恋愛小説を映画化し、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された『寝ても覚めても』が9月1日に公開となる。このほど、本作の原作者の柴崎友香と主演の東出昌大の再タッグが実現した小説「つかのまのこと」が、8月31日に発売されることが決定した。
撮影 干川 修
「つかのまのこと」は、作家の柴崎友香が、東出昌大をイメージして執筆した純文学小説。描かれた“物語”を起点に写真家・市橋織江が世界観を撮り下ろし、本書の随所に写真がちりばめられている。柴崎は、『寝ても覚めても』の取材時に、「東出さんには2.5次元的な、少しこの世と違う場所にいる様な雰囲気を持っている」と語っている。
■柴崎友香 コメント
東出昌大さんの存在感から浮かんできたイメージをたぐり寄せるように想像が膨らんでいきました。いくつかの時間といくつかの心が重なりあう小説になりましたが、市橋織江さんの写真を見たとき、わたし自身もすっとその世界に入っていけるような気持ちになりました。小説も写真も、ページをめくるその人の思い思いの時間で楽しんでもらえるものです。普段見ている風景のその向こう、見落としてしまいそうな時間の隙間に、誰かの記憶に、思いを馳せてもらえたらうれしいです。
■東出昌大 コメント
僕も柴崎さんも生活の中で「余白」を大事にしているので、この本ではその辺りをぜひ感じていただき、文字に、写真にいろいろ想像を膨らまして楽しんでもらえると嬉しいです。皆さん忙しすぎる日々を送っていると思うので、この作品をゆっくり読んで、ぜひほっとしてください。市橋織江さんは、その場の空気を切り取って下さる方なので、むしろ僕がそこにいないと思って見ていただくと、より楽しんでもらえるかと(笑)。柴崎さんの文章と市橋さんの写真が織りなす、やわらかさと一種の淋しさが混ざった世界観、そしてその中に小さな光を探すような感じで、楽しんでいただければと思います。
「つかのまのこと」
著者:柴崎友香
モデル:東出昌大
撮影:市橋織江
発売予定日:8月31日/四六判/予価(本体1,500円+税)
発行:KADOKAWA
【ストーリー】 「わたしのほうが幽霊である、と気づいたのは、早い時期であったように思う。」かつての住み家であったのであろう、“この家”を彷徨い続ける“わたし”。その理由がわからないままに時は移り変わり、家には次々と新しい住人たちがやってくる。彼らの光景を見守り続ける“わたし”は、ここで、いったい何を、誰を待っているのか―。ラスト、その結末にじんわり胸が熱くなる。あなたは、大切だったあの人の“顔”を、覚えていますか?
『寝ても覚めても』
9月1日(土) テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督:濱口竜介
原作:柴崎友香「寝ても覚めても」(河出書房新社刊)
音楽:tofubeats
主題歌:tofubeats「River」(unBORDE/ワーナーミュージック・ジャパン)
出演:東出昌大 唐田えりか 瀬戸康史 山下リオ 伊藤沙莉 渡辺大知 仲本工事 田中美佐子
配給:ビターズ・エンド、エレファントハウス
【ストーリー】 東京。カフェで働く朝子は、コーヒーを届けに行った先の会社で亮平と出会う。真っ直ぐに想いを伝えてくれる亮平に戸惑いながらも朝子は惹かれていき、ふたりは仲を深めていく。しかし、朝子には亮平には告げていない秘密があった。亮平は、かつて朝子が運命的な恋に落ちた恋人・麦(バク)に顔がそっくりだったのだー。
©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS